でも、どんな違いがあるのか分からないから、選べなくて困ったな。
BATIC(国際会計検定)もIFRS検定(国際会計基準検定)も、どちらも勉強をしたことがあるから、よく分かるよ。
BATICとIFRS検定を比較して、違いを理解した上で、どちらを受けるといいのか一緒に考えてみようね。
BATIC(国際会計検定)は2022年11月28日で終了しました。
英語×会計の資格として、USCPA(米国公認会計士)にチャレンジする人が増えています。
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1.BATICとIFRS検定の試験制度の違い
BATIC(国際会計検定)と IFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)の試験制度の違いです。
まとめると以下のようになります。
BATIC | IFRS検定 | |
出願先 | 東京商工会議所 | IFRSコンソーシアム |
受験資格 | 受験当日に日本に居住していること | 希望者は誰でも受験可 |
受験日 | 制約はあるが、自由に受験日を決められる。
指定された試験期間で、上半期と下半期に1回ずつ。 |
年3回(2月・6月・10月)
2025年度の試験実施日
2024年12月時点で2025年2月の試験日のみ決定。 |
受験場所 | 自宅受験可 | 自宅受験可 |
受験料 | 5,500円 | 40,700円 |
試験科目 | 1科目(英文簿記のようなもの)
以前は、Subject1(英文簿記)とSubject2(国際会計理論)に分かれていましたが、現在は分かれていません。 |
1科目
IFRS(国際財務報告基準)かIAS(国際会計基準)から出題 |
試験時間 | 70分 | 2時間 |
試験言語 | 英語での出題 | 日本語も英語も可能 |
合格点 | 合否無し。
400点満点のスコア制で、得点割合に応じて、以下の3つの称号が与えられる。
|
正答率60%以上 |
もう少し深掘りしていきます。
(1)BATICは受験しやすい
BATICは、2021年のリニューアル前は、決められた日に決められた試験会場に行く必要がありました。
ですが、新制度のBATICは、指定された試験期間に2回のみという制約はありますが、自分で受験日を決めることができますし、自宅受験ができます。
一方、IFRS検定は、年に3回しか受験のチャンスがありません。
以前は国際資格の専門校であるアビタスの新宿本校と大阪校の2か所のみで受験する必要がありましたが、自宅受験ができるようになりました。
BATICとIFRS検定の受験日と受験場所
- BATICは、指定された試験期間に年2回のみ、自宅受験
- IFRS検定は、年に3回決まった試験日のみ、自宅受験
(2)IFRS検定は受験料が高い
BATICは、東京商工会議所の検定試験なので、受験料は大した金額ではありません。
一方、IFRS検定は、受験料が4万円以上もして高いです。
正直、ちょっと受験を躊躇する高さです(笑)。
BATICとIFRS検定の受験料
BATIC:5,500円
IFRS検定:47,300円(先着30名は、早期割引で40,700円)
(3)IFRS検定は日本語受験が可能
BATICは、英語での出題となります。
ですので、「英語×会計」の基礎知識があることの証明となる試験です。
一方、IFRS検定は、英語での出題も日本語での出題も可能です。
よって、「英語×IFRS」の知識があるかではなく、純粋にIFRSの知識があるかが問われる試験です。
BATICとIFRS検定の試験言語
- BATIC:英語
- IFRS検定:英語も日本語も可能
(4)BATICはスコア制、IFRS検定は合否あり
BATICは、スコア制で、得点割合により称号が付与されます。
一方、IFRS検定は、60%以上の正答率で合格となります。
BATICは:得点割合により以下の称号が付与
- 初級レベル(50%)
- 中級レベル(80%)
- 上級レベル(90%)
IFRS検定:60%以上の正答率で合格
2.BATICとIFRS検定の試験内容の違い
BATIC(国際会計検定)とIFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)の試験内容の違いです。
(1)BATICの試験内容
BATICの出題内容は、以下の通りです。
Basic Concepts of Accounting and Bookkeeping | 会計と簿記の基本概念 |
Transactions and Journal Entries | 取引と仕訳 |
Journal and Ledger | 仕訳帳と元帳 |
Trial Balance | 試算表 |
Adjusting Entries | 決算修正仕訳 |
Accounting for Inventory and Cost of Sales | 棚卸資産と売上原価の会計処理 |
Worksheet and Closing Entries | 精算表と締切仕訳 |
Financial Statements | 財務諸表 |
Basic Assumptions and GAAP | 基本的な前提とGAAP |
Financial Statement Analysis | 財務諸表分析 |
Internal Control | 内部統制 |
Cash Control | 現金管理 |
Accounting for Assets and Liabilities | 資産と負債の会計処理 |
2021年度の試験改正前は、Subject2において、会計基準やIFRS(国際財務報告基準)の出題がありました。
ですが、改定によりSubjectという区分けはなくなり、基本的な簿記の問題しか出題されないことになりました。
BATICは、国際会計検定という名前なのですが、実際は国際会計基準の出題はされず、単なる英文簿記の試験となりました。
日商簿記3級レベルが、英語で問われると考えると良いでしょう。
(2)IFRS検定の試験内容
IFRS検定の出題内容は、以下の通りです。
IFRS検定の出題内容
- 財務報告に関する概念フレームワーク
- IAS1:財務諸表の表示
- IAS2:棚卸資産
- IAS7:キャッシュ・フロー計算書
- IAS8:会計方針、会計上の見積の変更及び誤謬
- IAS10:後発事象
- IAS12:法人所得税
- IAS16:有形固定資産
- IAS19:従業員給付
- IAS20:政府補助金の会計処理及び政府援助の開示
- IAS21:外国為替レート変動の影響
- IAS23:借入コスト
- IAS24:関連当事者についての開示
- IAS26:退職給付制度の会計及び報告
- IAS27:個別財務諸表
- IAS28:関連会社及び共同支配企業に対する投資
- IAS29:超インフレ経済下における財務報告
- IAS32:金融商品
- IAS33:1株当たり利益
- IAS34:期中財務報告
- IAS36:資産の減損
- IAS37:引当金、偶発負債及び偶発資産
- IAS38:無形資産
- IAS40:投資不動産
- IAS41:農業
- IFRS1:国際財務報告基準の初度適用
- IFRS2:株式に基づく報酬
- IFRS3:企業結合
IFRS4:保険契約(2024年1月からIFRS17保険が出題範囲)- IFRS5:売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
- IFRS6:鉱物資源の探査及び評価
- IFRS7:金融商品
- IFRS8:事業セグメント
- IFRS9:金融商品
- IFRS10:連結財務諸表
- IFRS11:共同支配の取決め
- IFRS12:他の企業への関与の開示
- IFRS13:公正価値測定
- IFRS15:顧客との契約から生じる収益
- IFRS16:リース
- IFRS17:保険
IFRS検定は、IFRS(International Financial Reporting Standards:国際財務報告基準)かIAS(International Accounting Standards:国際会計基準)から出題されます。
落とすための試験ではないため、難易度は高くはなく、日商簿記2級レベルかそれより少し難しいくらいと考えると良いでしょう。
BATICとIFRS検定の試験内容
BATIC:英文簿記(日商簿記3級レベル)
IFRS検定:国際会計(日商簿記2級レベル)
3.BATICとIFRS検定の勉強方法の違い
BATIC(国際会計検定)とIFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)の勉強方法の違いです。
BATICとIFRS検定の勉強方法
- BATIC:独学できるので、市販の公式テキストと問題集を利用
- IFRS検定:独学できるが、予備校を利用したほうが効率的
(1)BATICの勉強方法
まず、BATICの勉強方法ですが、独学は可能でしょう。
BATICの講座を開講している予備校もありますが、BATICの公式テキストと公式問題集を購入し、テキストを読みながら問題を解くだけで十分だと考えられます。
BATICの公式テキストと公式問題集は、こちらです☟
2021年2月に出版されたものが最新です。
(2)IFRS検定の勉強方法
つぎに、IFRS検定の勉強方法ですが、独学ができないというわけではないのですが、予備校を利用すると効率よく勉強ができるでしょう。
①独学の場合
IFRSの市販の本を購入して学習すると良いでしょう。
たとえば、以下のような本がおすすめです。
②予備校を利用する場合
日本でIFRS検定の講座を提供しているのは、アビタスだけです。
どこも、アビタスのIFRS検定講座を受講しましたが、体系的に国際会計基準書が学べて、受講して良かったと思っています。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
もし、アビタスのIFRS検定の講座を受講したい場合は、元受講生としてアビタスにご紹介もできます(受講料が3,000円割引となります)。
アビタスへのご紹介ご依頼フォーム からご連絡ください。
4.BATICとIFRS検定の必要な勉強時間の違い
BATIC(国際会計検定)とIFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)の必要な勉強時間の違いです。
BATIC | IFRS検定 | |
必要な勉強時間 | 40時間から60時間 | 150時間から200時間 |
必要な期間 | 1か月くらい | 3か月くらい |
(1)BATICで80%の得点率を目指す場合の勉強時間
BATICは、20時間くらいの勉強時間は必要でしょう。
BATICの勉強時間
平日2時間×5日=10時間/週
10時間/週×4週/月=40時間/月
毎日コツコツ学習すれば、1か月で学習完了です。
BATICの勉強時間の勉強時間の内訳
- テキストを読む:16時間
- 問題集を解く:16時間
- 直前の総復習:8時間
合計40時間
ただし、これは、簿記3級の知識があればということですので、もし簿記3級の学習をしたことがない場合は、簿記3級から始めることをおすすめします。
(2)IFRS検定合格に必要な勉強時間
IFRS検定は、150時間から200時間の勉強が必要と考えられます。
平日2時間、週末3時間勉強する場合、3か月で200時間くらいの勉強時間となります。
IFRS検定の勉強時間
- 平日2時間×5日=10時間/週
- 週末3時間×2日=6時間/週
16時間/週×4週/月×3か月=192時間/3か月
ただし、アビタスを利用して効率よくインプットとアウトプットができた場合を想定していますので、独学の場合はもう少しかかるかもしれません。
5.BATICとIFRS検定でかかる費用の違い
BATIC(国際会計検定)とIFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)でかかる費用の違いです。
BATIC | IFRS検定 | |
予備校代 | 特に必要なし | 約20万円 |
その他の教材 | 公式テキストと公式問題集で約6千円 | 市販のIFRSの本(4千円/冊くらい) |
受験料 | 5,500円 | 47,300円(先着30名は、早期割引で40,700円) |
総計 | 1万円ちょっと |
|
(1)BATICでかかる費用
BATICは、独学ができるため、公式テキストと公式問題集を購入するだけですみます。
また、受験料も大した金額ではありません。
よって、費用の合計も大体1万円といったところで、大きな負担にはなりません。
(2)IFRS検定でかかる費用
IFRS検定は、独学か予備校を利用するかで費用が大きく変わります。
受験料自体も高いのですが、予備校を利用する場合は、20万円ほどかかるので、負担は大きくなってきます。
また、受験の会場が東京か大阪だけですので、受験の交通費(場合によっては宿泊費)も加算する必要があります。
6.BATICとIFRS検定の資格の活用方法の違い
BATIC(国際会計検定)とIFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)の活用方法の違いです。
BATICとIFRS検定の資格の活用方法の違い
- BATIC:英語で会計が理解できることをアピール☜外資系企業の英文経理
- IFRS検定:国際会計を理解していることをアピール☜IFRS適用会社やIFRS適用の海外子会社を持つ会社の経理
(1)BATICの活用方法
BATICは、英語で出題されますので、「英語×会計」の知識があることをアピールできます。
ですので、外資系企業の経理職に応募したい場合など、BATICの上級レベルを持っていれば、英文会計の最低限の知識があると判断され、採用のプラスに働くと考えられます。
(2)IFRS検定の活用方法
IFRS検定は、国際会計基準の知識があることをアピールできます。
ですので、IFRS適用会社やIFRS適用の海外子会社を持つ会社の経理に応募する場合などで評価されるでしょう。
日本でIFRS適用済みの会社は、大企業が多いです。
また海外子会社を持つ会社も、基本的には大企業でしょう。
ですので、大企業の経理に応募したい場合は、IFRS検定は武器になると考えて良いでしょう。
まとめ:BATICとIFRS検定 あなたがチャレンジするなら?
再度、BATIC(国際会計検定)とIFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Ceritificate)の比較をします。
BATIC | IFRS検定 | |
出願先 | 東京商工会議所 | IFRSコンソーシアム |
受験資格 | 受験当日に日本に居住していること | 希望者は誰でも受験可 |
受験日 | 制約はあるが、自由に受験日を決められる。
指定された試験期間で、上半期と下半期に1回ずつ。 |
年3回(2月・6月・10月)
2025年度の試験実施日
2024年12月時点で2025年2月の試験日のみ決定。 |
受験場所 | 自宅受験可 | 自宅受験可 |
受験料 | 5,500円 | 40,700円 |
試験科目 | 1科目(英文簿記のようなもの)
以前は、Subject1(英文簿記)とSubject2(国際会計理論)に分かれていましたが、現在は分かれていません。 |
1科目
IFRS(国際財務報告基準)かIAS(国際会計基準)から出題 |
試験時間 | 70分 | 2時間 |
試験言語 | 英語での出題 | 英語でも日本語でも可能 |
合格点 | 合否無し。
400点満点のスコア制で、得点割合に応じて、以下の3つの称号が与えられる。
|
正答率60%以上 |
難易度 | 簿記3級+TOEIC500点? | 簿記2級 |
勉強方法 | 独学可能 | 独学可能だが、予備校を利用すると効率的 |
必要な勉強時間 | 40時間から60時間 | 150時間から200時間 |
必要な期間 | 1か月くらい | 3か月くらい |
合格までの費用 | 独学なら1万円以下(市販の公式テキストと公式問題集)、予備校でも2万円くらい |
|
資格の活かし方 | 外資系企業の経理職(アカウンタント、ジュニアアカウンタント)などに転職 | 大企業の経理職に転職、もしくは企業内で昇進 |
いかがでしょうか?
どちらも、似たような名前の検定試験なのですが、試験制度も、資格の活用方法も異なっていますね。
英語力をアピールしたいのであれば、BATICの方がいいでしょう。
また、IFRSの知識が不要で、外資系企業に転職したいのならば、BATICの方がいいでしょう。
一方、IFRSの知識をアピールしたいのであれば、IFRS検定の方がいいです(BATICはもはや国際会計の出題はないため不向きです)。
また、日本の大企業で働きたいのならば、IFRS検定の方がいいでしょう。
- BATICは、「英語×会計」が最低限分かっている人という印象を持ってもらえます。
- IFRS検定は、IFRSのプロフェッショナルという認識を与えられます。
BATICで英文会計の基礎を身につけることを決意した場合、さっそく、公式テキストと公式問題集を入手してください。
IFRS検定を予備校で学ぶことを決意した場合、アビタスのIFRS検定講座の取受講生として、アビタスへ紹介をさせていただきます(受講料が3,000円割引となります)。
アビタスへのご紹介ご依頼フォームからご連絡ください。
以上、「BATIC(国際会計検定)とIFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)の違いは?どっちがいい?」でした。
一方、IFRS検定は、IFRS適用会社で、IFRSの知識ががっつり必要な企業では高い評価が得られるよね。
BATICとIFRSでは、必要な勉強時間とかかるお金も大きく違うよね。
勉強する目的とどのくらいの労力とお金をかけてもいいのか考えて、どちらの試験を受けるか決めてね。
BATIC(国際会計検定)は2022年11月28日で終了しました。
英語×会計の資格として、USCPA(米国公認会計士)にチャレンジする人が増えています。
USCPAは受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
USCPAになる方法は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。