USCPA合格者はリリース問題というのをやるようにおすすめしているよね。
リリース問題って何で、なぜおすすめされているのか知りたいよ。
リリース問題(AICPA Released Questions)は、AICPAが提供しているUSCPA試験の過去問だよ。
USCPA受験生の間では「リリ問」と呼ばれたりしているよ。
リリース問題とは何なのか、どんな内容なのか、解くタイミングやどう意識して解くといいのか、説明するね。
USCPAの勉強を始めていない場合「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かし方やUSCPA短期合格のコツも記載しています。
1.USCPAのAICPAリリース問題とは何?
USCPA試験のAICPAリリース問題(Released Questions)とは何なのでしょうか。
AICPAリリース問題とは、AICPA(米国公認会計士協会)が提供しているUSCPA試験の「過去問」です。
USCPA受験生は、リリース問題を解くのはマストです!
個人ではリリース問題の入手は不可能。
USCPA予備校やUSCPAコースのプロバイダーなどから入手することになります。
たとえばアビタスは、2024年リリース問題まで既に掲載しています。
必須科目(FAR・AUD・REG)だけではなく、選択科目(BAR・TCP・ISC)もです。
いち早く対応してくれて助かりますよね!
2024年AICPAリリース問題をマイページの資料室に掲載しました。
選択3科目(#BAR #TCP #ISC)を含む、6科目のMC&TBSを掲載しています。
これから受験される方は、受験直前期にご利用ください。#uscpa #米国公認会計士 #CPAExam pic.twitter.com/5k8Uj7RbJP— 株式会社アビタス (@abitusstaff) April 27, 2024
アビタスなら「受講生マイページ」に過去のリリース問題もしっかり完備。
問題と解答だけではなく、解説まで掲載されているので助かりますね。
2024年リリース問題の解説も用意されました!
リリース問題は、自分の中で思っていた出題の傾向やレベルが実際と乖離している場合、方向を修正する助けになるでしょう。
とはいえ、出題の傾向を知るには、Blueprintsを見るのが一番とどこは考えています。
AICPAが提供しているUSCPA受験生のための「三大試験準備マテリアル」は、以下の通り。
AICPA提供の三大試験準備マテリアル
- 「ブループリント(Blueprints)」:出題の傾向を知る(何が、どのレベルで、どのくらい出題されるのか理解する)
- 「リリース問題(Released Questions)」:出題の傾向とレベルを体感する(過去問を解くことで、出題の意図を理解する)
- 「サンプルテスト(Sample Tests)」:解き方に慣れる(パソコンで正しく解答するために予行演習する)
当記事で取り上げているリリース問題だけではなく、ブループリント(Blueprints)やサンプルテスト(Sample Tests)も活用するといいですね。
USCPA試験のブループリント(Blueprints)については、以下の記事を参考にしてください。
USCPA試験のサンプルテスト(Sample Tests)については、以下の記事を参考にしてください。
2.AICPAリリース問題の内容
つぎに、USCPA試験のリリース問題の内容について見ていきます。
(1)リリース問題の概要
リリース問題の概要は以下の通りです。
リリース問題の概要
- 現時点(2024年11月時点)では、2024年度までのリリース問題がある。
- 2019年度は、MC問題(選択問題)のみ追加で提供。
- リリース問題には、MC問題(選択問題)、TBS問題(事例形式問題)、WC問題(記述式問題)のすべての試験形式が掲載(ただし、WC問題は旧試験のみで新試験ではなくなったので対策の必要なし)。
- AICPAは、リリース問題の答えは提供するが、解説は提供しない(解説はUSCPA予備校が用意して提供)。
- リリース問題は、出題された当時の規定に基づいているので、既に有効な問題ではない可能性がある(特にREGは頻繁に規定変更があるので、過去の問題を解く際は注意が必要)。
- 「質問と解答に影響を与える可能性のある変更を認識することは、あなた自身の責任で、AICPAは責任を負わない」とリリース問題に明記。
現在、2024年度までのリリース問題(AICPA Released Questions)があります。
2024年1月に新USCPA試験に切り替わったため、過去の問題を解く際は、どの問題がどの科目になったのか見分ける必要があります。
アビタスは、旧試験でのリリース問題(2019年から2023年)について、新試験の科目構成(2024年から)に基づいて分類してくれています。
過去のリリース問題が新USCPA試験の科目に組み替えまでされています。
アビタス受講生は組み替え表を「受講生専用サイト→資料室→受験直前対策→AICPA Released Questions→■Released Questions Evo対応表」で確認できます。
リリース問題を新USCPA試験の科目に分類(旧科目→新科目)
新FAR | 新AUD | 新REG | BAR | ISC | TCP | 削除 | |
旧FAR | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | |||
旧AUD | ✔ | ✔ | ✔ | ||||
BEC | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ✔ | ||
旧REG | ✔ | ✔ | ✔ |
基本的には、旧FARは新FARかBAR、旧AUDは新AUDかISC、BECは新REGとTCP以外、旧REGは新REGかTCPに振り分けられていると考えていいですね。
一部当てはまっていない問題がありますが、無視できるくらい数は少ないです。
自分で各科目の範囲を確認したい場合は、以下の記事も参考にしてください。
アビタスの「Released Questions Evo対応表」に間違えがある?
アビタスの「Released Questions Evo対応表」に間違えがある(分類に疑問がある)という声をX(旧Twitter)で見かけました。
もちろん、絶対に合っているという保証はありません。
ですが、以下の3パターンの受験生以外は、分類が正確ではなくてもそれほど大きな問題ではないですよね。
- BECに合格済み、つまり選択科目の受験予定がない新REG受験生(TCPの分まではやりたくないから、なるべく正確な分類が知りたい)
- BAR選択予定の新REG受験生(TCPの分までやりたくないから、なるべく正確な分類が知りたい)
- TCP選択予定の新FAR受験生(BARの分までやりたくないから、なるべく正確な分類が知りたい)
BAR選択予定の新FAR受験生は、どちらにしてもBARで新FARも範囲に入ってくるので、旧FARの問題は全部やった方がいいでしょう。
TCP選択予定の新REG受験生は、どちらにしてもTCPで新REGのTAXも範囲に入ってくるので、旧REGのTAXの問題は全部やった方がいいでしょう。
ちなみに、旧AUDは新AUDにほぼ引き継がれますので、問題になりようがないですね。
(2)リリース問題に付された情報
リリース問題には、以下のような情報が付されています。
リリース問題に付された情報
- Mod/Hard:難易度が普通レベル(Medium)か難しいレベル(Difficult)か
- Item ID:AICPAが問題を追跡するために使用する識別ID
- Key:問題の解答
- Blueprints:Blueprintsのバージョンと科目、問題の根拠となるBlueprints内のコンテンツエリア、コンテンツグループ、トピック、サブトピック
- Skill Level:問題のスキルレベル
リリース問題のMC問題は、前半に難易度が「普通レベル(Medium)」、後半に難易度が「難しいレベル(Difficult)」の問題が並んでいます。
アビタスのリリース問題は、難易度が明記されていませんので、前半か後半かで難易度を判断してください。
例えば、AUDのリリース問題の場合、MC問題は全部で36問ですが、前半の18問は「普通レベル(Medium)」、後半の18問は「難しいレベル(Difficult)」です。
「前半は正解率が高かったのに、後半から正解率が下がった」というツイートを時々見かけますが、難易度が前半と後半で違うのが原因ですよ。
MC問題の難易度については、以下の記事も参考にしてください。
リリース問題のMC問題、TBS問題には、Blueprintsの参照先も記載されています。
ここで、Blueprintsについて簡単に説明をしておきます。
Blueprintsでは
- タスクがトピックごとにまとめられ
- そのトピックがコンテンツグループにまとめられ
- さらにコンテンツグループはコンテンツエリアにまとめられています。
Blueprintsの出題分野とアビタス教材の対応
Blueprintsの出題分野とアビタス教材の対応表は、アビタスの受講生専用サイトに掲載されています。
USCPAのBlueprintsの記事を参考にしていただき、ありがとうございます😊
出題分野とアビタス教材の対応表は、受講生専用サイトに掲載されています。
資料室→受験関連手続き資料→Step7 試験結果通知(マニュアルリンク)→CPA受験手続きのご案内→4.5 試験結果〜→ D. Candidate〜(対応表リンク) https://t.co/3a4Bz7KGtA
— どこ『USCPAになりたいと思ったら読む本』著者 (@dokoblog) December 30, 2022
Blueprintsでのスキルレベルは、以下の4つのレベルがあります。
スキルレベル
- 「Remembering and Understanding(記憶と理解)」:ある分野の重要性を認識し、理解すること。
- 「Application(応用)」:知識・概念・技術を使用、あるいは実証すること。
- 「Analysis(分析)」:原因を特定し、推論を裏付ける証拠を見つけるために、別々の分野の相互関係を調査、研究すること。
- 「Evaluation(評価)」:問題を検討または評価し、そして判断して結論を出すこと。
上に行くほど、シンプルなスキルレベルです。
念のため、スキルレベルと試験形式の関係もご説明しておきます。
スキルレベルと出題形式の関係
- 「Remembering and Understanding(記憶と理解)」:MC問題で出題
- 「Application(応用)」:MC問題かTBS問題のどちらかで出題
- 「Analysis(分析)」と「Evaluation(評価)」:ほとんどTBS問題で出題
「Evaluation(評価)」レベルのMC問題は出ないと考えていいでしょう。
USCPA試験のBlueprintsのスキルレベルは、以下の記事を参考にしてください。
3.AICPAリリース問題を解くタイミングと目的
さいごに、どのタイミングで、何を意識してUSCPA試験のリリース問題を解くといいのか考えてみましょう。
例えばアビタスは「十分な実力が備わってからリリース問題にとりかかるように」とアドバイスしています。
それは、基礎学力がまったく身についていない段階でリリース問題に取り組んでも、何の学びも気づきも得られないからでしょう。
ですが、十分な実力が備わったとしても、本番直前にリリース問題を解くのはおすすめできません。
というのは、本番直前に、実際の試験の出題傾向やレベルと、学習で身につけてきたことが乖離していることに気が付いても、軌道修正が間に合わない可能性が高いからです。
ですので、リリース問題は、2段階に分けて取り組むといいのかと思います。
リリース問題を解くタイミングと目的
- 第1段階:学習を始め、ざっくりとその科目の全体像が分かった頃☞正しくインプットできているか?
- 第2段階:学習が進み、どのくらい理解したか試せる状態になった頃☞正しくアウトプットできるようになっているか?
第1段階:正しくインプットできているか
USCPA予備校の講義を聴き、MC問題を一周させて、その科目の全体像やポイントがざっくりと分かってきたところで、リリース問題を一度解いてみるといいでしょう。
その段階では、正解率は気にしなくていいですし、解答をすぐに見てしまっていいと思います。
「今はまだ解けないけれど、このまま学習を続ければ解けるようになる」という感触が得られればいいと思います。
第1段階では、今の学習の延長線上で合格にたどり着けるかどうかを確かめるために、リリース問題を解く。
第2段階:正しくアウトプットできるようになっているか
正しい学習でインプットを続け、USCPA予備校の問題集が7割以上の正答率になった頃に、再度リリース問題を解いてみるといいでしょう。
リリース問題を解くことで、今までインプットしてきた知識で、正しく問題が解けるようになっているかの判断をします。
不正解ということは、学習してインプットしたけれど、まだインプットが足りないか、正しくアウトプットするための何かが足りないということ。
- なぜ間違ったのか考える。
- 理解が足りない場合は、USCPA予備校のテキストのどこに解答が記載されているかを探し、その前後を含めて読み理解を深める。
- MC問題(選択問題)で、なぜ正解の選択肢が正しいのか、なぜ不正解の選択肢は正しくないのか説明できるようにすることで、AICPAが求める正しい思考回路を作る。
リリース問題から出題の意図を理解することで、正しく反応できるようになれば、正答率も上がっていくでしょう。
できれば3年分くらいはやるのがオススメです。
4.AICPAリリース問題に関するよくある質問
AICPAリリース問題に関してよくいただく質問にお答えします。
(1)リリース問題の後半は正解率が低いけど大丈夫?
「前半は正解率が高かったのに、後半から正解率が下がったけど大丈夫?」というツイートを時々見かけますし、質問もいただきます。
正解率が後半から低くなるのは、難易度が前半と後半で違うのが原因です。
旧試験の場合ですが、AUDのリリース問題に関しては、MC問題は全部で36問。
前半の18問は「普通レベル(Medium)」、後半の18問は「難しいレベル(Difficult)」です。
(2)リリース問題は過去問だから本番でも出題する?
リリース問題は過去問ですが、本番で全く同じ問題は出題されません。
ですので、そのまま問題と解答を覚えるのはおすすめしません。
ただし、似たような問題は出題される可能性は十分にあります。
よって、似たような問題が出題されても解けるようにするのがいいでしょう。
間違ってしまった場合は、理解が足りないのか、理解が誤っていたのか確かめましょう。
テキストなどを参照しつつ復習するのがいいでしょう。
(3)リリース問題は何年分やればいい?
リリース問題はできれば3年分はやってもらいたいです。
もっと過去からやりたい場合は、あまり古いと傾向が違うので、2019年以降のをやればいいと個人的には思っています。
まとめ:AICPAリリース問題から合格のヒントをつかめ!
USCPA試験のリリース問題には、難易度、スキルレベル、Blueprintsのどのタスクに関連しているかなどの情報も記載されています。
AICPAは、受験生の学習の利便性のためにご丁寧に記載してくれているのでしょうから、そのような情報も念頭に置きながら、問題を解きましょう。
リリース問題は、USCPA試験の過去問です。
過去問は、USCPA試験に限らずどんな試験においても、自分の学習の方向性、学習の方法に影響を与える非常に大事なマテリアルですね。
例えば、大学入試の過去問は、自分が入学を希望する大学の教授たちの「想い」が反映されています。
大学入試の問題を作成する教授たちは、受験生に対して、
- 「このレベルのことはできてほしい」
- 「このような知識は持っていてほしい」
- 「これくらいのことが分からないと、入学後ついていけない」
などと考えながら問題を準備しますよね。
AICPAリリース問題も同じでしょう。
AICPAは、USCPA受験生に対して、
- 「新人の監査人は、監査の実務で、このくらいのことができる必要がある」
- 「これは実務で必要になったら調べればいいけど、これは暗記が必要」
- 「このような資料から大事な情報を読み取れないと実務ではやっていけない」
などと考えながら問題を作成しているのではないでしょうか。
USCPAのリリース問題には、合格に必要なヒントが詰まっています。
リリース問題から出題者の「想い」をくみ取り、合格するには何が自分に足りないのか考えてみましょう。
USCPA予備校の教材も、AICPAの「想い」が既に反映されていますが、なかなか合格できない人は特に、AICPAの「想い」が色濃く表れたリリース問題に丁寧に向き合う必要があると考えます。
リリース問題は、他の問題集よりも注意深く取り組むべきだということをお伝えしたく、この記事を書きました。
特に不合格が続いている方のお役に立てば幸いです。
以上、「USCPA試験のAICPAリリース問題(過去問)で試験の傾向とレベルを体感!」でした。
本番までに必ずやっておくべきなんだね。
重要性に気がつかなかったら、やらないで本番を迎えるところだったよ。
どんな試験でも、試験に合格できたなら、正しく過去問が使いこなせていたのだろうから、USCPAのリリース問題も、過去の経験で学んだ自分なりのやり方で取り組んでみればいいね。
AICPAが提供しているUSCPA試験の受験対策マテリアルとしては、リリース問題だけではなく、Blueprints(ブループリント)やSample Tests(サンプルテスト)もあるよ。
AICPAが、USCPA受験生に合格してもらいたくて提供しているのだから、しっかり活用するといいね。
USCPA予備校の教材に加えて、この3つをしっかりやれば合格には十分だと思うよ!
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。