日本の公認会計士ではなく、USCPAの場合は、どんな感じで働くのか知りたいな。
USCPA試験に合格したあと、BIG4大手監査法人で監査人として働いていたよ。
その時の経験を話していくね。
USCPAとしてBIG4大手監査法人で働きたいと考えている人は、参考にしてみてね。
1.配属された事業部について
まずは、配属された事業部についてです。
配属されたのは、外資系企業だけを監査する国際部でした。
所属していたのは大体100名。
割合は以下のとおり。
- 日本の公認会計士:50%
- USCPAと英国勅許公認会計士:45%
- 無資格者(日本の公認会計士試験の勉強中や、税理士試験科目合格者):5%
つまり、約半分がUSCPAでした。
そして、USCPAについては、こんな感じ。
- どこのような日本で勉強して合格した日本人
- アメリカの大学で会計を専攻して合格した日本人
- キャリア交換制度で来ていたアメリカ人
USCPAだと、日系大手企業を監査する事業部に配属されることは少ないのではないでしょうか。
どこが勤務していたBIG4大手監査法人では、どこが配属された事業部にほとんどのUSCPAがいたと思います。
どこが配属された事業部にいた日本の公認会計士は、英語もできるエリート、もしくは、グローバル志向が強い向上心の高い人たちでした。
名前を出してしまうと、東大(東大の同じ会計ゼミの人が集まっていたようです)や、一ツ橋大などの国立名門大学の卒業生が多かったです。
このようなエリートの日本の公認会計士の皆さんは、USCPAを馬鹿にするのではないかと最初は思いました。
ですが、頭だけではなく性格もよい人が多く、USCPAのどこに対しても、上から目線で見てくるような人はいませんでした。
2.アサインされた業務について
つぎに、アサインされた業務についてです。
監査法人では、アサインされたプロジェクトベースで働きます。
ちなみに、事務所内には自分の固定席はなく、私物を保管できるロッカーと、自分あての郵便物などを入れてもらうフォルダーが用意されているくらいです。
そして、プロジェクトの初日と最終日以外は、クライアント先への直行直帰になります。
どのようなプロジェクトにアサインされるかは人によって違く、ほぼ1年間1つのクライアントに常駐状態の人もいれば、毎週のようにクライアントが変わる人もいました。
どこの場合は、1年のうち約3ヶ月間アサインされるクライアントが2社、あとの4ヶ月は1週間から3週間くらいの間で次々とクライアントが変わる感じでした(残りの2ヶ月は休暇や、研修など)。
ずっと同じクライアントだと飽きますし、毎週のようにコロコロとクライアントが変わると疲れますし、どこの場合はちょうどバランスが良かったと思います。
クライアントは外資系企業で、CFOだけ海外本社から派遣された外国人、経理スタッフは全員日本人というパターンが多かったです。
ですので、資料を依頼すると、財務諸表や帳簿関係は英語、銀行資料、請求書、税金関係資料は日本語という感じでした。
CFOへのインタビューは英語ですが、基本的には日本人の経理部員と日本語でやり取りをすることがほとんどでした。
ですので、英語での読み書きは大丈夫だけど、英会話はあまり自信がないというどこのようなタイプでも、困ることはなかったです。
アサインされたプロジェクトメンバーは3人のことが多く、一番多くても10人以下でした(ただし、往査に行くスタッフとシニアスタッフだけの人数)。
事業部の男女比が2対1だったので、3人監査の場合は、どこだけ女性、他の2人は男性、しかも日本の公認会計士というパターンがほとんどでした。
次々とアサインされるプロジェクトが変わり、メンバーも変わるので、たとえあまり相性が合わない人と同じプロジェクトになっても、短期間で終わりになるのでつらくはありません。
今思い返しても、少しつらかったアサインは、野球が大好きな男性2人とのチームになってしまい、毎日ランチの時間に野球の話題をされ続けたことくらいです(どこは野球は全く興味がありません)。
3.USCPAが監査法人でバリューを出すには
USCPAのどういう点が評価されるのか、直属のパートナーに聞いたところ、以下の3つでした。
USCPAが評価される点
- 英会話力があること。
- わかりやすい監査調書が作成できること。
- クライアントと良好な関係が築けること。
(1)英会話力があること
英会話力があることは、USCPAにとって、一番のウリになるポイントです。
監査メンバーが外国人スタッフだけ、しかも、クライアントの監査対応スタッフも外国人社員しかいないアサインがあります。
英語でクライアントにインタビューし、監査調書を英語で書き、監査メンバーと英語でコミュニケーションを取ることができれば、たよりにされます。
英会話力が非常に高いUSCPAは、監査法人内でも貴重です。
TOEIC満点などはゴロゴロいましたが(驚くくらい、日本の公認会計士でもTOEIC満点を持っていました)、英会話力が高い人はそこまで多くはありませんでした。
(2)わかりやすい監査調書を作成できること
わかりやすい監査調書を作成できることは、レビューをする側からすると非常に重要なポイントです。
理論的だけど小難しく複雑な調書を作られると、レビューに時間がかかります。
シンプルに、結論が一目で分かる監査調書が一番いいわけです。
どこは、この勘定科目のこのアサーションを検証するため、この監査手続きをし、結果がこうだったので結論はこうですと、分かりやすく書くことを心がけていました。
監査調書をわかりやすく書くコツ
- 目的:Objective
- 手続:Procedures
- 結果:Results
- 結論:Conclusion
監査調書がわかりやすいからと、わざわざ指名してアサインしてくれるシニアマネージャーもいました。
USCPAの勉強で、アサーションはしっかりと勉強しますので、監査実務でもその知識は活かせます。
難しいことはわからなくても、基礎だけはしっかり押さえているUSCPAの方が、日本の公認会計士より分かりやすい監査調書が作れると思っています。
(3)クライアントと良好な関係が築けること
クライアントと良好な関係を築くことも、基本ですが、大事なポイントです。
日本の公認会計士は、クライアントに難しい専門用語で説明するうえ、経理の実務経験がない人がほとんどだったため、クライアントを困らせている人が多かった気がします。
監査資料を依頼しても、クライアント側からすると何を用意したらいいのか分からず、用意しないと監査が終わらないけれど、どうしたらいいのか分からないという状態になっていました。
どこは、外資系企業で年次決算まで一人でできるほどの経理の実務経験があったので、どのような資料が必要なのか、どうやったら用意できるのか具体的にクライアントに説明できていました。
USCPAは中途入社で前職がある人が多いと思いますので、たとえ経理の実務経験がなくても、前職の経験からクライアントとうまくコミュニケーションが取れるのではないかと思います。
結局、マネージャー以上になればともかく、スタッフやシニアスタッフレベルだと、
- 英会話ができるなど、USCPAとしてたよられる部分に応えること。
- 必要な監査手続きを漏らさずやり、レビューの手間をかけさせない監査調書を作成すること。
- クライアントから苦情を出さないこと。
の3点ができるだけでも「USCPAとして監査法人内でバリューが出せている」と言えると思いますよ。
以上が、「【体験談】BIG4大手監査法人でUSCPAとして働いてみた!」でした。
すごく興味が出てきたよ!
BIG4監査法人で働くという選択をして、心から良かったと思うよ。
BIG4で働ていたと言うと、転職の際に非常に評価が高くなるし、監査をした経験があると、事業会社で監査を受ける側になっても、監査人と対等にやり合えるようになるしね。
USCPA試験に合格したら、監査法人で働くことを考えてみてね。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かし方やUSCPA短期合格のコツも記載しています。
まだUSCPAの勉強を始めていない場合は「USCPAの始めかた」も参考にしてください。