でも、英文経理とはどんな仕事なのか、英文経理になるには、どんな経験やスキル・資格が必要なのか分からなくて困ったな。
英文経理や英文会計ができる人材への需要は高く、将来性のある仕事だと思うよ。
普通の経理に比べて、年収も高いしね。
英文経理になりたいあなたに知ってもらいたい情報をお伝えしていくね。
英文経理として働きたい場合、USCPA(米国公認会計士)に挑戦することをおすすめします!
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
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USCPAになる方法は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
1.英文経理とは
そもそもですが、「英文経理」とは何でしょうか。
「英文経理」は、英語で経理の仕事を行うこと。
外資系企業の経理部などに所属することが多いです。
日本で「英文経理」として働く場合、一般的に2つのパターンに分けられます。
英文経理のパターン
- 会計基準は日本のもの(JGAAP)。
- 会計基準は出資をする本国のもの。例えば、米国なら米国基準(USGAAP)。日本の会計基準(JGAAP)で財務諸表を作成し、米国基準(USGAAP)に組み替える。
会計基準が日本のもの(JGAAP)か、出資をする本国のもの(USGAAPやIFRSなど)かで異なります。
会計システムが英語で運用されており、勘定科目が英語で表示され、摘要も英語で入力し、財務諸表も英語で作成するといった点は、どちらも同じです。
たとえば、どこが働いていた米国企業では、SAP社のERPを英語で運用していました。
よって、勘定科目は全て英語で、何か入力する際も英語のみ。
さらに、システムから出力されるレポートも全て英語でした。
「英文経理」の仕事がしたい場合、英語、特に会計英語が分からないと、業務を遂行するのは難しいでしょう。
会計英語の勉強法については、以下の記事を参考にしてください。
2.英文経理の仕事内容
「英文経理」の仕事は、どのようなものでしょうか。
前述のように「英文経理」は、経理の仕事を英語で行います。
「通常の経理」と「英文経理」の違いですが、日次業務に関しては、やることは基本的に同じです。
日々の取引の仕訳、売掛金・買掛金の消込み、在庫や固定資産の管理、入金や支払いなどの現預金の管理は、英語で記録していくというだけで、大きな違いはありません。
では、「通常の経理」と「英文経理」の違いは何でしょうか。
異なるのは、会計基準が日本のものではなく、出資をする本国のものである場合の月次業務や年次業務です。
本国に会計報告をする必要がありますので、日本の会計基準で作成した財務諸表を本国の会計基準にコンバージョン(組替え)する必要があります。
たとえば、どこが働いていた米国企業では、日本基準で作成した試算表を基にして、米国基準に組み替えるためのGAAP差修正仕訳を入れ、米国基準にコンバージョン(組替え)していました。
「英文経理」でも、決算業務を任されるようなポジションだと、単に経理業務を英語で行うだけではなく、日本以外の国の会計基準も理解する必要があるでしょう。
USGAAP(米国会計基準)が学びたい場合は、USCPAの学習がおすすめです。
USCPAの始めかたについては、こちらを参考にしてください↓
IFRS(国際財務報告基準)が学びたい場合は、IFRS検定の学習がおすすめです。
IFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)については、こちらを参考にしてください↓
3.英文経理で求められるスキル
英文経理で求められるスキルは、大きく分けると3つです。
英文経理で求められるスキル
- 英語力
- 経理の実務能力
- パソコンスキル
(1)英語力
まず、英語力は「英文経理」で必須のスキルとなります。
勘定科目や基本的な会計用語・実務的な会計用語は、英語で理解できる必要があります。
仕訳などで摘要を入力しなければいけないので、説明を英語で書けるくらいの英語のライティング力も必要です。
請求書などの書類が英語で書かれている場合がありますので、英文読解ができなくてはならないこともあります。
本国から、メールまたは電話にて英語で問い合わせが入ることがありますので、英文ライティングのスキルや、英会話のスキルも必要となる場合があります。
社用語が英語であり、社内のメールが全て英語、会議も英語で行う会社もあります。
どのくらいのレベルの英語力が必要かは、会社やポジションによって変わってきます。
TOEICでいうと、仕事で英語力を活かすとなると、最低でも700点以上は必要かと思います。
転職・就職の際も、TOEIC800点以上あると紹介される外資系企業が増えます。
そして、TOEIC900点以上あると大抵の外資系企業にも応募できるようになるという感じです。
転職する際の英語力については、こちらの記事を参照してください。
(2)経理の実務能力
経理の実務能力も「英文経理」で必須のスキルとなります。
とはいえ、簿記3級くらいの知識があれば、徐々に仕事をこなしていけば慣れていくので、問題はないでしょう。
最初は日次業務のうち、簡単な定型業務だけを任せてもらうことになると思います。
たとえば、売掛金(Accounts ReceivableーAR)の消込みだけ、買掛金(Accounts PayableーAP)の支払いだけといった具合です。
そして、慣れてきたところで、月次業務なども任せてもらえば、キャリアアップにつながるでしょう。
ただし、会計基準が日本のものではなく、出資をする本国のものである場合は、米国の会計基準(USGAAP)や国際財務報告基準(IFRS)などを理解し、組み替えるスキルも必要となります。
そもそも、通常の経理の仕事について知りたい場合は、以下の記事を参照してください。
(3)パソコンスキル
パソコンのスキルも「英文経理」で必要です。
会計システムを使いこなせたり、また、仕訳を入れるための根拠となる資料をExcelで作成できるスキルが必要です。
「英文経理」として、最低限使いこなせる必要のあるExcelの機能は、以下の通りです。
「英文経理」として使いこなせる必要のあるExcelの機能
- 基本の関数(足し算、引き算、掛け算、割り算など)
- IF関数(条件で処理結果を変える)
- Round関数(四捨五入、切り捨て、切り上げなどの表示)
- ピボットテーブル(データ集計や分析)
4.英文経理で持っているとおすすめの資格
英文経理で持っているとおすすめの資格は、以下の3つです。
英文経理で持っているとおすすめの資格
- 日商簿記検定
- BATIC(国際会計検定):検定は終了したので学習のみ
- USCPA(米国公認会計士)
この順番で取得することをおすすめします。
(1)日商簿記検定
日商簿記検定は、経理業務を担当する上で必要な簿記の知識が学べます。
まずは「英語×会計」のうちの「会計」の部分の基礎を固めるのが大切でしょう。
「会計」の理屈が分かっていないと、さらに英語で「会計」を理解するのは大変です。
最低でも日商簿記検定3級、できれば日商簿記検定2級を持っておくと、「英文経理」への転職・就職で評価されます。
日商簿記検定の2級と3級に関しては、CPAラーニングがおすすめです。
無料で完全独学で合格できるコンテンツは、他にはみつかりません。
(2)BATIC(国際会計検定):終了しましたが学習はおすすめ
日商簿記検定で「英語×会計」のうちの「会計」の部分の基礎を固めたあとに、BATIC(国際会計検定)で「英語×会計」を学ぶと良いでしょう。
BATIC(国際会計検定)はスコア制で、得点に応じて以下の3つの称号のいずれかが付与されます。
BATIC(国際会計検定)で付与される称号
- 得点50%:初級(Entry)レベル
- 得点80%:中級(Middle)レベル
- 得点90%:上級(Advanced)レベル
BATICは、合格・不合格となる検定ではないです。
履歴書でアピールするのならば、上級(Advanced)レベルを目指しましょう。
どこも、BATIC(国際会計検定)は旧制度でのAccountin Managerレベル(全4レベルのうち、上から2番目のレベル)を取得しました。
独学で市販の教材を使って勉強しましたが、英語での勘定科目を覚えたり、日商簿記検定が取り扱わないような国際財務報告基準(IFRS)を英語で学ぶことができたので、勉強して良かったと思っています。
このような公式テキストや公式問題集を利用して、十分合格できます。
BATICは2022年度で終了しました。
ですが、会計検定試験を受けなくても、テキストと問題集で学習をするのは依然としておすすめです。
(3)USCPA(米国公認会計士)
BATICの勉強が終わり、さらに「英文経理」として活躍しするため、知識を深めたい場合は、USCPA(米国公認会計士)を目指すといいでしょう。
USCPA(米国公認会計士)は、日本で取得できる「英語×会計」の資格としては、最高峰です。
また、会計の資格としても、日本の公認会計士に次いで、評価される資格といっても過言ではないでしょう。
ただし、1,000時間ほどの勉強時間が必要ですので、仕事と両立するのは大変との覚悟が必要です。
どこも、USCPA(米国公認会計士)ですが、まずはBATICの勉強を終えて、「英語×会計」という分野を極めたくなったため、USCPA(米国公認会計士)の勉強も始めました。
USCPA(米国公認会計士)試験合格後、大手監査法人で外資系企業の監査を担当し、さらに、海外勤務するなど、USCPA(米国公認会計士)の資格は、転職で高く評価されました。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
資料請求とセミナー申し込み(無料)↓
USCPAになる方法は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
5.英文経理未経験で就職・転職する場合
未経験で「英文経理」になるには、戦略が必要です。
経理未経験で英文経理への就職・転職を目指す際の戦略
- 会計英語を勉強する
- 英文経理で持っているとおすすめの資格を取る
- 派遣社員で経理の経験を積む(「通常の経理」の実務経験)
- 正社員で英文経理として転職する(「英文経理」としてのキャリア開始)
(1)会計英語を勉強する
英語で経理の仕事がしたことがなくても、会計英語の知識があれば、採用につながる可能性が高いです。
ですので、会計英語の勉強をしておきましょう。
勘定科目、会計用語・単語の英語を覚えておくと良いでしょう。
(2)英文経理で持っているとおすすめの資格を取る
勘定科目、会計用語などの英語を覚えておくだけでも、かなりのアドバンテージですが、採用面接では、やはり資格を持っていると評価されます。
既にご紹介したように、「英文経理」で持っているとおすすめの資格は、以下の3つです。
「英文経理」で持っているとおすすめの資格
- 日商簿記検定
- BATIC(国際会計検定)
- USCPA(米国公認会計士)
USCPAまで持っていると履歴書に書きアピールできて、他の応募者に大きな差がつけられるでしょう。
(3)派遣社員で経理の経験を積む(「通常の経理」の実務経験)
英語はできるけど、経理経験が無いという場合は、最初から「英文経理」の正社員の仕事を得るのは難しいと思います。
なので、まずは派遣会社に登録して、派遣社員として経理の実務経験を積んでしまうのが手っ取り早いと思います。
実は、どこも、「英文経理」の仕事がしたかったのですが、経理の経験すらなかったので、派遣社員から始めています。
大手外資系企業で派遣社員として働き、半年くらい経ったときに、上司のご紹介で、他の米国企業の「英文経理」として正社員で採用される機会を得ました。
正社員しか絶対になりたくないという人を除いて、派遣社員から始めるというのは良い戦略だと思っています。
また、紹介予定派遣でしたら、一定期間の就業期間を経て、正社員として採用される可能性があるので、おすすめです。
経理の未経験求人を多く取り扱っている派遣会社をご紹介します。
経理の未経験求人を多く取り扱っている派遣会社
- ジャスネット☞経理の派遣・紹介予定派遣なら【ジャスネット】
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- アデコ☞友人・知人におすすめしたい人材派遣会社No.1【アデコ】
派遣会社によって、扱っている求人が違いますので、何社か登録しておくと良いかと思います。
迷った場合は、ジャスネット がおすすめです。
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たとえば、ジャスネット の求人サイトを見ると、以下のような経理未経験で簿記3級だけで応募できる求人が見つかります。
しかも、正社員に登用される可能性もあります。
さらに、ジャスネット の求人サイトには、以下のような経理未経験で簿記3級だけで応募できる求人が見つかります。
しかも、外資系で英語が活かせます。
英文経理や英文会計の未経験の求人が出ることもありますので、まずは ジャスネット に登録して、面談を受けてみることをおすすめします。
未経験での経理職への転職については、こちらも参考にしてください。
(4)正社員で英文経理として転職する(「英文経理」としてのキャリア開始)
派遣社員でもかまいませんので「通常の経理」の実務経験が積めたところで、正社員で英文経理として転職しましょう。
既にBATICやUSCPAなどの会計資格をもち、「英語×会計」ができれば、好待遇で転職できることでしょう。
転職先を探すときは、必ず転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントを利用すると、自分に合った企業が見つけやすいだけではなく、採用条件の交渉でもサポートしてもらえます。
英文会計・英文経理の転職に強い転職エージェントをご紹介します。
英文会計・英文経理の転職に強い転職エージェント
どちらも登録だけでもしておくことをおすすめします。
たとえば、MS-Japan の求人サイトを見ると、以下のような簿記2級で応募ができる外資系企業での経理の求人が見つかります。
年収も600万円前後が提示されており、キャリアアップにつながる仕事内容の求人かと思います。
このような求人は、英語力は必要ですが、高い英会話力は求められていないので、英会話が苦手な人には適しているかもしれません。
MS-Japanとエンワールド・ジャパンの2つに登録して、どのような求人があるのかご自分でも確認してみてください。
転職エージェントの活用については、以下の記事も参考にしてください。
以上、「経理未経験で英文経理になるには?外資系企業で働いてきたUSCPAが解説!」でした。
まずは、日商簿記検定3級の勉強をして、それから英語で会計用語を覚えようかな。
正社員での採用がいいけど、派遣社員から始めることも視野に入れるね。
英語と経理のどちらの知識も必要となるから、少しずつコツコツと知識を積み上げつつ、業務の幅を広げていくというのが、無理なくキャリアアップできる道だよ。
最初は派遣社員というのもアリだと思うよ。
実際、「英文経理」では、経験や資格より年齢が一番重要視されると思うから、資格の勉強をしていて年齢を重ねてしまうのだったら、派遣社員でいいから早めに飛び込んでしまうのが吉だよ。