勤務先の会社でIFRS(国際財務報告基準)が適用されると聞いたから興味があるけど、あまり情報がなくて。
受けてみる価値があるか決められなくて、困ったな。
アビタスという予備校で、IFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)の講座を受講してIFRSの学習をしたんだよ。
IFRS Certificate、通称「IFRS検定」について、どんな検定なのか、難易度、資格の活かし方、USCPA(米国公認会計士)との比較、勉強方法などについて、わかりやすくご説明するね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
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どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
IFRS検定って?難易度、勉強方法、活かし方は?USCPAとも比較
IFRS検定(国際会計基準検定・IFRS Certificate)は、日本ではIFRS検定と呼ばれることが多いため、当記事でもIFRS検定と呼ぶことにします。
当記事は、IFRS検定の日本語受験についての解説となります。
IFRS検定の英語受験については、こちらの記事を参考にしてください。
IFRS検定は、2022年11月実施の第47回IFRS検定試験よりオンライン試験となり、自宅での受験が可能となりました。
東京・大阪の会場で開催していたマークシート形式の試験ではなくなりましたので、ご注意ください。
1.IFRS検定の概要
IFRS検定がどんな試験なのか概要について見ていきましょう。
(1)IFRS検定とは
IFRS検定とは、ICAEW(The Institute of Chartered Accountants in England and Wales:イングランド・ウェールズ勅許会計士協会)が実施している、IFRSに関する評価試験(IFRS Certificate Assessment)です。
ICAEWとは、欧州最大の会計士協会です。
ちなみに、英国にはICAEW以外に、ACCA(The Association of Chartered Certified Accountants)という公認会計士協会が存在し、IFRSに関する試験を実施しています。
日本においては、ICAEWの評価試験が取り扱われ「IFRS検定」として実施しています。
IFRSに関する検定試験
- ICAEWの評価試験(いわゆるIFRS検定):実務的・実用的な試験
- ACCAの検定試験:知識を問う試験
ICAEWの評価試験の方が実務的なため、日本では実務家が受験することを想定し、ICAEWの評価試験を取り扱うことになったそうです。
IFRS検定は、IFRS (International Financial Reporting Standards:国際財務報告基準)の広範な知識と理解力を測定することを目的としています。
日本では、IFRSコンソーシアムが、ICAEWより運営を委託され、試験の運営と受験者の管理をしています。
全世界で受験されている試験ですが、日本においては、英語ではなく日本語でも受験できます(2009年12月より)。
ですので、英語という語学力の壁はなく、純粋にIFRSの知識を測ることができます。
IFRS検定とは
- IFRS検定は、ICAEWが運営している、IFRSに関する評価試験。
- ICAEWは、英国の会計士協会の1つで、歴史と権威のある会計士団体。
- IFRS検定の問題の作成・採点は、英国で行われる。
- IFRS検定の運営・受験者の管理は、日本のIFRSコンソーシアムが行う。
- 日本では、日本語でIFRS検定を受験可能。
- IFRS検定は、日本語で取得可能な国際資格。
(2)IFRS検定の試験制度
IFRS検定の試験制度は、以下の通りです。
出題形式 | オンライン試験 |
試験形式 | 客観試験(選択問題) |
試験時間 | 2時間 |
問題数 | 60問 |
出題言語 | 日本語 |
合格基準 | 正答率60%以上 |
試験結果 | 試験終了直後にEmailにて |
2022年11月実施の第47回IFRS検定試験よりオンライン試験となり、自宅での受験が可能となりました。
選択問題でのみで、記述式問題は出題されません。
2時間で60問ですので、時間に余裕をもって解答できますね。
合格基準は正答率60%です。
2022年11月のIFRS検定試験より、試験結果が試験終了直後にわかるようになりました。
ちなみに、試験終了時間から2、3分以内に合格報告をいただいたことがあるので、本当にすぐにわかるようです。
(3)IFRS検定の受験資格
IFRS検定の受験資格ですが、希望者は誰でも受験できます。
学歴条件、実務条件はありません。
(4)IFRS検定の試験日
IFRS検定の試験日は、年3回、2月・6月・11月です。
2024年度の試験日は、以下の通りです。
2025年度のIFRS検定の試験日(日程)
- 第54回:2月2日(日)
- 第55回:6月
- 第56回:10月
各回とも、試験の時間は10時から12時まで。
2024年12月時点で、2025年度のIFRS検定試験の日は2月のみ決定しています。
- たとえば、USCPA試験は、毎日受験可能ですが、IFRS検定は、年に3回しか受験できません。
- よって、試験日を見据えた、計画的な学習が必要となります。
- 試験日は、以前は年に2回でしたが、現在は3回です。受験生が増えれば、回数が増える可能性があるとのことでしたが、現状では難しいと思います。
(5)IFRS検定の試験会場(オンラインになりました)
IFRS検定の日本の試験会場は、USCPA(米国公認会計士)の予備校として有名なアビタスの校舎です。
東京会場(アビタス新宿本校)と大阪会場(アビタス大阪校)の2か所のみです。
今後、受験者が増えれば、東京と大阪以外の都市での開催も検討されると思いますが、現状では、受験者が少なすぎるため難しいと思います。
- たとえば、USCPA試験は、東京と大阪のプロメトリックテストセンターでの受験です。
東京か大阪でしか受験できないという点では、IFRS検定も同じです。IFRS検定は自宅受験が可能となったので、便利になりました。
(6)IFRS検定の受験料(費用)
IFRS検定の受験料は、40,700円です。
受験料の支払いは、カード決済のみとなります。
簿記検定などに比べると、受験料は高めですよね。
- 以前は、ただし、先着30名は早期割引がありましたが、2022年11月のIFRS検定試験は、全員が割引価格の統一料金になりました。
- 早めに申し込む必要はなくなりましたが、忘れないように早めに申し込んでおいた方がいいでしょう。
2.IFRS検定の受験のステップ
IFRS検定の受験のステップについて見ていきましょう。
IFRS検定の受験のステップ
- 新規ID登録
- 受験申し込み
- ICAEW発行の受験用アカウント受領
- ICAEW発行の受験用URL受領
- 自宅オンライン受験
- 試験結果の通知、合格証(Certificate)受領
(1)新規ID登録
初めて受験する場合は、まずはID登録をします。
ウェブサイトより、新規ID登録をします。
(2)受験申し込み
つぎに、受験の申し込みをします。
ウェブサイトにて、受験したい日の検定試験を選択して、申し込みます。
受験料をカード決済します。
(3)ICAEW発行の受験用アカウント受領
試験申し込み期間終了後、ICAEWから受験用アカウントが発行されます。
Eメールで通知が届きます。
特に何かする必要はありません。
(4)ICAEW発行の受験用URL受領
試験実施日の1週間前に、受験用のURLが発行されます。
このURLは実施時間までクリックしないようにしましょう。
(5)自宅オンライン受験
試験開始時間になりましたら、受験用URLにアクセスください。
試験開始ボタンをクリックすると、設定された試験時間のカウントが始まります。
受験当日に必要なのは、以下の通りです。
受験当日の準備
- メモ用紙
- 筆記用具(HBの鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム)
- 電卓(関数機能なしのもの)
机の上に置いておきましょう。
(6)試験結果の通知、合格証(Certificate)受領
試験終了直後に、Emailにて試験結果が通知されます。
合格の場合、結果通知のEmailに合格証(Certificate)が添付されています。
3.IFRS検定の出題内容
IFRS検定の出題内容を見ていきます。
IFRS検定は、IFRS(International Financial Reporting Standards)、または、IAS(International Accounting Standards)からとなります。
- IFRSの基準書は、IASB(国際会計基準審議会)が1年に1回発行しており、PartA、PartB、PartCの3冊あります。
- IASは、IASBの前身であるIASC(国際会計基準委員会)が策定しました。
- IFRSの基準書については、IFRS(国際財務報告基準)の基準書と解釈指針の一覧(日本語訳あり)も参考にしてください。
(1)IFRS検定の内容
IFRS検定の内容は、以下の通りです。
IFRS検定の内容
- 財務報告に関する概念フレームワーク
- IAS1:財務諸表の表示
- IAS2:棚卸資産
- IAS7:キャッシュ・フロー計算書
- IAS8:会計方針、会計上の見積の変更及び誤謬
- IAS10:後発事象
- IAS12:法人所得税
- IAS16:有形固定資産
- IAS19:従業員給付
- IAS20:政府補助金の会計処理及び政府援助の開示
- IAS21:外国為替レート変動の影響
- IAS23:借入コスト
- IAS24:関連当事者についての開示
- IAS26:退職給付制度の会計及び報告
- IAS27:個別財務諸表
- IAS28:関連会社及び共同支配企業に対する投資
- IAS29:超インフレ経済下における財務報告
- IAS32:金融商品
- IAS33:1株当たり利益
- IAS34:期中財務報告
- IAS36:資産の減損
- IAS37:引当金、偶発負債及び偶発資産
- IAS38:無形資産
- IAS40:投資不動産
- IAS41:農業
- IFRS1:国際財務報告基準の初度適用
- IFRS2:株式に基づく報酬
- IFRS3:企業結合
IFRS4:保険契約(2024年1月からIFRS17保険が出題範囲)- IFRS5:売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
- IFRS6:鉱物資源の探査及び評価
- IFRS7:金融商品
- IFRS8:事業セグメント
- IFRS9:金融商品
- IFRS10:連結財務諸表
- IFRS11:共同支配の取決め
- IFRS12:他の企業への関与の開示
- IFRS13:公正価値測定
- IFRS15:顧客との契約から生じる収益
- IFRS16:リース
- IFRS17:保険
IFRSについて、幅広く網羅した出題となっています。
2024年1月から「IFRS17 保険契約」も出題範囲です。
基準が変更になった場合は、有効になってから半年後くらいに、試験内容に反映されます。
(2)IFRS検定のサンプル問題(例題)
IFRS検定のサンプル問題をIFRSコンソーシアムが例題として公開していますので、見てみましょう。
ちなみに、解答は記載されていますが、解説はないです。
① IFRS検定 サンプル問題 例題(1)
まず、IFRS検定のサンプル問題の例題(1)です。
② IFRS検定 サンプル問題 例題(2)
つぎに、IFRS検定のサンプル問題の例題(2)です。
例題(2)に関して、少し補足しておきます。
これは、「IAS第16号 有形固定資産」に関する問題です。
有形固定資産は、取得原価で測定されます。
取得原価に含まれるものは、以下の通りです。
有形固定資産の取得原価に含まれるもの
- 値引き後の購入価格
- 資産を設置し、稼働可能となる状態にするための直接付随費用
- 解体・除去費用等の当初見積額
よって、CU5,000+200+400=5,600となり、正解はDです。
- IFRSでの「CU」とは、Currency Unitのことであり、「通貨単位」です。
- 特定の国の通貨を示すのではなく、架空の「通貨単位」です。
- 「通貨単位」は、たとえば、日本円は「JPY」、米国ドルは「USD」ですね。
③ IFRS検定 サンプル問題 例題(3)
さいごに、IFRS検定のサンプル問題の例題(3)です。
例題(3)に関しても、少し補足しておきます。
これは、「IFRS第1号 国際財務報告基準の初度適用」に関する問題です。
初度適用において、1年分の比較情報を表示する場合は、以下のようになります。
よって、IFRS移行日は、20×3年4月1日となり、正解はAです。
最初のIFRS財務諸表報告日に表示する報告書
- 財政状態計算書
- 包括利益計算書
- 株主持分変動計算書
- キャッシュ・フロー計算書
- 関連する注記と開示
報告書には、比較年度の数値も含みます。
サンプル問題を見ていただくと分かるように、すべて4択式です。
(3)IFRS検定の問題の特徴
IFRS検定の問題の特徴ですが、基本的な計算問題や理論的な問題が、幅広く出題されることが挙げられます。
とはいえ、日本の簿記検定のように、仕訳ができるかどうか、勘定科目がわかるかどうかと言ったことは問われません。
IFRS検定は、会計基準を理解しているか、財務諸表が分析できるかどうかが問われます。
- IFRS検定で出題されるのは、IFRSの原理原則の理解を問うような問題。
- ただし、理解しているか確かめるため、複雑な計算問題は出題されないが、基本的な計算問題は出題される。
4.IFRS検定の難易度
IFRS検定の難易度について見ていきましょう。
(1)IFRS検定は、簿記2級より少し難しい?
IFRS検定の難易度は、そこまで高くないと言われています。
というのは、IFRS検定は、落とすための試験ではないからです。
IFRS(国際会計基準)の基本的な知識が身についていれば、合格できるでしょう。
試験自体は難しくなく、簿記2級より少し難しいくらいではないでしょうか。
とはいえ、試験範囲が広く、IFRS(国際会計基準)に過去触れたことがない人には、理解しづらく、特に独学で合格するのは大変だと言われています。
ただ、現在は、英語ではなく日本語で受験ができるので、英語という語学力のハードルがなくなりました。
ですので、少なくとも、英語で受験する必要があるUSCPA(米国公認会計士)試験よりは、難易度は低いと言えるでしょう。
(2)IFRS検定の合格率
IFRS検定の合格率は、2023年11月5日に実施された第50回では、71.7%でした。
IFRS検定の結果(第50回 2023年11月5日実施)
- 合格率:71.7%
- 最高得点:87点
- 合格者平均点:72.1点
オンライン受験になった2022年11月6日の回から70%を超えおり、非常に高いです。
開催日 | 全受験者平均点 | 合格率 |
2023年11月5日(日) | 72.1点 | 71.7% |
2023年6月4日(日) | 68.4点 | 78.1% |
2023年2月26日(日) | 64.8点 | 72.2% |
2022年11月6日(日) | 65.0点 | 70.6% |
とはいえ、受験者の半分以上が、経理・財務・監査などの仕事にかかわっています。
また、60%以上の受験者が、日本の公認会計士、USCPA(米国公認会計士)、CIA(公認内部監査人)、簿記1級・2級・3級、BATIC(国際会計検定)、証アナといった資格を保有しています。
よって、合格率が高いからと言って油断せず、十分な試験対策をして受験するようにしましょう。
最近は、IT系の仕事をしている方、経営に携わっている方など、経理・財務・監査以外の仕事にかかわっている受験生が増えてきています。
(3)IFRS検定に必要な勉強時間
IFRS検定受験に必要な勉強時間ですが、平均で150時間から200時間くらい、会計初学者は、300時間くらいだそうです。
つまり、週10時間の勉強で4ヶ月、160時間くらいが平均と考えるとギャップが少ないでしょう。
よく比較されるUSCPA(米国公認会計士)試験は、1年以上の勉強期間、1,000時間の勉強時間が必要だと言われています。
週20時間の勉強で1年、1,000時間はかかるUSCPAに比較し、勉強の負担が格段に少ないと言えます。
「USCPA試験の5分の1から3分の1くらい」の勉強期間が必要だと考えると良いでしょう。
IFRS検定の学習時間
- IFRS検定は、150時間から200時間くらい、4ヶ月間の学習時間が必要。
- 会計初学者がIFRS検定の学習をする場合は、約300時間の学習時間が必要。
- USCPA試験が1,000時間なので、IFRS検定の方が学習時間は少なくてすむ。
5.IFRS検定の資格の活かし方
IFRS検定の資格の活かし方について見ていきましょう。
(1)日本でのIFRSへのコンバージェンスの動き
ご存知かと思いますが、IFRSについては、2005年にEU(欧州連合)が域内の上場企業にIFRSの使用を義務付けてから、世界中で使用されるようになりました。
現在は世界196か国のうち、140か国以上がIFRSを使用していますので、世界中のほとんどの国でIFRSが使用されていると言って過言ではないでしょう。
もちろん、日本も例外ではありません。
日本の場合は、IFRSを採用しているのではなく、自国の会計基準(JGAAP)があり、自国の会計基準をIFRSに歩みよらせる「コンバージェンス(収束・収斂)」の方針を取っています。
たとえば、新収益認識基準についても、IFRSが基になっています。
よって、今後日本で、IFRSの知識がますます必要になることは疑いようもありません。
IFRSの適用のパターン
- アドプション(導入):自国の会計基準を捨て、IFRSを自国の会計基準として導入する
- コンバージェンス(収束):IFRSを採用せず、自国の会計基準をIFRSに歩み寄らせる ☜日本や米国
(2)IFRS検定の受験者
IFRS検定の受験者は、どんな人がいて、年齢的にはどのくらいで、どんな理由で受験を決めたのかを見てみます。
①IFRS検定の受験者の職業
IFRS検定の受験者の職業は以下のようになっています。
IFRS検定の主な受験者
- 経理・財務の実務担当者
- 会計の専門職の方
- 内部監査室・内部統制推進室の方
- SE・IT部門の方
- 人事部門の方
経理・財務、内部監査・内部統制、情報システム、人事・総務、企画・調査といった職種の方をはじめとして、いろいろな職種の方が多く受験しているそうです。
なぜなら、IFRSの知識は、決算作成における会計業務だけではなく、内部統制、情報システム、税務、財務など広範で必要とされるからです。
たとえば、人事部門では、IFRSがわかる人材の育成・採用のため、IFRSの理解が必要となってきています。
➁IFRS検定の受験者の年齢
IFRS検定の受験者の年齢は以下のようになっています。
IFRS検定の受験者の年齢
- 20代:15%
- 30代:49%
- 40代:23%
- 50代:11%
- 60代以上:2%
IFRS検定の受験者は、30代の方が多いですね。
たしかに、IFRSのきちんとした知識が必要となるのは、少し年次が上がった頃(ポジションが上になった頃)だからかもしれません。
どこの場合も、USCPA合格後にIFRSの知識が必要となり、USCPA講座に引き続きアビタスでIFRS講座も受講することになりました。
➂IFRS検定の受験者の受験理由
IFRS検定の受験を決めた理由としては、以下のようになります。
IFRS検定受験を決めた理由のアンケート結果
- 社内でアピールポイントになるため:48%
- 日本語でのIFRS試験が他にはないため:20%
- IFRSの知識を判定するため:16%
- その他:16%
半分近くの方が、社内でアピールポイントになると考えたため、IFRS検定の受験を決めています。
IFRSの試験が他にないということもあり、IFRSの知識を試すのに、IFRS検定がちょうどいいということになります。
(3)IFRS検定が特に活かせる方
IFRS検定が特に活かせるのは、以下のような方でしょう。
IFRS検定の資格が特に活かせる方の例
- IFRS適用会社の経理職(に転職したい方)
- IFRS適用の海外子会社をもつ会社の連結決算担当(に転職したい方)
- 監査法人でIFRS適用会社を監査する監査人
IFRS適用済会社は、大企業が多いです。
また、IFRS適用の海外子会社をもつ会社も大企業であることが多いでしょう。
よって、大企業で働きたい場合は、IFRS検定の資格を持っているとメリットがあると考えられます。
特に経理職の方が活かせると思いますが、大企業で働く場合は、IT関連職などでも活かせるでしょう。
- 大企業では、IFRSの知識のある人材を積極的に採用している。
- IFRSの知識があることの証明が「IFRS検定」合格となる。
(4)IFRS検定が活かせる求人例
IFRS検定は、「絶対に必要な資格」に挙げられることはない印象ですが、「あると望ましい資格」になっている求人はいくつもみつかります。
「IFRS検定合格」が【尚良】になっている場合も多くあります。
IFRS検定が活かせる求人については、転職エージェントに登録して、どんなものがあるのか教えてもらうことをおすすめします。
IFRS検定が活かせる求人情報は、転職エージェントに登録すれば教えてもらえます。
外資系・グローバル企業への転職を考えている場合は、エンワールド・ジャパン
がおすすめの転職エージェントです。
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(5)IFRS検定の知識が活かせた実例(どこの場合)
どこがIFRS検定の勉強をすることになったのは、Big4大手監査法人で会計監査人をしていた際、IFRSプロジェクトにアサインされたためです。
IFRS適用第1期目の企業の監査や、IFRSをこれから適用する企業のIFRS導入のサポートをしていました。
USCPA(米国公認会計士)ですので、米国基準(USGAAP)はある程度理解していました。
ですが、IFRS(国際会計基準)についてもプロフェッショナルとして理解する必要があったので、アビタスに通い勉強しました。
また、現在、連結決算担当として、米国子会社、欧州子会社、アジア子会社の財務数値の管理もしています。
欧州子会社やアジア子会社は、IFRS(国際会計基準)で連結パッケージを提出してきますので、体系的に学んだIFRS(国際会計基準)の知識が役に立っています。
USCPAや日本の公認会計士の方こそ、IFRS検定の学習をおすすめします!
IFRS検定のメリット・価値については、以下の記事も参考にしてください。
6.IFRS検定とUSCPA・ACCA・BATICの比較
IFRS検定と、USCPA(米国公認会計士)やBATIC(国際会計検定)を比較してみます。
BATIC(国際会計検定)は廃止となりましたので、注意が必要です。
(1)IFRS検定とUSCPA試験との比較
IFRS検定とUSCPA(米国公認会計士)試験を比較します。
知名度は、IFRS検定よりUSCPAの方が絶対的に高いでしょう。
そして、転職などで評価されるのも、USCPAでしょう。
ただ、USCPAの方が、英語で受験しなくてはなりませんし、受験科目は4科目あり、難易度が高いです。
IFRS検定は日本語で受験できるので、英語力は関係ありません。
また、当たり前ですが、IFRS検定は、IFRS(国際財務報告基準)についての試験です。
一方でUSCPA試験は、米国基準(USGAAP)についての試験です。
よって、こんな方はUSCPAではなくIFRS検定でいいでしょう。
- 英語スキルをアピールする必要がない方
- IFRS適用会社で働いていたり、IFRS適用会社に転職したい方
USCPAとIFRS検定の比較については、以下の記事も参考にしてください☟
(2)IFRS検定とACCA試験
IFRS検定とACCA(英国勅許公認会計士)試験を比較します。
知名度は、日本ではIFRS検定の方がACCAよりありますね。
ただし、ACCAはUSCPAと同じように公認会計士ですので、転職などで評価はされやすいです。
ACCAは英語で受験しなくてはなりませんし、受験科目は13科目あり、難易度が高いです。
IFRS検定もACCAもIFRS(国際財務報告基準)という共通点があるので比較されますが、IFRS検定はIFRS自体が問われ、ACCAでは会計科目の会計基準がIFRSというだけ。
IFRS検定とACCAのレベルは全く違います。
IFRSを学びたいからと言う理由でACCAに手を出すのはToo muchでしょう。
特に海外で働く予定がない場合、日本ではIFRS検定で十分です。
よって、こんな方はACCAよりIFRS検定の方がいいでしょう。
- 会計と英語のスキル「会計×英語」をアピールする必要がない方
- IFRSの知識を身につけたい方
- 海外で働く予定がない方
わざわざ難易度の高いACCA試験にチャレンジする必要はなく、IFRS検定でいいと思いますよ。
ACCA(USCPAとACCAの比較)は、以下の記事も参考にしてください。
(3)IFRS検定とBATIC(国際会計検定)との比較(ただしBATICは既に廃止)
BATIC(国際会計検定)は廃止となりましたが、参考のためにしばらく残しておきます。
IFRS検定とBATIC(国際会計検定)を比較します。
BATICは、英文簿記とIFRSの会計知識を英語で問う試験でしたが、2021年に新制度となり、単なる英文簿記の試験となりました。
もはや、BATICは、IFRSの会計知識を問う試験ではなくなりましたので、IFRS検定と比較できるレベルではありません。
IFRSの知識があることをアピールしたいならば、BATICではなく、IFRS検定を受験するといいでしょう。
BATIC(国際会計検定)とIFRS検定の違いは、以下の記事も参考にしてください。
7.IFRS検定の勉強方法
IFRS検定の勉強方法を挙げていきます。
IFRS検定の勉強方法
- 予備校の「IFRS検定講座」の受講
- IFRS(国際財務報告基準)の書籍を購入し独学
IFRS検定の勉強方法ですが、効率よく学習を進めるのならば、予備校を利用するのがおすすめです。
とはいえ、IFRSについての書籍を購入して、独学することも可能ではあります。
(1)予備校の「IFRS検定講座」の受講
IFRS検定に効率よく合格したいとのことでしたら、アビタスの「IFRS検定講座」を受講すると良いと思います。
アビタスは、USCPA試験の講座がメインですが、IFRS検定の対策講座も開講しています。
アビタスの「IFRS検定講座」は、日本で唯一、IFRSの基準書を体系的に学べるコンテンツです。
USCPA試験は、アビタス以外にも、TACやプロアクティブなどの予備校が対策講座を提供していますが、IFRS検定は、アビタスのみです。
注:TACは、BATIC(国際会計検定)講座はありますが、IFRS検定講座はありません。
アビタスの「IFRS検定講座」
- 基準書を3か月でマスター可能(150時間から200時間の学習時間)
- 実務家の講師によるわかりやすい講義
- 日本語と英語併記のテキスト
- 検定に即応した問題集
どこも、アビタスの「IFRS検定講座」を受講して、IFRS検定の対策をしました。
アビタスの「IFRS検定講座」は、講義・テキスト・問題集がよくできており、勉強しやすかったです。
通信講座ですので、わざわざアビタス校舎に行く必要がなく、東京や大阪の遠方にお住まいでも安心です。
ただ、アビタスの「IFRS検定講座」の受講料金は20万円くらいで費用が高いのが難点です(笑)。
(2)IFRS(国際財務報告基準)の書籍を購入し独学
IFRS検定は、独学も可能ではあります。
独学する場合は、市販の本を独学用のテキスト・参考書・教材として購入すると良いでしょう。
IFRS検定の独学用のおすすめの書籍は、以下の3つとなります。
IFRS検定の独学用のおすすめの書籍
- 『IFRS会計学基本テキスト』橋本尚・山田善隆著 中央経済社
- 『テキスト国際会計基準』櫻井久勝著 白桃書房
- 『IFRSのしくみ(すらすら図解)』あずさ監査法人著 中央経済社
他にもIFRS(国際財務報告基準)の書籍はたくさんあるのですが、各基準の説明があり、日本基準との違いが説明され、練習問題を解くことができる、このような本を利用して学習することをおすすめします。
各基準について理解をして、何度も練習問題を解くことで、IFRS検定に合格できる実力が身につきます。
IFRS検定の勉強方法については、以下の記事も参考にしてください。
以上、「IFRS検定って?難易度、勉強方法、活かし方、USCPAとの違いを解説!」でした。
勤務先の会社でIFRS(国際財務報告基準)が導入されるから、IFRS検定の勉強はしておいた方がよさそうだな。
さっそく、アビタスの「IFRS検定講座」の受講を検討することにするよ。
そして、転職などで、IFRS検定に合格しているという実績まであった方がいいなら、IFRSをただ勉強するだけではなく、IFRS検定の受験も考えてみるといいかな。
IFRS検定を受験するとなったら、アビタスの「IFRS検定講座」を受講すれば、合格までの時間を短縮できるからおすすめだよ。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
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