でも、USCPAでも監査法人で出世できるのかな?
その経験から、まず、監査法人の組織とその特徴についてお話しするね。
その話をふまえて、USCPAでも監査法人で出世できるのかどうか、出世したいなら何が必要かお伝えするね。
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USCPAは監査法人で出世してパートナーになれる?【BIG4大手監査法人の組織を解説】
外部の人からすると、BIG4監査法人は何をしていて、どんな組織になっているのかイマイチわからないかもしれません。
それはなぜかというと、監査法人に縁がないからでしょう。
たとえば、監査法人が舞台になった、公認会計士のドラマや小説は極端に少ないです。
他の三大国家資格の医師や弁護士であれば、ドラマや小説はたくさんあるのに。
とはいえ『監査法人』という監査法人を題材にしたドラマがあります。
2008年に放映されたものでかなり古いのですが、監査法人を題材にしたドラマはこれくらいしかないので、興味がありましたら観てください。
『監査法人』が放映されることになったときは、そこそこ話題になりました。
いまだにそのドラマを覚えていて「監査法人は、大量のスーツケースを持って、黒塗りの車何台もで大企業に乗りつけ、大勢の社員に頭を下げさせ、悪を裁くのだよね?」と聞いてくる人がいます。
あれはドラマの中だけの演出です(笑)。
監査法人は、決算書などの財務書類を検証し、その妥当性を証明するのが仕事です。
悪を裁いたりしません!
スーツケースは事前に企業に宅急便で送って、タクシーで数名で企業に向かいますし。
企業の受付にて、来社のご挨拶で自分たちが頭を下げます。
監査法人と事業会社は、大きな違いはありません。
組織としても、事業会社と大きな違いはありません。
下の職位から上の職位になるにつれて人数が減るピラミッド構造です。
事業会社より職位の数は少ないので、監査法人の方がシンプルとは言えます。
まずは監査法人の組織について話しますね。
そのあと「USCPAに合格したらBIG4監査法人に入り出世してやる!」と野心のあるUSCPA受験生のみなさんのため、監査法人におけるUSCPAの出世について解説します。
「BIG4大手監査法人ってなに?」という方は、こちらの記事をご参照ください。
1.監査法人の組織はどうなってる?
監査法人の職階と、監査法人組織の特徴について見ていきます。
(1)監査法人の職階
監査法人の職位は、アソシエイト、シニアアソシエイト、マネージャー、シニアマネージャー、ディレクター、パートナーとなっています。
事業会社の職位が、一般社員、主任、係長、課長、次長、部長、本部長、常務取締役、専務取締役、代表取締役社長のようになっているのと同じです。
職位 | 構成比 | 年次(入社からの年数) | 年収目安 |
パートナー | 5% | 15年目以上 | 2,000万円から何億円 |
ディレクター | 5% | 12年目から15年目 | 1,200万円から2,000万円 |
シニアマネージャー | 10% | 9年目から12年目 | 1,000万円から1,200万円 |
マネージャー | 20% | 6年目から9年目 | 800万円から1,000万円 |
シニアアソシエイト | 30% | 3年目から6年目 | 600万円から850万円 |
アソシエイト | 30% | 1年目から3年目 | 450万円から600万円 |
パートナーとディレクターで合計10%となります。
事業会社よりも、上の職位に就いている割合は多いのではないでしょうか。
年次に関しては、基本的にアソシエイトから始めます。
そして、3年くらいごとに1つずつ上に職位が上がっていく感じかと思います。
ただし、3年もかからずに、アソシエイトからシニアアソシエイトになる人もいます。
これはあくまでも目安。
実際に、USCPAでも、海外勤務をはさんで(海外の監査法人の方が昇進が早いので)、あっという間にシニアマネージャーに昇格した人を知っています。
年収に関しては、上表に記載したのは、残業代とボーナス抜きの額です。
繁忙期は残業代がかなりの額になるはずです。
どこの場合、基本給より残業代の方が高くなった月もありましたよ。
中途入所のUSCPAの場合、アソシエイトの給与が低いため、監査法人に入所することで前職より給与が下がる場合も多いです。
入所後6年くらいまでは年収1,000万円に届かないと考え、それでも耐えられるか、入所前に考えておくといいでしょう。
(2)監査法人組織の特徴
監査法人と事業会社で、大きな違いが1点あります。
それは、監査法人で働いている人の大部分は「社員」ではないことです。
「社員」と呼ばれるのは監査法人で出資している人だけ。
出資していない場合は「職員」と呼ばれます。
監査法人における「社員」と「職員」の違い
- 「社員」:監査法人の出資者である
- 「職員」:監査法人の出資者ではない
たとえば、どこは監査法人で働いていましたが、出資はしていませんでしたので「職員」でした。
事業会社での正社員と立場的なものは同じなので(契約社員やパートタイマーではないので)、正しくは「正職員」と言われていました。
日本の公認会計士でも、出資をしていないと「職員」であり、出資している「社員」しか「監査報告書」に署名をすることはできません。
通常、パートナーは出資者であり「社員」です。
- 監査法人の職位は、事業会社と大きな違いはない。
- ただし、「社員」と「職員」という大きな区分があり、「社員」は監査法人の出資者であり、監査報告書に署名ができる。
2.USCPAは監査法人で出世できる?どうしたらいい?
つぎに、USCPAは監査法人で出世できるのか、出世するにはどうしたらいいのか説明していきます。
監査法人への転職を希望しているUSCPA受験生・USCPAのみなさんは、大きくは2つのパターンに分けられるのではないかと思います。
監査法人への転職を希望するUSCPA受験者のパターン
- 監査法人は単なる「踏み台」。転職が前提。経歴に箔をつけるために入所。
- 監査法人でずっと働きたい。出世もしたい。
ちなみに、どこは①の人でした。
「踏み台」とまでは思っていませんでしたが(笑)、監査法人内での出世には全く興味はなし。
監査法人は「会計の修行の場」とし、より多くの会計知識を身につけようと努力しました。
ここでは、②の人のために書いていきます。
どこと同じ①の人は「ふうん、そうなのね」と流して読んでください。
(1)USCPAはパートナーになれないの?
USCPAはパートナーになれないの?
これは、監査法人で出世したいUSCPAにとって一番の関心ごとでしょう。
パートナーは監査法人におけるトップなのですが、日本の公認会計士しか慣れないと言う人がいます。
ですが、そんなことはありません。
USCPAでもパートナーになれます(USCPAのパートナーを知っているので、たしかです)。
監査法人や事業部によって違うと思うのですが、パートナーのうち20%から30%は、日本の公認会計士ではなく、USCPAであったイメージです。
日本の公認会計士のみなさんは優秀なので、日本の公認会計士とUSCPAのどちらも持っている人(ダブルホルダー)もいたのですが、この20%から30%は純粋なUSCPA(シングルホルダー)です。
ただ、日本の公認会計士でないと「監査報告書」に署名はできなません。
よってUSCPAのパートナーは、監査の現場よりも、監査法人の経営面に携わっている人が多い気がしました。
さらに、どこが現在勤務中のグローバル企業を例にとります。
監査を担当していただいているBIG4のチームは、国内本社担当チームと、海外子会社・連結チームに分かれています。
日本の公認会計士が国内チーム、USCPAと数人の日本の公認会計士が海外子会社・連結チームに所属しています。
この中には、USCPAのシニアマネージャー、パートナーもいます。
そして、日本の公認会計士とUSCPAがお互いの得意分野で能力を発揮しています。
「日本の公認会計士もUSCPAも違いはない」と考えていいのではないでしょうか。
- USCPAだって、パートナーになれます!
- USCPAだって、出世しています!!
(2)USCPAが出世するには?
USCPAも出世できるということはわかりました。
それでは、USCPA出世するにはどうしたらいいのでしょうか?
どこは監査法人での出世に関心がなかったのですが、一番仲が良かったUSCPAの同僚は、出世をしたい人でした。
そして、誰よりも早くシニアマネージャーになりました。
ちょうどいいお手本だと思うので、彼がしていたことをここで挙げていこうと思います。
そのUSCPAの同僚は、経理職での海外駐在の経験がありました(誰でも知っている日系の有名大手企業の社員でした)。
英語も990点近かったですし、監査法人に中途入所してきた時点で「できるUSCPA」だったのですが、とにかく努力がすごかったです。
「できるUSCPA」の同僚がしていたこと
- 入所後に日商簿記1級を取得
- 会計監査六法の読み込み
- 法人が出版した本をすべて買って読む
- 平日の夜と週末、事務所で監査調書の研究
- 同僚や後輩との懇親会の企画
いつも夜遅くまで、何らかの勉強を事務所でしていました。
また、往査中のチームへの配慮もすばらしかったです。
分かりやすい調書作成、後輩指導、ランチのセッティング、重い荷物を運んでくれる、などなど。
なかなか、業務が忙しい中でここまでしっかり勉強をし、上司、同僚、後輩に気を配れる人はいないと思います。
下の人にもしっかり気を遣っていた点がかなり好印象でした。
ただ、正直に言ってしまうと、彼はイレギュラーだと思います(ここまではフツーできないです)。
監査法人で出世できる人は、彼のように努力家であることはたしかなのですが、良い意味で「神経が図太い人」の方が多いと思っています。
監査法人では、日本の公認会計士は、修了考査に合格して公認会計士登録が済み、シニアアソシエイトに昇格して、インチャージ(現場監督)を何社か経験すると辞めてしまう人が多いです(監査はつまらないと感じるようですから)。
また、USCPAも、監査知識が身についたところで、外資系企業などに転職してしまいます(中途のUSCPAにとって、監査法人の給与は安いですから)。
働き続けるだけで、周りはどんどんいなくなるので、自然と出世できる感じ。
いかに途中で辞めずに長く勤め続けられるかどうか。
「神経の図太さ」をもっているかが、出世のポイントな気がします。
- 正論:USCPAが出世するためには、誰よりも勉強し、周りとうまくやる努力が必要です。
- どこの持論:USCPAが出世するためには、図太くあれ。長く勤めれば、ライバルは自然と消える。なんとかして生き残れ。
まとめ:監査法人の組織とUSCPAの出世
監査法人の組織と、USCPAの出世について見てきました。
- 職階はピラミッド型。でも、あまり上は尖がっていない。
- USCPAがパートナーになるのは可能。
- 監査法人は周りがどんどん辞めていくので、地道に努力しつつ生き残れば、USCPAでも出世可能。
USCPAだから、日本の公認会計士より劣っている、出世できないということはありません。
USCPA受験生・USCPAのみなさん、監査法人で出世を目指してみてはいかがでしょうか。
以上、「USCPAは監査法人で出世してパートナーになれる?【BIG4大手監査法人の組織を解説】」でした。
USCPAとしては未来が明るいな。
USCPAだから出世できないという制約はないよ。
事業会社よりは出世競争は厳しくないから、コツコツ努力を続けていければ、上に登っていけると思う。
今後、USCPAのパートナーが多く誕生するのを願っているよ。
まだUSCPA(米国公認会計士)になっていない方へ
USCPAは受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
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USCPAになる方法は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
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