でも、USCPAはどんな国際会計資格で、どのくらいお金がかかって、どう勉強したらいいのかわからなくて困ったな。
USCPA(米国公認会計士)やEA(米国税理士)は以前から人気だったよね。
最近、USCMA(米国公認管理会計士)に関心がある人が増えてきたよ!
USCMAは、管理会計のスペシャリストになりたい社会人・就活を控えた大学生におすすめの資格なんだよ。
USCMA試験の難易度、費用、勉強方法、キャリアを徹底解説していくね。
USCMA(米国公認管理会計士)・ USCPA(米国公認会計士)・EA(米国税理士)の違いや比較は、こちらの記事を参考にしてください。
CIA(公認内部監査人)も国際資格として人気がありますので、こちらの記事を参考にしてください。
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どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA(米国公認会計士)・USCMA(米国公認管理会計士)・CIA(公認内部監査人)・EA(米国税理士)の比較もしています。
1.USCMA(米国公認管理会計士)とは?どんな国際資格?
USCMA(米国公認管理会計士)とはどのような国際会計資格なのか見ていきましょう。
(1)USCMAは国際会計資格の1つ
USCMA(米国公認管理会計士)は、US Certified Management Accountantの略で、USCPA(米国公認会計士)と並んで2大国際会計資格の1つ。
日本ではUSCMA資格はあまり知られていませんが、米国では知名度が高いです!
(2)USCMAは管理会計がメイン
USCPAとUSCMAの違いですが、USCPAは「財務会計」がメインで問われますが、USCMAは「管理会計」がメイン。
USCPA(米国公認会計士):財務会計がメイン
USCMA(米国公認管理会計士):管理会計がメイン
(3)USCMAはビジネス実務に直結
USCMAは経営に関する幅広い知識が問われますので、ビジネス実務に直結した資格と言えます。
USCMAを取得すると、特にコンサルティング会社で高く評価されますし、企業内のマネジメントや、会計・財務・企画などの業務で活躍可能。
(4)USCMAは「英語力×会計知識」の証明になる
USCMA試験も英語で出題されます。
ですので、USCPA資格と同じように「英語力×会計知識」の証明になり、就職・転職でプラスになる資格と言えます。
(5)USCMAは需要の伸びが大きい
「管理会計」が分かる人材が求められるようになっているため、USCPAに比べて需要の伸びが大きいです。
USCPAではなく、あえてUSCMAに挑戦することも選択肢として十分に考えられますね。
2.USCMA(米国公認管理会計士)の試験は?
つぎに、USCMA(米国公認管理会計士)の試験について見ていきます。
USCMA(米国公認管理会計士)の試験
- USCMAの試験の概要は?
- USCMAの試験の内容は?
- USCMAの試験の難易度は?難しい?
- USCMAの試験の費用は?どのくらいかかる?
(1)USCMAの試験はどんなの?USCPA・EAと比較
USCMAの試験概要ですが、理解しやすくするために、USCPA・EAとの比較とします。
項目 | USCMA
(米国公認管理会計士) |
USCPA
(米国公認会計士) |
EA
(米国税理士) |
難易度(日本の公認会計士試験を5段階の5とした場合) | 3 | 4 | 3 |
合格率(日本の公認会計士試験は約10%) | 約45%(Part1が40%、Part2が50%) | 約50% | 約70% |
必要な学習時間(日本の公認会計士試験は3,000時間から5,000時間) | 300時間から500時間 | 1,000時間から1,200時間 | 200時間から300時間 |
勉強と仕事との両立は可能か | 両立は十分可能 | 両立は可能だが、大変 | 両立は十分可能 |
独学が可能か | 独学可能だが、難しい | 場合によって独学可能だが、かなり難しい | 独学可能だが、難しい |
受験資格の要件 | 大学卒業(ただし、受験時ではなく、登録時) | 大学卒業と、単位要件 | なし(18歳以上) |
大学在学中の受験が可能か | 可能 | 州によっては可能 | 可能 |
受験日 | 1月2月、5月6月、9月10月の3つの期間 | 通年 | 1月2月、6月7月、9月10月 |
受験場所 | 東京と大阪のプロメトリック(国内の場合)、自宅受験 | 東京と大阪のプロメトリックで受験(国内の場合) | 東京と大阪のプロメトリックで受験(国内の場合) |
受験方法 | コンピュータ試験 | コンピュータ試験 | コンピュータ試験 |
受験料 | 460ドル | 596.54ドル(日本受験の場合) | 185ドル |
受験科目 | 2科目 | 4科目 | 3科目 |
出題形式 | 選択問題(100題)、記述式問題(2題) | 選択問題、事例形式問題、記述式問題 | 選択問題のみ |
出題の特徴(日本の公認会計士試験は「深く広く」とする) | やや深く、やや狭く | 浅く広く | やや深く、やや狭く |
評価方法(日本の公認会計士試験は「相対評価」 | 絶対評価 | 絶対評価 | 絶対評価 |
合格点 | 各科目ごとに、0から500ポイントのスコアに換算され、360ポイント以上で合格 | 各科目ごとに、99点満点のスコアに換算され、75点以上で合格 | 各科目ごとに40から130ポイントのスコアに換算され、105ポイント以上で合格 |
詳しくは、USCPA・USCMA(米国公認管理会計士)・EA(米国税理士)の比較【どの国際会計資格を取るといいのか?】を参考にしてください。
USCMA(米国公認管理会計士)試験のポイント
- 合格率は高めで、基礎的な問題さえできれば、全員合格となる。
- 日本での受験が可能(自宅受験も開始)。
- 受験時点では、大学卒業が要件になっていない(ライセンス登録のときに必要)☜大学生でも受験可能
- 仕事をしながら学習可能である。
- 米国の資格で情報が少ないため、基本的には予備校に通って学習することが想定される。
(2)USCMAの試験の内容は?
USCMA(米国公認管理会計士)の試験は、2科目(2パート)です。
Part 1: Financial Planning, Performance, and Analytics(財務計画、業績と分析)
Competency | 出題内容 | 出題割合 |
External Financial Reporting Decisions | 外部財務報告の決定 | 15% |
Planning, Budgeting, and Forecasting | 計画、予算、予測 | 20% |
Performance Management | 業績管理 | 20% |
Cost Management | 原価管理 | 15% |
Internal Controls | 内部統制 | 15% |
Technology and Analytics | テクノロジーと分析 | 15% |
Part 2: Strategic Financial Management(戦略的財務管理)
Competency | 出題内容 | 出題割合 |
Financial Statement Analysis | 財務諸表の分析 | 20% |
Corporate Finance | 企業財務 | 20% |
Decision Analysis | 意思決定の分析 | 25% |
Risk Management | リスク管理 | 10% |
Investment Decisions | 投資の意思決定 | 10% |
Professional Ethics | 職業倫理 | 15% |
USCMAの試験範囲は、USCPA試験のFARやBARと、内容が重複していることが分かります。
ちなみに、USCPAに合格していれば、USCMAの勉強時間は200時間くらいですむとのことです。
詳しくは、IMA (Institute of Management Accountants:管理会計士協会)の公式サイトも参考にしてください。
(3)USCMAの試験の難易度は?難しい?
USCMAの試験は難しいのかというご質問をいただくのですが、基礎さえ押さえていれば合格点は取れるでしょう。
絶対合格の試験ですので、基礎さえ理解していれば、全員合格となると考えられます。
合格率も45%で高めです。
また、USCMAの試験は英語での出題ですが、シンプルな英語であり、専門用語以外は難しい単語は出てきませんし、難しい文法を使った文章は出てきません。
TOEICでいうと500点レベルがあれば、十分に学習可能と考えられます。
(4)USCMAの試験の費用は?どのくらいかかる?
USCMAの費用がどのくらいかかるのかをまとめると、以下のようになります。
USCMAの費用(2022年3月より値上げ)
- IMA(管理会計士協会)への登録(1年間有効):275ドル
- 受験申請(3年間有効):280ドル/回
- 受験代:460ドル/科目×2科目
- USCMAライセンス登録料:なし
合計:約1,500ドル
2科目、1回ずつでストレート合格したとしても、約1,500ドル(約17万円)はかかると考えましょう。
高く感じるかもしれませんが、USCPAは1科目の受験で7万円はかかり、4科目の受験代だけで30万円くらはかかりますので、それに比べれば安いです。
3.USCMA(米国公認管理会計士)の活かしかたは?
USCMA(米国公認管理会計士)の活かしかたについて見ていきます。
USCMA(米国公認管理会計士)の活かしかた
- 箔をつけて転職する
- 就活で差別化する
- 転職せず知識を活かす
(1)箔をつけて転職する
正直なことをいうと、USCMAはUSCPAと違って認知度が低く、USCMA資格が要件となっている求人は、日系企業については見たことがないです。
USCPAの方が認知度が高く、世界でも日本でも評価されるので、余裕があればUSCPAを取得するのがいいでしょう。
ですが、会計・監査・税務に携わらない場合、USCPAでは資格取得にかける時間とコストがかかりすぎます(USCMAなら、USCPAの半分以下の時間とコストです)。
「ビジネス全般に強い英語ができるビジネスマン」であることを印象付ける場合、USCMAで十分でしょうね。
外資系企業であれば、USCMAでもUSCPAと同じくらいの認知度があるので、日系企業への転職は視野に入れない場合は、USCMAが選択肢の上位になります。
ちなみに、日本には管理会計のきちんとした資格がありませんし、USCMAならば英語で受験するため、管理会計の知識と英語力の証明にもなります。
よって、コンサルティングやFP&Aに携わりたい場合や、英語力をアピールしたい場合には、USCMAという資格が適しています。
合格後にライセンス登録をすれば、名刺に「USCMA」と入れられるので、対外的に管理会計のスペシャリストであることが示せます。
「中小企業診断士×USCMA」「ファイナンシャルプランナー×USCMA」「日商簿記×USCMA」など、他の資格にかけ算すると、さらに差別化ができます。
- USCMAは「管理会計×英語」で、英語ができるビジネスマン・管理会計のスペシャリストとして、アピールが可能となる!
- USCMAは短期合格が狙えるので、USCPAよりもコスパがよい。
- 名刺に「USCMA(米国公認管理会計士)」と記載できる。
(2)就活で差別化する
USCMAについては、大学卒業の学位が受験資格にはなっていませんので、大学生でも受験可能です。
USCPAは、四年制大学卒業の学位が基本的には必要となり、さらに、会計やビジネス単位が必要なためすぐには受験ができませんが、USCMAはそのような制約はないので、特に大学生にとって選択肢となるでしょう。
実際のところ、USCPAについては、受験には学位や単位が必要という点もありますが、勉強に多くの時間がかかるということもあり、就活までに全科目合格できないという人が多い印象です。
その点、USCMAでしたら、学位も単位も受験には必要ではなく、勉強時間が少なくすみますので、就活までに全科目合格することは十分可能でしょう。
USCMAに合格後、働き始めてからUSCPAにチャレンジすれば、USCPAの2科目(FARとBAR)はある程度勉強済みですので、非常に有利ですし、大学卒業の学位もそろっているので、受験がしやすいでしょう。
- USCMAは、受験するのに大学卒業の学位が必要ではなく、勉強時間が少なくてすむので、就活までに差別化できる資格が欲しい大学生におすすめ。
- USCMAに合格してからUSCPAにチャレンジすれば、勉強時間が少なくて済む。
- 社会人になってから「USCMA+USCPA」となれば、他のUSCPAよりも差別化できる。
(3)転職せず知識を活かす
USCMAは、ビジネスに直結した知識が身につけられ、現在勤務中の企業内でも知識が幅広く活かせます。
特に、管理会計の知識があると、以下のような点で活かせます。
管理会計の知識が活かせる点
- 財務分析
- 予算計画・管理
- 原価管理による収益性改善
- 内部統制の整備
- リスクマネジメント
既にUSCMAの試験内容を見ていただいたので、どのようなことを学ぶことになるのかはご理解いただいていると思います。
USCMAは、体系的に管理会計の知識を身につけられる資格ですので(日本には同じような資格はありません)、USCMAを学んでいない人に比べて、実務で知識を活かし、パフォーマンスを上げ、さらには昇給・昇格につなげることが可能でしょう。
- USCMAは経営に関する幅広い知識を学習するため、経営者と一緒に会社をよくするような業務に携われる。
- 管理会計の知識がある人が少ないため、社内で高く評価される。
- USCMAは、7年以内にライセンス登録しないと合格実績が消えてしまいます(USCPAは消えません)。
- USCMAは、ライセンス登録の実務経験は自己申告ですので、誰かにサインをしてもらう必要はありません(USCPAは必要です)。
4.USCMA(米国公認管理会計士)の勉強方法は?
USCMAの勉強方法は、大きくは2つに分かれます。
USCMAの勉強方法
- 予備校を利用する ☜英語力に自信がない人、会計初学者
- 独学する ☜英語力に自信がある人、USCPAの学習経験がある人
独学する場合、日本語で書かれた市販のテキスト・問題集はないため、英語力があるかどうかが独学可能かどうかの分かれ目になると思います。
効率的・確実に合格するためには、予備校を利用するのがおすすめではあります。
(1)予備校を利用する☜英語力に自信なし
予備校を利用してUSCMAの学習をする場合ですが、日本でUSCMAの講座を提供しているのはTACだけです。
USCPAで有名なアビタスは、残念ながらUSCMAコースは提供していません。
TACのUSCMAコースは、Beckerのテキスト・問題集・演習ソフトがベースとなっています。
解説は日本語で講義があり、演習は英語で行います。
TACのUSCMAコースは、以下の3つに分かれています。
TACのUSCMAコース
- USCMA本科生:簿記3級・英文会計学習済み
- 旧BEC+USCMA対策:公認会計士・中小企業診断士・USCPA(FAR)学習済み
- USCMA対策:MBA取得者、USCPA(FAR・BEC)学習済み
(2)独学する☜英語力に自信あり・USCPA学習経験あり
予備校を利用せずに、独学でUSCMAの学習をすることも考えられます。
たとえば、以下のような米国のUSCMAのテキスト・問題集を利用することが考えられます。
Part1とPart2(2年間の有効期限)
Part1のみ(1年間の有効期限)
Part2のみ(1年間の有効期限)
以上、「USCMA(米国公認管理会計士)はどんな国際資格?費用・勉強法・キャリア徹底解説!」でした。
英語力の問題もあり、独学は難しいかな。
USCMAはリモート受験も始まったし、これから受験者が増えるんじゃないかな。
USCPA(米国公認会計士)だと、監査や税務の勉強まで必要だから、時間もお金もかけたくない場合にはオーバースペックだし、受験要件を満たすのが大変。
その点、USCMA(米国公認管理会計士)なら、管理会計にフォーカスしているから、勉強時間も少なくてすむし、ニッチな分野でスペシャリストとして活躍していけると思う。
USCPAと違って、大学生にもUSCMA(米国公認管理会計士)はおすすめだから、ぜひ検討してみてね。
USCMA(米国公認管理会計士)ではなくUSCPA(米国公認会計士)に興味がある場合は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。