日本の公認会計士は、USCPAが活かせるのかな。
USCPAに挑戦するか決断できなくて困ったな。
最近、有名な日本の公認会計士YouTuberがUSCPA資格も取得したこともあり「日本の公認会計士×USCPA」のダブルライセンスに興味をもつ人が増えているよ。
日本の公認会計士が「USCPAに挑戦する」と決断する前に知っておいてもらいたいことを説明するね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
米国公認会計士(USCPA)と日本の公認会計士ダブルライセンスの活かしかた
USCPAと日本の公認会計士のダブルライセンスの活かしかたをご説明していきます。
USCPAと日本の公認会計士のダブルライセンスの活かしかた
- 日本の公認会計士がUSCPAを取る意味は?
- 日本の公認会計士のUSCPAの活かしかた
- 日本の公認会計士がUSCPAを取る場合の負担
日本の公認会計士がUSCPAを取る意味と活かしかたをご説明し、実際にUSCPAを取る場合にどのくらいの勉強時間と費用がかかるのか補足していきます。
USCPAと日本の公認会計士については「USCPAと日本の公認会計士のどっちがいいのか?どっちに挑戦するといいのか?」と二者択一の論争が主でした。
ですが、最近、日本の公認会計士でUSCPAに挑戦する人が増えてきました。
「日本の公認会計士だけど、USCPAも取った方がいいのか?」と疑問を持たれる方が増えています。
ですので、当記事では「日本の公認会計士×USCPA」のダブルライセンスにした場合、どのように活かせるのかご説明していくことにしますね。
USCPAと日本の公認会計士の比較(二者択一)は、こちらの記事を参考にしてください。
1.日本の公認会計士がUSCPAを取る意味は?
日本の公認会計士がUSCPAを取る意味について最初に考えてみましょう。
USCPAというのは、ご存知かと思いますが、米国の公認会計士です。
米国の公認会計士ですので、日本では独占業務権限がありません
一方、日本の公認会計士は、日本での独占業務権限があります。
よって、日本国内だけの話をしてしまうと、日本の公認会計士の方がUSCPAより圧倒的に強い資格です。
日本国内では、日本の公認会計士資格は国家資格、USCPA資格は公的資格という扱いになります。
つまり、日本の公認会計士資格は、「持っていれば食べていける資格」であり、USCPA資格は「持っていればプラスになる資格」といった大きな違いがあります。
独占業務権限のある日本の公認会計士がUSCPAに挑戦する場合は、「プラスアルファ」の効果が得たいという場合だと思います。
日本国内では、日本の公認会計士という強いカードがあって、USCPAという「切り札」も持ちたいという場合でしょう。
USCPAを「切り札」として使う場合の活かしかたとしては、大きくは日本国内と海外での2つに分かれるでしょう。
日本の公認会計士がUSCPAを活かす
- 日本の公認会計士はUSCPAを「切り札」として使う。
- 日本国内と海外で、USCPAという「切り札」の活かしかたが違う。
2.日本の公認会計士のUSCPAの活かしかた
日本の公認会計士がUSCPAをどのように活かせるのか、日本国内と海外での2つに分けて見ていきます。
(1)日本国内での「日本の公認会計士×USCPA」
日本の公認会計士は、日本国内でどのようにUSCPAを活かしていけるのでしょうか。
日本国内の場合、USCPAの「資格」というよりは、USCPAの試験を通して身につけた「知識」が武器になるでしょう。
「会計×英語」の知識やUSGAAP(米国会計基準)の知識があることで、他の大勢の公認会計士と差別化でき、国際的な案件を獲得できるようになります。
会計も英語もできる人はなかなかいないため、競争が少ない分野、つまり高い報酬が得られる分野で活躍できるようになります。
どこは以前、米国企業で経理の仕事をしていましたが、独立開業した日本の公認会計士さんが顧問の会計士として会計帳簿のチェックや監査対応のサポートをしてくださっていました。
もともとBIG4監査法人でパートナーまでしていた方なのですが、独立後は「会計×英語」ができることで、多くの外資系企業をクライアントに抱え成功していました。
日本の企業より外資系企業の方が、会計の大切さを認識している場合が多く、会計報酬の予算が多く取れるため、外資系企業がクライアントだと報酬が多くもらえる傾向があるように感じています。
つまり、USCPAの試験を通して身につけた「会計×英語」の知識があれば、たとえ日本の公認会計士として独立した場合も、高報酬の外資系企業を相手にできます。
- 日本で働く日本の公認会計士の場合、USCPAに合格しても、名刺にUSCPAも記載する方は少ないと思います。
- BIG4で働いていたときも、公認会計士とUSCPAを名刺に併記している方は見たことがなかったです。
- 知識が必要だから勉強しただけで、USCPAとして名乗りたいというわけではないからだと思います。
- 他の日本の公認会計士と差別化できる。
- 開業した場合に、英語案件・国際案件(報酬が高い案件)を獲得できる。
(2)海外での「日本の公認会計士×USCPA」
日本の公認会計士は、海外でどのようにUSCPAを活かしていけるのでしょうか。
海外の場合、USCPAの試験を通して身につけた「知識」よりも、USCPAの「資格」が活かせる印象です。
日本では日本の公認会計士資格は非常に強いですが、それはあくまでも日本国内だけの話で、海外ではUSCPA資格の方が国際資格であり圧倒的に強いです。
海外では日本の公認会計士の方がUSCPAより合格が難しいなどということは知られていません。
米国以外の国でもUSCPA資格は知名度が高く評価されますので、名刺に「USCPA」と記載できることで信頼が得られやすくなります。
USCPA資格で信頼が得られるのは、企業で働きたい場合だけではなく、自分でビジネスを始めたい場合でも同じでしょう。
また特筆すべきなのは、USCPA資格があれば「相互承認協定(Mutual Recognition Agreements:MRA)」を結んでいる国々(たとえば、オーストラリアやカナダなど)でCPAとして働けることです。
日本は「相互承認協定」を結んでいないため、日本の公認会計士資格ではこの制度は利用できません。
よって、グローバル展開したい場合には、USCPAを取る動機に十分なるでしょう。
「相互承認協定」については、以下の記事が詳しいです。
USCPA資格の相互承認制度とは?米国以外の国でも公認会計士になる!
- 海外ではUSCPAという資格は高く評価されます。
- 名刺に「USCPA」と書かれているだけで、周りの見る目が変わります。
- 海外で働く場合は、「USCPA」であれば会計の専門家としてみなされ、外国人であるあなたを採用する理由となり、就労ビザや労働許可証を取る際にもプラスになります。
- 海外では日本の公認会計士よりUSCPAの方が評価が高い。
- USCPAならば「相互承認協定」があるので海外でもその国の会計士として働ける。
3.日本の公認会計士がUSCPAを取る場合の負担
日本の公認会計士が、USCPAに挑戦すると考える場合、どのくらいの労力(勉強時間)と費用がかかるのかも見てみましょう。
(1)USCPA試験にかかる勉強時間
日本の公認会計士の場合は、既にUSCPA試験の内容の多くを知っていると思います。
よって、大きな労力がかからず、合格までの時間をかなり短縮できるのではないでしょうか。
USCPA合格まで、1,000時間から1,500時間くらいの勉強時間が必要と言われています。
ですが、日本の公認会計士試験に合格済みの場合、1,000時間もかからず合格している方も多いです。
USCPA試験は、以下の4つの試験科目があります。
USCPA試験科目
必須科目(Core):3科目必須
- FAR(Financial Accounting and Reporting):財務会計
- AUD(Auditing and Attestation):監査と証明業務
- REG(Taxation and Regulation):税法と商法
選択科目(Discipline):1科目選択
- BAR(Business Analysis and Reporting):ビジネス分析と報告
- ISC(Information Systems and Controls):情報システムと統制
- TCP(Tax Compliance and Planning):税法遵守と税務計画
例えば、FAR(財務会計)の公会計やREG(諸法規)の連邦税法などは追加で学習する必要があります。
ですが、FAR(財務会計)とAUD(監査証明業務)は最初からかなり有利だと思います。
とはいえ、英語での出題となりますので、英語で専門用語を覚える必要があります。
また、JGAAP(日本の会計基準)とUSGAAP(米国の会計基準)の違いも押さえる必要はあります。
注意:2024年1月から新USCPA試験になります。
特にBEC(経営環境と諸概念)科目がなくなり、WC問題(ライティング)の出題もなくなるため、英語(特に英文ライティング)が苦手な人には有利になります!
【要注意】2024年1月から新USCPA試験制度開始!既に影響アリ
USCPAと日本の公認会計士の試験内容の比較については、こちらの記事が詳しいです。
日本の公認会計士ならば、USCPA試験の勉強時間は大幅に圧縮できる。
(2)USCPA試験にかかる費用
USCPAは、合格までにはざっと100万円くらいかかると見込んでおくとよいでしょう。
日本の公認会計士試験は誰でも受験できますが、USCPA試験は受験資格を得るには、基本的に大卒の学位と一定数の単位が必要となります。
この単位が揃っている人が少ないため、USCPA予備校を利用して単位を取得していくことになります。
また、USCPAの教材は、市販されているものは英語のものしかありません。
日本の公認会計士試験に合格していれば、会計の知識は既にあると思いますが、英語で会計の勉強ができるかとなると、よほど英語力があっても難しいと思います。
よって、テキストが日本語で書かれており、問題演習の問題は英語で、解説は日本語でといった、アビタスのようなUSCPA予備校を利用するのがおすすめとなります。
「単位を取得するため」「日本語で効率的に理解するため」という2点の理由から、多くのUSCPA受験生はUSCPA予備校を利用することになります。
各予備校によって受講料は変わってきますが、高額です。
どこはアビタスというUSCPA予備校を利用しましたし、アビタスが一番おすすめではありますが、受講料は単位取得料込みで60万円から80万円もします。
また、受験料は日本で受験する場合は、日本会場手数料などもかかってくるため、1科目の受験に8万円くらいはかかります。
試験科目は4科目ありますので、8万円×4科目で30万円くらいにはなります。
一度の受験で合格できても最低30万円かかるわけで、不合格の場合はさらに8万円ずつ追加になることにも留意しましょう。
USCPAの費用については、こちらが詳しいです。
USCPA合格までの総費用 【費用対効果を事前に検討しましょう】
- 日本の公認会計士といっても、単位が揃っていない場合はUSCPA予備校を利用することになります。
- 日本の公認会計士であれば、たとえばアビタスだと30,000万円資格割引になりますので、少しだけ有利です。
- 日本の公認会計士であれば、何度も不合格になる可能性は低くなりますので、受験料については有利になるかもしれません。
日本の公認会計士ならUSCPA試験にかかる費用が大きく減るわけではない。
以上、「米国公認会計士(USCPA)と日本の公認会計士のダブルライセンスの活かしかた」でした。
海外では、USCPAの方が日本の公認会計士より高いステイタスが得られそうだし、USCPAに挑戦してもいいかも。
具体的にどのように活かせるのか考えておかないと、思ったより費用がかかるから後悔すると思うよ。
活かせれば、すぐに費用は回収できると思うけどね。
自分なら活かせると思うなら、合格までの学習の時間は大きく短縮できて有利なので、ぜひチャレンジしてほしいよ。