USCPA、USCMA、EAという3つの国際会計資格の名前をよく聞くよね。
でも、それぞれがどんな資格でどう活かせるのか、どれを取るといいのかわからないよ。
USCPA(米国公認会計士)・USCMA(米国公認管理会計士)・EA(米国税理士)の違いについて比較していくね。
どれが自分に合った資格なのか考えてみてね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
USCPAになる方法は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
1.国際会計資格とは?USCPA・USCMA・EA
日本で国際会計資格というと、主に、USCPA(米国公認会計士)、USCMA(米国公認管理会計士)、EA(米国税理士)の3つを指していることが多いです。
国際会計資格とは
- USCPA(米国公認会計士)
- USCMA(米国公認管理会計士)
- EA(米国税理士)
どのような資格なのか、1つ1つ見ていきます。
(1)USCPA(米国公認会計士)とは?
国際会計資格の中で、日本で一番人気、かつ、世界的にも一番知名度があるのが、USCPA(米国公認会計士)です。
日本人が「英語×会計」の知識があることを証明するには、一番適した資格と言えます。
USCPAを取得すると、監査法人(特に、BIG4大手監査法人)で働く機会まで得られます。
また、海外駐在や外資系企業などで活躍することが可能となります。
よって、USCPAは就職・転職で非常にプラスになる資格と言えます。
USCPAになりたい場合は、こちらの記事が詳しいです。
(2)USCMA(米国公認管理会計士)とは?
USCMA(米国公認管理会計士)は、USCPA(米国公認会計士)と並んで2大国際会計資格の1つです。
USCMAは、「管理会計」の国際資格であり、ビジネス実務に直結しています。
USCMAを取得すると、特にコンサルティング会社で高く評価されます。
また、企業内のマネジメントや、会計・財務・企画などの業務で活躍できます。
既に中小企業診断士の学習をしたことがある人が、英語力があることを証明するためにもおすすめ。
USCPAと同じく、USCMAは就職・転職でプラスになる資格と言えます。
USCMAについては、こちらの記事が詳しいです。
(3)EA(米国税理士)とは?
EA(米国税理士)は、「国際税務」の資格です。
EAを取得すると、BIG4税理士法人では、特に移転価格税制などの分野で、高く評価されます。
ただし、どちらかというと、EAは他の資格にプラスすることで、就職・転職でアピールできる資格と言えます。
既に日本の税理士の学習をしたことがある人が、英語力があることを証明するためにもおすすめ。
大学卒業が受験要件になっていないため、EAは大学生が就職活動でアピールする1つの材料として、受験することが増えてきています。
各国際会計資格の評価ポイント
- USCPA(米国公認会計士):監査法人や外資系企業で働きたい場合
- USCMA(米国公認管理会計士):コンサルティング会社で働きたい場合
- EA(米国税理士):税理士法人で働きたい場合や、国際税務の知識があることをアピールしたい場合
2.国際会計資格の試験の比較・内容
つぎに、3つの国際会計資格の試験について見ていきます。
(1)USCPA・USCMA・EAの試験の比較
USCPA(米国公認会計士)、USCMA(米国公認管理会計士)、EA(米国税理士)の試験を比較すると、以下のようになります。
項目 | USCPA
(米国公認会計士) |
USCMA
(米国公認管理会計士) |
EA
(米国税理士) |
難易度(日本の公認会計士試験を5段階の5とした場合) | 4 | 3 | 3 |
合格率(日本の公認会計士試験は約10%) | 約50% | 約45% | 約70% |
必要な学習時間(日本の公認会計士試験は3,000時間から5,000時間) | 1,000時間から1,500時間 | 300時間から500時間 | 200時間から300時間 |
勉強と仕事との両立は可能か | 両立は可能だが大変 | 両立は十分可能 | 両立は十分可能 |
独学が可能か | 場合によって独学可能だが、かなり難しい | 独学可能だが、難しい | 独学可能だが、難しい |
受験資格の要件 | 大学卒業と、単位要件 | 大学卒業 | なし(18歳以上) |
大学在学中の受験が可能か | 州によっては可能 | 可能 | 可能 |
受験日 | 通年 | 1月2月、5月6月、9月10月 | 1月2月、6月7月、9月10月 |
受験場所 | 東京と大阪のプロメトリックで受験(国内の場合) | 東京と大阪のプロメトリック(国内の場合)、自宅受験 | 東京と大阪のプロメトリックで受験(国内の場合) |
受験方法 | コンピュータ試験 | コンピュータ試験 | コンピュータ試験 |
受験料 | 750ドルくらい(日本受験の場合) | 460ドル | 185ドル |
受験科目 | 4科目 | 2科目 | 3科目 |
出題形式 | 選択問題、事例形式問題、記述式問題 | 選択問題、記述式問題 | 選択問題のみ |
出題の特徴(日本の公認会計士試験は「深く広く」とする) | 浅く広く | やや深く、やや狭く | やや深く、やや狭く |
評価方法(日本の公認会計士試験は「相対評価」 | 絶対評価 | 絶対評価 | 絶対評価 |
各国際会計資格の比較のポイントを見ていきます。
国際会計資格の比較
- USCPAは、出題範囲が広く、科目も多いため、学習に時間がかかる。
- EAは、科目数が少なく、選択問題のみなので、学習にそれほど時間がかからない。
- 3つの資格とも、合格率は高めで、基礎的な問題さえできれば、全員合格となる。
- 3つの資格とも、仕事をしながら学習をするのは、大変ではあっても可能。
- 3つの資格とも、米国の資格で情報が少ないため、基本的には予備校に通って学習することが想定される。
- USCPAは、受験資格(単位要件)が満たせていない場合が大半であり、予備校に入学することが必須となる。
- 3つの資格とも、日本での受験が可能で、受験日の選択が多いため、受験しやすい。
3つの国際会計資格の中で、USCPA試験が合格にたどり着くのが一番大変で、EA試験が一番簡単だと言えます。
3つの資格とも
- 受験しやすい環境が整っている
- 基礎的な問題さえできれば合格となる
- 社会人でも挑戦しやすい
(2)USCPA・USCMA・EAの試験の内容
USCPA(米国公認会計士)、USCMA(米国公認管理会計士)、EA(米国税理士)の試験の内容は、以下のようになります。
①USCPA試験の内容
USCPA(米国公認会計士)試験は4科目で、必須科目は3科目です。
FAR(Financial Accounting and Reporting):財務会計
Content Area | 出題内容 | 出題割合 |
Conceptual Framework, Standard-Setting and Financial Reporting | 概念的枠組み、基準設定と財務報告 | 25‐35% |
Select Financial Statement Accounts | 財務諸表の勘定科目の選択 | 30-40% |
Select Transactions | 取引の選択 | 20-30% |
State and Local Governments | 州政府および地方自治体 | 5-15% |
AUD(Auditing and Attestation):監査と証明業務
Content Area | 出題内容 | 出題割合 |
Ethics, Professional Responsibilities and General Principles | 倫理、職責および一般原則 | 15-25% |
Assessing Risk and Developing a Planned Response | リスク評価と計画的な対応の測定 | 25-35% |
Performing Further Procedures and Obtaining Evidence | 更なる手続きの実施と証拠の入手 | 30-40% |
Forming Conclusions and Reporting | 結論の形成と報告 | 10-20% |
REG(Taxation and Regulation):税法と商法
Content Area | 出題内容 | 出題割合 |
Ethics, Professional Responsibilities and Federal Tax Procedures | 倫理、職務上の責任および連邦税務手続き | 10-20% |
Business Law | ビジネス法 | 15-25% |
Federal Taxation of Property Transactions | 財産取引への連邦税の課税 | 5-15% |
Federal Taxation of Individuals | 個人への連邦税の課税 | 22-32% |
Federal Taxation of Entities | 企業への連邦税の課税 | 23-33% |
USCPAの試験範囲は、全4科目あるため、かなりボリュームがあります。
USCPAの試験内容については、こちらの記事を参考にしてください。
USCPA試験の試験制度【試験の全体像を最初につかんでおきましょう】
②USCMA試験の内容
USCMA(米国公認管理会計士)試験は、2科目(2パート)です。
Part 1: Financial Planning, Performance, and Analytics(財務計画、業績と分析)
Competency | 出題内容 | 出題割合 |
External Financial Reporting Decisions | 外部財務報告の決定 | 15% |
Planning, Budgeting, and Forecasting | 計画、予算、予測 | 20% |
Performance Management | 業績管理 | 20% |
Cost Management | 原価管理 | 15% |
Internal Controls | 内部統制 | 15% |
Technology and Analytics | テクノロジーと分析 | 15% |
Part 2: Strategic Financial Management(戦略的財務管理)
Competency | 出題内容 | 出題割合 |
Financial Statement Analysis | 財務諸表の分析 | 20% |
Corporate Finance | 企業財務 | 20% |
Decision Analysis | 意思決定の分析 | 25% |
Risk Management | リスク管理 | 10% |
Investment Decisions | 投資の意思決定 | 10% |
Professional Ethics | 職業倫理 | 15% |
USCMAの試験範囲は、USCPA試験のFARやビジネス分野と内容が重複していることが分かります。
USCMAの試験については、こちらの記事を参考にしてください。
USCMA(米国公認管理会計士)とは?どんな国際資格?費用は?キャリアは?勉強法は?
③EA試験の内容
EA(米国税理士)試験は、3科目(3パートです)。
Part 1: Individuals(個人所得税法)
Topic | 出題内容 | 出題数 |
Preliminary Work with Taxpayer Data | 納税者データの予備作業 | 14問 |
Income and Assets | 収入と資産 | 17問 |
Deductions and Credits | 控除とクレジット | 17問 |
Taxation | 課税 | 15問 |
Advising the Individual Taxpayer | 個人納税者へのアドバイス | 11問 |
Specialized Returns for Individuals | 個人に特化したリターン | 12問 |
Part 2: Businesses (事業関連税法)
Topic | 出題内容 | 出題数 |
Business Entities and Considerations | 事業体と留意点 | 30問 |
Business Tax Preparation | 法人税務申告書作成 | 37問 |
Specialized Returns and Taxpayers | 特殊な申告書と納税者 | 18問 |
Part 3: Representation, Practices and Procedures(代理業務、実務および手続き)
Topic | 出題内容 | 出題数 |
Practices and Procedures | 実務と手続き | 26問 |
Representation before the IRS | 国税庁への代理業務 | 25問 |
Specific Areas of Representation | 具体的な代理業務の分野 | 20問 |
Filing Process | 申告手続き | 14問 |
EAの試験範囲は、USCPA試験のREGと、内容が重複していることが分かります。
IRS (Internal Revenue Service:米国歳入庁)の公式サイトも参考にしてください。
3.どの国際会計資格を受ける?決めかた
国際会計資格を取得したい場合、USCPA(米国公認会計士)、USCMA(米国公認管理会計士)、EA(米国税理士)のどの資格を取得すべきなのか考えてみます。
自分に合った国際会計資格の選びかた
- 希望する就職先・転職先
- 現在のステイタス
(1)希望する就職先・転職先で決める
基本的には、USCPAが一番認知度が高く、世界でも日本でも一番評価されるので、USCPAを取得するのがいいと思います。
ですが、監査をしたいと思っていない場合は、USCMAやEAでもいいでしょう。
特に、コンサルティング業務に従事したい場合はUSCMA、税務に従事したい場合はEAがいいでしょう。
(2)現在のステイタスで決める
もし、現在大学生で、就職でアピールしたいと考えている場合は、手っ取り早くEAを取るというのはおすすめです。
海外進出している企業に就職したい場合は、国際税務の知識があると、評価されるでしょう。
もちろん、学習に時間がかけられる場合は、USCPAに挑戦するのが一番いいです。
もし、現在社会人で、監査や税務に従事したいと考えていない場合は、USCMAがおすすめです。
USCMAは、ビジネスに直結した知識が身につけられ、現在勤務中の企業内でも幅広く知識が活かせます。
- 学習に時間がかけられるなら、USCPA。
- ビジネスに直結した知識を身につけ、コンサルティングなどに従事したいなら、USCMA。
- 税務に従事したかったり、就職でアピール材料にしたかったりするなら、EA。
- USCPAを取得して、プラスしてUSCMAやEAを取得するのもおすすめ。
以上、「USCPA・USCMA(米国公認管理会計士)・EA(米国税理士)国際資格を比較!」でした。
どれを取るといいのか、判断基準ができたよ。
とはいえ、USCPAは取得に時間がかかるので、監査職を希望していないなら、USCMAやEAも十分選択の余地があるね。
ただし、EAの場合は単独では評価が得にくいので、他の資格も合格しておくといいだろうね。
既にUSCPAを取得した人も、USCMAやEAをプラスで取得すると、名刺に肩書を並べて載せてアピールできるから、追加取得を考えてみてもいいと思うよ。
自分に合った国際資格にぜひ挑戦してみてね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
USCPAになる方法は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。