でも、USCPA試験の勉強で学んだ知識だけだと「使えない」と言われないか心配だよ。
USCPAは「使えない」と言われてしまうという噂は、確かに聞くよね。
USCPAとしてBIG4監査法人で会計監査をしていたどこが、USCPAが監査法人で「使えない」と言われないため、勉強しておくといいことを3つ挙げていくね。
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USCPAが監査法人で「使えない」と言われないために勉強すべきこと3選
USCPAが監査法人で「使えない」と言われないために勉強すべきこと3つを解説していきます。
BIG4監査法人の採用面接で、面接を担当してくれたパートナーに
「USCPAとして勉強しておいた方が良いことは何ですか」
と質問をしてしまったどこです。
いま考えると、かなり恥ずかしい質問ですね。
ちなみに、そのパートナーはこう答えました。
「うーん、自分はUSCPAじゃないから、わからないなー。
女性でもないから、女性が働きやすいかも、わからないからねー。
きみ、もし入所後にわかったら教えてね」
かなりユニークな回答ですね。
あとから思うに
- 何を勉強しなければならないかは、自分で考えなくてはならない
- 働きやすいかは自分が感じることで、他人に聞くものではない
と優しく教えてくれていたのだと思います。
前置きはさておき、USCPA合格者が監査法人で働きたいと思った場合。
心配になるのは
- 日本の公認会計士と一緒に働いて大丈夫なのか?
- USCPAは「使えない」とバカにされないのか?
- USCPA試験の勉強だけで、監査法人の仕事に対応できるのか?
といったことだと思います。
結論から言うと
- 日本の公認会計士と対等に仕事ができた
- USCPAだからといって「使えない」などと下に見られることはなかった
- USCPA試験の知識で監査の仕事に対応はできたが、細かい会計知識は足りないので、働きながら勉強する必要はある
ということになります。
つまり、USCPAだからといって心配はいらないけれど、さらなる勉強はマストということです。
今回は具体的に、どんな勉強が必要なのか、特に大事だと思うことを3つ挙げていきます。
USCPAが監査法人で「使えない」と言われないために勉強すべきこと
- 日本の会計基準
- 日本の開示知識
- 英語、IT、仕訳の知識
以下のような人が対象となりますので、ご注意ください。
- 監査法人のスタッフレベルの人(年次でいうと1年目から3年目くらい)
- 日系上場企業の経理などを経験せずに入所した人
1.日本の会計基準(JGAAP)
恐らく予想なさっていたと思いますが、断トツで「日本の会計基準(JGAAP)」のフォローアップが必要になります。
USCPA試験は米国の会計基準(USGAAP)が出題されます。
日本の会計基準などは勉強してきていませんので、当然のことです。
監査法人では、日本の会計基準がわかっている前提で、監査人同士、また、クライアントとの会話が進んでいます。
わかっていないと、一人だけ話についていけないことになります。
ただ、そこまで恐れる必要はありません。
というのは、入所してすぐは、会計論点となるような勘定科目(監査は、残高試算表の勘定科目ごとに検証していきます)を担当させてもらえません。
よって、会計基準(特に日本と米国で差がある会計論点)を語るような場は発生しません。
たとえ発生したとしても、初年度監査でない限り、前年度の監査調書を参考にすれば困りません。
徐々に会計論点のある勘定科目を担当するようになるので、それまでにある程度の会計知識を身につけておけば大丈夫です。
参考までに、どのように日本の会計基準の勉強をしたのかお話ししますね。
日本の会計基準の勉強方法
- 会計監査六法を読み込む
- 法人が出版している会計書籍を読む
- 日商簿記検定1級の勉強をする
(1)会計監査六法を読み込む
日本の会計基準の勉強をするため、会計監査六法を読み込みました。
これはマストです!
上司から
「監査部屋には会計監査六法しか置かないこと。
法人が出版している書籍でも、クライアントにこんな本を参照しているのかと知られるのは恥ずかしい。
監査部屋には持っていかないように」
と言われていました。
よって、まず、監査部屋に置いておけた唯一の書物である、会計監査六法とお友達になることが大事でした。
困ったときに参照できるのは、会計監査六法だったからです。
毎日、毎日、何かわからないと(わからないことがなくても)、会計監査六法を開いて、ふむふむと読み込んでいました。
よく参照するページに付箋を貼り、大事なところはハイライトする。
こんなことを繰り返していると、だんだん手になじんできました。
そして、分厚い会計監査六法がいつの間にか手放せなくなっていました。
(2)法人が出版している会計書籍を読む
自分の勤務先の法人が出版している『よくわかる○○○』といった会計書籍もよく読みました。
他の法人が出版している本だと、自分の勤務先の法人と違う見解が書かれていることがあります。
ですので、自分の勤務先の法人が出した本だけ読んでいました。
社割がきくので安く買えますし(笑)。
上司の教えに従い、クライアント先には持っていきませんでした。
よって、法人の自分のロッカーか家に置き、業務時間外に読むようにしていました。
(3)日商簿記検定1級の勉強をする
会計監査六法や、法人が出版している本を読むこと以外では、日商簿記検定1級の勉強をしました。
日商簿記検定1級は、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目がありますが、最低でも商業簿記を勉強しておく必要があります。
監査実務でクライアントの会計処理が理解できる状態になっていることが目的です。
よって、テキストを読み、問題集を解いて理解していればOKで、試験を受けること(合格しているという事実)は必須ではありません。
どこが所属していた事業部は、USCPAが部員のほぼ半分。
USCPAの中で日商簿記検定1級を持っている人は、ほぼいませんでした。
勤務時間中に、日商簿記検定1級をもっていないUSCPAを対象とした日商簿記検定1級の授業が開催されていました。
T〇Cの講師を事務所にお呼びして、T〇Cのテキストを使って、数週間にわたり講義(商業簿記のみ)を受けることになっていました。
受講料やテキスト代も法人負担、お給料をもらいながら日商簿記検定1級の勉強ができたわけです。
法人はUSCPAに、日商簿記検定1級レベルの知識を身につけてほしいと思っていたわけです。
なので、USCPAとしては、自発的に日商簿記検定1級くらいの知識は身につけておかないとダメということでしょうね。
2.日本の開示知識
実は、日本の会計基準以上に知識がなくて困ったのは、この日本の開示知識の方です。
どこの場合は、担当クライアントがほぼ外資系企業だったので、日本企業を担当することはかなり少なかったです。
それでも、日系の上場企業を担当することになり、開示チェックを任されました。
インチャージ(実務部隊で一番上のポジション)に、「開示チェックお願いね」と初めて言われた際「何をどうチェックするのでしょう?」と戸惑いました。
そして、一から勉強することになりました。
日本の公認会計士は、開示についてしっかり勉強してきています。
一方、USCPAの場合は、日系の上場企業で開示資料を担当してきた場合などを除き、開示の知識がないです。
つまり、クライアントの経理担当者以上に開示に関する知識がないまま、開示をチェックする側に立たされることになります。
どこの場合は、法人が出版している会社法開示の本などを読みました。
それでもあまり理解できなかったため、ビジネス会計検定試験の勉強から始めました。
1級だと、ディスクロージャーや、財務諸表と計算書類の体系などが学べますので、ざっくりとした知識が手っ取り早く身につきます。
そのあとに、コツコツと関連書籍を読みながら、勉強していきました。
開示チェックは、誤字脱字がないかなどから始まって、前期との整合性、計算の正確性、情報の網羅性など見なければいけないことが多いです。
開示の知識がないUSCPAの場合、手探りで作業を進めることになってしまいます。
ですので、なるべく早くから、日本の会計基準の勉強と並行して、開示の勉強もすることをおすすめします。
3.英語力、IT知識、仕訳スキル
最後に、「USCPAが監査法人でバカにされない程度の英語力やIT知識はどのくらい?」という疑問があると思うので、補足しておきます。
そして、あまり疑問として出てこないのですが、仕訳スキルも非常に大事なのでこちらも併せて説明します。
(1)英語力
英語力に関しては、人によってレベルが違ってきますし、求められるレベルも違ってくるので難しいところです。
ただ、USCPAの試験に合格できたのならば、法人内では英語力は高い部類に入ると思っていいです。
そこまで英語力が高くない場合も、入所後に勉強すれば大丈夫です。
もちろん、最初から英語はできればできた方がいいですが。
どのくらい英語ができるかによってアサイン(担当クライアント)が変わるので、英語力がイマイチでも大きな問題ではありません。
あまりにもイマイチだと、USCPAなのでがっかりはされますが。
もし、外資系企業のクライアントにアサインしてもらって、英語力を存分に活かしたい場合。
英語力をアピールしていれば、自然とそのようなアサインばかりされるようになります。
たとえば、リファードジョブ(海外親会社の会計監査人から送付された「監査指示書」に基づいて監査をすること)なら、海外とのやり取りが増えます。
英文メールや英語での電話は対応できないと困るので、最低限のビジネス英語ができる必要があるでしょう。
自分で本などで英語メールの言い回しを勉強したり、あとは法人主催の英語研修(英文メール講座など)がありますので、そのような機会を利用するといいでしょう。
また、法人の一部負担で英語学校に通うことも可能ですので、入所後も英語力向上に努めるといいと思います。
会計英語の勉強に関しては、こちらを参照してください☟
おすすめは、オンライン英会話です。
ネイティブキャンプなら、好きな時に好きなだけ受講できるので、忙しくても自宅で続けられます(オンライン英会話の中で一番おすすめ!)。
監査法人では、英語コーチングを受けている人や「NCC綜合英語学院」に通っている人も多かったので参考まで。
(2)IT知識
監査法人では、高いIT知識は求められません。
しかも、業務で必要になるPCのアプリケーションは、ほとんどがExcelです。
ただし、開示書類だけはWordで作成されますので、Wordの知識が必要です。
Excelに関しては、最低限はできないと業務が進まず、自分が困ります。
反対に得意だと早く検証が終わるので、評価が上がる可能性があります。
監査をする際に最低限必要なExcel知識
- 基本的な関数(sum, if, sumif, vlookup)
- ピボットテーブル
このくらいの知識があれば、監査では十分です。
そして、ファンクション機能も使いこなせるようになっていると便利です。
クライアントにパソコン画面を見せながら説明する機会があります。
ファンクションキーが使いこなせていなくて、モタモタしていると、プロフェッショナル感がなくなります(笑)。
(3)仕訳スキル
最後の最後に「仕訳スキル」が大事だという話をします。
最後に話しますが、一番大事かもしれません。
実は、USCPAが監査法人で「使えない」との扱いを受ける場合の一番の要因が、仕訳スキルがない(仕訳が切れない)こと。
USCPAだからバカにされるということはありませんが、唯一よくきいたのは「やっぱりUSCPAだから仕訳ができないよね、、、」というあきらめのような言葉。
USCPA試験は、仕訳があまりきれなくても合格可能。
仕訳をガリガリやるような簿記の問題は出題されませんからね。
USCPAは日本の公認会計士に比べ、試験勉強を通して仕訳をきった経験値・トレーニングの絶対量が違うのです。
監査の現場では、取引を見てとっさに仕訳が思い浮かばないと話になりません。
仕訳がわからないとこんな事態に。
- クライアントがきった仕訳が合っているか検証できない
- 仕訳が間違っているということがわかった場合、正しい仕訳や修正仕訳が提示できない
もし、USCPAの勉強はしたけれど、仕訳をきるのは得意ではない場合。
取引を見て仕訳をきる練習は自分でしておいた方がいいです。
仕訳がきれるかどうかが、USCPAが監査法人で「使える」か「使えない」か判断される基準の1つであることは知っておきましょう。
以上、「USCPAがBIG4監査法人で「使えない」と言われないために勉強すべきこと3選」でした。
そして、英語力を上げたり、IT知識を身につけたり、仕訳トレーニングをしたりする必要もあるわけだね。
USCPA試験合格後は、このような勉強もしていくことにするよ。
さらに、USCPAだけではないけど、最新の会計知識のアップデートも必須。
その他にも、英語・IT・仕訳など、仕事をしながら、何を勉強しなければならないか、自分で具体的にみつけていく必要があるわけだね。
USCPA合格は、プロフェッショナルとして働くスタートに立っただけ。
勉強は生涯続くのです。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かし方・USCPA短期合格のコツも記載しています。
まだUSCPAの勉強を始めていない場合は「USCPAの始めかた」も参考にしてください。