でも、どんなことができるのかイメージがわかなくて、困ったな。
ボランティア活動ということは、報酬がもらえないとしてもやりがいがある「プロボノ(専門家のボランティア)」という理解でいいかな。
今まで色々なプロボノをしてきたけど、英文会計のセミナーを開催したことがあるので、その経験を紹介するね。
複業(パラレルキャリア)としてのプロボノ(専門家のボランティア)に関しては、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
1.英文会計セミナーを開催したいきさつ
世の中には、英語で会計の学習がしたい(英文会計を覚えたい)という人が多いです。
ですが、なかなか英文会計初学者向けの学校や教材がありません。
よって、某団体の依頼で、USCPAとして英文会計のセミナーをしてみたのでした。
ボランティアですので、報酬はゼロでした(セミナー休憩時のおやつと、セミナー後のお疲れ様会の食事は提供してもらいました)。
もともとは、他の専門家の方にお願いしていたそうですが、あまり評判がよくなかったため代打として登場したので、多少プレッシャーがありました。
この英文会計のセミナーは、受講生のみなさんに楽しんでいただけたし、教えた自分自身もとても楽しかったので、やって良かったと思います。
ただし、気をつけないと非常につまらないセミナーになると思いました(他の専門家の方は、淡々と説明してしまったので評判がよくなかったようです)。
なので、今後「英文会計のセミナーを開催したい」と思う方のために、楽しんでもらえたコツを参考までに共有します。
2.英文会計セミナーの受講者
英文会計セミナーの受講者ですが、簿記検定3級くらいのレベルの方たちでした。
英文会計セミナー受講者
- 借方と貸方が分かる
- 簡単な仕訳ができる
- 資産、負債、純資産がわかる
- 貸借対照表と損益計算書もなんとなくわかる
簿記の基本と基本的な会計用語がわかるくらいの会計初心者です。
ちなみに参加者は、10人ほどで、全員女性でした。
「英語が得意だから、単なる経理ではなく、英語が活かせる英文経理に転職したい」
「外資系企業で働いており、英語で会計が理解できるようになりたい」
などと考えている方々でした。
3.英文会計セミナーの準備
日本の簿記検定の勉強だと、仕訳の練習から始めると思います。
ですが、自分がそのような勉強が嫌いなため(一度簿記2級で挫折しています)、「仕訳から始めて財務諸表にたどり着く」ではなく、「財務諸表から仕訳に分解していく」という方式を取りました。
よって、事前に準備したのは以下のようなものです。
事前に準備したもの
- Balance Sheet(貸借対照表)と上に書いた模造紙
- Profit and Loss Statement(損益計算書)と上に書いた模造紙
- Assets(資産)、Liabilities(負債)、Equity(純資産)、収益(Revenue)費用(Expense)と書いた大き目のカード
- Current Assets(流動資産)、Fixed Assets(固定資産)Current Liabilities(流動負債)、Non Current Liabilities(固定負債)などと書いたカード
- Cash(現金)、Accounts Receivable(売掛金)、Computer(コンピュータ)、Accounts Payable(買掛金)、Sales(売上)、Rent Expense(家賃)、などと勘定科目を書いた小さめのカード
- Debit(借方)、Credit(貸方)と書いたカード
ちなみに、カードの表は英語で、裏は日本語で書きました。
カード1枚に、1つのカテゴリー・1つの勘定科目を書きました。
なぜカード形式にしたかというと、単に資料を配って説明するのはつまらないためです。
トランプやかるたのように、カードゲーム感覚で楽しんでもらいたかったのです。
4.英文会計セミナーの進め方
英文会計セミナーは、以下のように進めていきました。
英文会計セミナーの進め方
英語で財務諸表の構造と会計用語の理解
- Balance Sheet(貸借対照表)と上に書いた模造紙、Profit and Loss Statement(損益計算書)と上に書いた模造紙に、Assets(資産)、Liabilities(負債)、Equity(純資産)、収益(Revenue)費用(Expense)と書いた大き目のカードを並べてもらう。
- Assets(資産)の下には、Current Assets(流動資産)、Fixed Assets(固定資産)などのカテゴリーのカードを並べてもらう。
- Current Assets(流動資産)の下には、Cash(現金)、Accounts Receivable(売掛金)などの勘定科目のカードを並べてもらう。
英語で勘定科目の暗記と仕訳の練習
- 勘定科目カードの英語の面を見せながら、日本語を言ってもらい、カードの日本語の面を見せながら、英語を言ってもらう(「Cash」と書かれたカードの表側を見せながら、「現金」と言ってもらう。「現金」と書かれたカードの裏側を見せながら「Cash」と言ってもらう)。
- 勘定科目カードの英語の面を見せながら、「これが増えたら/減ったらDebit(借方)か Credit(貸方)か?」と聞き、Debit(借方)か Credit(貸方)か反応よく答えてもらう(「Cashが増えたら?」と聞き、「Debit!」)と答えてもらう)。
- 簡単な取引を言い、Debit(借方)と書いたカードとCredit(貸方)と書いたカードの下に、勘定科目のカードを置いてもらう(「現金でコンピュータを買った」と言ったらDebit(借方)と書いたカードの下にComputer(コンピュータ)のカード、Credit(貸方)と書いたカードの下にCash(現金)と書いたカードを置いてもらう)。
最初に全体像を理解してもらってから、細かい説明をするようにしました。
最初は恥ずかしがって発言が少なかった人もいました。
ですが、ゲームに興奮して、途中からは全員大きな声で答えてくれるようになりました。
間違えた方がむしろ盛り上がったり、間違えた人に説明してくれる人が現れたり。
私は単なる進行役で、途中からは説明する必要さえなくなりました。
特に、英語の勘定科目を見たら、日本語で意味がとっさに言えるようになったのが喜ばれました。
また、取引を聞いたときに、日本語でさえ、借方と貸方のどちらなのか迷っていた人でも、Debit(借方)とCredit(貸方)で迷わなくなったようです。
英文会計の基本は押さえられたと思うので、あとは英文会計の本を買って、独学できるだろうと思います。
バッティングセンターのように、次々と質問を投げて、反射的に打ち返してもらい、身体で覚えてもらったので、もう忘れることはないのではと思っています。
- 単なる座学ではなく、みんなで床に座ってゲーム感覚のセミナーにした
- 単なるゲームなので、間違えても恥ずかしくない雰囲気にした
- 時々説明を加えるだけで進行役に徹し、参加者同士で教え合ってもらった
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以上、「【体験談】USCPAがプロボノをする 英文会計のセミナーを担当してみた!」でした。
ただ講義を聴くよりはずっと楽しそうだね。
どこも、うまく教えられる自信などゼロだったよ。
だから、自分が教壇に立って淡々と講義をするのではなく、ゲームのようにしたわけだよ。
必要そうなところだけ説明するようにすれば自分もラクだし、参加者も聞いているだけではないから楽しんでもらえるよ。
参加者同士も仲良くなっていたし、かなり喜んでもらえたと思う。
難しく考えなくても工夫次第でどうにでもなるというひとつの例として、参考にしてもらえると嬉しいよ。
もし、USCPA(米国公認会計士)に挑戦したいと思われた場合。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
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USCPAになる方法は「USCPAの始めかた」を参考にしてください。