最初にどの州に出願するか決める必要があるけど、USCPAのライセンスを取るかで出願州も変わってくるよね。
そもそも、USCPAのライセンスって取った方がいいのかわからなくて困ったな。
USCPAのライセンスって、必要とか必要ないとか、意見が分かれるから困るよね。
USCPAのライセンスとはどんなもので、取った方がいいのはどんな人か、USCPAライセンス保持者としての立場からお話していくね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
USCPAになる方法は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
1.USCPAのライセンスとは?
USCPAのライセンスとは、USCPAとして業務を行うための免許のことです。
米国の各州の会計士委員会(BoA)が、USCPAのライセンスを発行します。
たとえば、どこは、ワシントン州の会計士委員会が発行したUSCPAのライセンスを持っています。
USCPAのライセンスを登録して初めて、次のようなことができるようになります。
USCPAのライセンスを登録するとできること
- 名刺に「USCPA」と記載できる
- USCPAであると正式に名乗れる
- ライセンス登録州で、会計事務所の開業や「監査報告書」への署名ができる
USCPA試験に合格しただけでは、USCPAの「合格者」というだけ。
名刺に「USCPA」と肩書を書くことはできません。
対外的に「USCPA」と名乗ることもできません。
そして、転職活動などで履歴書を用意する際も「USCPA」とは書けません。
「USCPA全科目合格者」と書けるだけ。
「USCPAです」と名乗り、USCPAの名刺を持ちたいなら、ライセンスが必要。
2.USCPAのライセンスは取得すべき?
USCPAのライセンスは取得すべきなのでしょうか。
USCPAのライセンスは取得した方がいい、取得しなくていいと意見が分かれています。
USCPA合格者は、実際はどうしているのでしょうか?
そして、あなたは、USCPAのライセンスを取得するか、どう考えたらいいのでしょうか?
(1)合格者のうち、USCPAのライセンスを取得する割合
USCPA試験合格者のうち、USCPAのライセンスを取得するのはどのくらいなのでしょうか。
USCPA予備校のアビタスが行った2019年度のアンケートを参考にします。
USCPAに合格したアビタス受講生のうち、約70%がライセンスを取得・維持しているそうです。
また、取得検討者を含めると90%を超えるそうです。
取得する理由としては、「USCPAであることを対外的に証明し、ビジネスの中で資格を活用するため」だそうです。
過去、USCPAライセンスを取得していないのに名刺に「USCPA」と記載したり、対外的に「USCPA」と名乗ってしまっている「USCPA全科目合格者」を何人も見てきました。
最近は、きちんとライセンスを取得する人が増えてきているのは望ましいと個人的には思います。
アビタス出身のUSCPA合格者の約7割は、USCPAライセンスを取得。
(2)USCPAのライセンスを持つどこの経験
USCPAのライセンスを持つどこの経験を話します。
USCPAのライセンスにまつわるどこの経験
- BIG4大手監査法人の会計監査職
- タイにある米国企業の経理職
- 日本のグローバル企業の経理職
①BIG4大手監査法人の会計監査職
まず、BIG4大手監査法人の会計監査職でのUSCPAライセンスについての経験です。
入所時(転職活動時)はUSCPAのライセンスなしで全く問題なし。
履歴書には、「USCPA全科目合格」と記載。
入所後、名刺の肩書なし。
クライアントに聞かれたときのみ、USCPA合格者であることを話す。
入所後しばらくして、法人よりライセンス取得を強くすすめられる。
法人がライセンス取得費用を負担。
さらに人事が、ライセンス申請書にサインするUSCPAライセンスホルダー(同じ部署のUSCPAのシニアマネージャー)を仲介してくれる。
ライセンス取得後、ライセンスコピーを人事に提出し、名刺に「USCPA」と記載される。
クライアントは、名刺の「USCPA」を見て、「アメリカの公認会計士なんてすごい!」と言う方が多かった。
日本の公認会計士より下とみる人はいなかった(そんな失礼なことを言う人がクライアントはいなかった)。
②タイにある米国企業の経理職
つぎに、タイにある米国企業の経理職でのUSCPAライセンスについての経験です。
採用面接時に、履歴書、職務経歴書、USCPAのライセンスコピーを提出するように言われる。
名刺に「USCPA」と記載される。
USCPAであることは、海外出張や国際会議に出席する際に、かなり強調される。
アメリカ人の上司やタイ人の同僚から、USCPAということで頼りにされる。
外部監査人(シンガポール人)と話す際に「日本人だから大丈夫かと思ったけど、USCPAなら安心」と言われる。
③日本のグローバル企業の経理職
さいごに、日本のグローバル企業の経理職でのUSCPAライセンスについての経験です。
採用面接時に、USCPAのライセンスの提出は求められず。
とはいえ、USCPAであることが採用の一要因にはなっているはず。
名刺に「USCPA」の記載なし。
管理職のため、役職名のみ。
自分からUSCPAライセンスホルダーであることを言うことはない。
BIG4監査法人の監査対応時に、監査の専門用語を英語で言ってしまうので、USCPAであること自体は伝わっている。
USCPAに興味がある同僚から、USCPAについて質問を受けることはある。
USCPAという資格があるかより、仕事でバリューが出せるかが大事。
USCPAライセンスについてのどこの経験をまとめると、こんな感じでしょうか。
勤務先 | USCPAライセンスの重要性 |
BIG4大手監査法人(監査職) | 非常に高い(星5つ) |
海外の米国企業(経理職) | 高い(星4つ) |
日本のグローバル企業(経理職) | 低い(星2つ) |
海外では、米国企業で働いていたせいもあると思いますが、単なる経理職でも、USCPAライセンスは高く評価されていました。
海外では資格の強さを感じましたが、日本では資格より経験の方が評価されています。
周りのUSCPAライセンスホルダーに聞いてみると、監査法人などで会計のプロフェッショナルとして勤務しない限り、ライセンスはそれほど重要視されていないように思われます。
少なくとも、本当にライセンスを持っているかの確認は、日本の事業会社ではされないようです(どこもされたことはありません)。
USCPAのライセンスに対するどこの所感
- 監査法人で働く場合や、海外で働く場合は、ライセンスが重要視される(USCPAであることをアピールする必要があるため、ライセンスが必要)。
- 国内で経理職などで働く際は、ライセンスなしで支障なし(USCPAであることをアピールする必要がないため、ライセンスは必要ないし、資格より実務経験・マネジメント力が重要視)。
(3)USCPAライセンスは取得するかの考え方
USCPAライセンスは取得すべきか、あなたは自身はどのように考えればいいでしょうか。
USCPAライセンスは取得すべきかどう考える?
- 自分の今後のキャリアで必要なら取得する
- USCPAの合格実績の失効が心配なら取得する
①自分の今後のキャリアで必要なら取得する
ライセンスを取得するかは、ご自分の今後のキャリア次第ではないかと思います。
転職活動においては、日本では、「USCPA全科目合格者」なのか「USCPAライセンス取得者」なのかはあまり気にされません。
監査法人などで働く場合はライセンスがあるのかが大事ですが、事業会社などではUSCPA試験に合格したという実績が評価されます。
一方、海外では転職活動でもライセンスがあるかは気にされると思った方が良いでしょう。
というよりは、USCPA試験に合格しておいてライセンスを取得しない人はいないという認識なのでしょうね。
CPA Verifyでライセンスを必ず確認されます(名前だけでライセンスの登録状況の確認が可能です)。
USCPAのライセンスを取得するといいいのは、以下のようなキャリアに就く場合でしょう。
UCPAのライセンスを取得するといいキャリアの例
- 監査法人で働く場合(特に会計監査職に就く場合)
- 事業会社の経理部や海外事業部で海外子会社の管理を担当する場合
- コンサルティングファームで働く場合
- 金融機関の法人営業などに就く場合
- 商社で事業投資案件などを担当する場合
- 海外で働く場合
- 監査法人・公認会計士とのやり取りが発生する場合
②合格実績のデータ消去が心配なら取得する
合格実績のデータ消去が心配なら取得するといいでしょう。
全科目合格して3年以内にライセンスを取得しない場合、海外受験者は合格実績のデータが消去される可能性があります。
「Informed Consent for International Candidate(十分に情報を得て外国人出願者は合意すること)」
原文は以下の通り。
I shall obtain a Certified Public Accountant (CPA) license from the State Board within three (3)years of passing all four sections of the Uniform CPA examination, counting from the date my scores are issued. In the event I have not obtained such CPA license within three (3)years, under applicable state law, my scores can be automatically withdrawn and I shall have no rights or privileges to them.
原文参考訳:
CPA試験の4科目すべてに合格した後、スコアが発行された日から数えて3年以内に州委員会から公認会計士(CPA)のライセンスを取得します。3年以内にCPAライセンスを取得しなかった場合、適用される州法に基づき、スコアは自動的に取り消され、私はそのスコアに対していかなる権利も特権も持たないものとします。
原文リンク:
AICPA(米国公認会計士協会)・NASBA(全米州政府会計委員会)
「Informed Consent for International Candidates(外国人受験者に対する十分な情報を得た上での合意)」
USCPA試験に全科目合格して3年以内にライセンスを取得しないと、合格者データベースから氏名が削除される可能性があるということです。
合格実績自体が取り消されるわけではありません。
某USCPAの学校が「ニューヨーク州出願はステイタス」として(意味が分かりませんが)、「合格実績が取り消されないニューヨーク州出願がおすすめ」と宣伝している影響で誤解が広まっていますね。
TACのサイトにもこのような記載があります。
4科目のうち1科目でも日本受験をする場合、全科目合格後3年以内にLicenseを取得することに同意が求められます。この同意によりインターネットで合格者およびLicense取得者を検索するためのデータベースに登録が行われます。
但し、3年以内にLicenseを取得しない場合でも、合格実績そのものが取り消されるわけではありません。3年経過後であってもLicenseの取得が可能で、Licenseを取得された場合はLicense取得者としてデータベースに再表示されることになります。
合格実績そのものが取り消されるわけではありませんと記載がありますね。
とはいえ、米国の試験ですので、日本人の私たちにとっては、もしも万が一、合格実績そのものが取り消されたとしても、対抗するのはハードルが高いでしょうね。
ですので、キャリアと関係なく、合格したらライセンスまで取得した方が安全だと思います。
- ライセンスを取得しないと決めている場合、ニューヨーク州のみ「Informed Consent」を適用しませんので、ニューヨーク州に出願し、ニューヨーク州で合格しておくという道はあります。
- ライセンスまで取得するのに、ニューヨーク州での出願をすすめているUSCPA予備校がありますが、結局はワシントン州などでのライセンス取得をすることになるので、あまり意味がないでしょう。
- どの州でライセンス登録があるかが大事で、どの州に出願したかは大事ではないので、ニューヨーク州出願は何もステイタスがないでしょう。
USCPAのライセンスを取得後、どうしても維持更新をする必要がないと感じた場合(必要がなくなった場合)、USCPAライセンスは一時的に無効化できます。
一時的にライセンスを無効化すれば、更新の必要がなくなります。
更新料や継続教育の単位のための学習が必要ではなくなります。
USCPAのライセンスはどの州がおすすめかは、こちらを参考にしてください。
- ライセンスを取得するかは、自分のキャリア次第ではある。
- ビジネス上、USCPAと名乗れた方がいいなら、ライセンスを取得した方がいい。
- 合格実績の失効が心配なら、ライセンスを取得した方がいい。
- ライセンスを取得して、やはり必要がないということになったら、一時的に無効かしてもいい。
以上、「米国公認会計士(USCPA)のライセンスとは?必要?どんな人は取得すべき?」でした。
USCPAのライセンスは取得するのが、本来の姿だと思うけど、ライセンスが絶対必要ないキャリアを歩むつもりならば、取得する必要はないかもね。
ただ、将来のことでの絶対はないので、USCPAのライセンスを取得するだけして、もし必要がないなら、一時的に無効化してもいいかもね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
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どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
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