英語で会計の仕事をする場合は、国際会計士資格をもっておくといいよね。
国際会計士資格というと、USCPA(米国公認会計士)と ACCA(英国勅許公認会計士)かな。
どんな違いがあって、どっちに挑戦するといいのかな。
日本では、USCPA(米国公認会計士)の方がACCA(英国勅許公認会計士)より有名だね。
米国の公認会計士USCPAと、英国の公認会計士ACCAを徹底比較するので、違いを理解した上で、どちらに挑戦するか考えてみてね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
- USCPA(米国公認会計士)とACCA(英国勅許公認会計士)徹底比較!どっちがいい?
- 1.受験要件はUSCPAの方がACCAより満たすのが大変
- 2.受験場所はUSCPAの方がACCAより限定的、受験日はUSCPAよりACCAの方が限定的
- 3.試験科目はUSCPAは4科目、ACCAは13科目
- 4.ACCAは科目免除制度あり(USCPAは8科目免除)
- 5.科目合格の有効期間はUSCPAの方がACCAより短い
- 6.記述問題はUSCPAは出題なし、ACCAは出題あり
- 7.出題言語はUSCPAもACCAも英語のみ
- 8.会計基準はUSCPAはUSGAAP、ACCAはIFRS
- 9.合格率はUSCPAもACCAも50%くらい
- 10.勉強はUSCPAは学校、ACCAはオンラインコース
- 11.必要な勉強時間はUSCPAよりACCAの方が長い
- 12.資格の活用はUSCPAの方がACCAよりしやすい
- まとめ:USCPAとACCAのどっち?USCPAがオススメ
USCPA(米国公認会計士)とACCA(英国勅許公認会計士)徹底比較!どっちがいい?
USCPA(米国公認会計士)とACCA(英国勅許公認会計士)のどちらに挑戦するか迷っている方に向けて、2つの資格の違いを解説します。
比較を見て、どちらの資格にチャレンジするか考えてみてください!
USCPA(米国公認会計士)とACCA(英国勅許公認会計士)の比較
USCPA | ACCA | |
受験資格 | 学位要件(大学卒業)と単位要件(会計単位とビジネス単位)を満たすこと | 専門学校や大学卒業 |
受験場所 | プロメトリックテストセンター(日本の場合、東京の御茶ノ水か大阪の中津) | 自宅受験可能 |
受験日 | 基本的に毎日(ただしテストセンターの空きがある日)
2024年は新試験になったばかりのため、受験できる日に限りあり |
3ヶ月に1度(いつでも受験できる科目が一部ある) |
試験科目 | 4科目(必須3科目+選択1科目)
必須科目:3科目
選択科目:3科目から1科目選択
→2024年1月から試験科目が変更
|
13科目(必須11科目+選択2科目)
基礎知識:3科目必須
基礎スキル:6科目必須
戦略的専門:2科目必須+4科目から2科目選択 2科目必須
4科目から2科目選択
|
科目免除制度 | なし | あり(保有資格や卒業大学の専攻により免除) |
科目合格実績の有効期間 | 最初の合格科目のスコアリリース(結果発表)の日から30ヶ月か36ヶ月
出願州により異なる |
|
出題形式 | コンピュータベースの試験
記述問題(ライティング)は2024年からなし 各科目4時間 |
コンピュータベースの試験
各科目2時間から4時間 |
出題言語 | 英語での出題 | 英語での出題 |
出題会計基準 | USGAAP(米国会計基準) | IFRS(国際財務報告基準) |
合格率 | 平均50%くらい | 平均50%くらい |
勉強方法 | USCPA予備校を利用 | オンラインコースを受講 |
勉強教材 | 日本語の教材あり | 日本語の教材なし |
勉強仲間 | 日本で勉強している人は多い | 日本で勉強している人は少ない |
情報交換 | SNSなどで情報交換が活発 | 情報交換できる環境はない |
必要な勉強時間 | 1,000時間~1,500時間 | 1,500時間~2,000時間 |
必要な勉強期間 | 1年~1.5年(週20時間の場合) | 3年(受験日が3ヶ月に1度で13科目あるため、期間は長め) |
ライセンス登録に必要な実務経験 |
|
3年 |
ライセンス維持費用 | 3年に1度230ドル(2万7千円くらい) | 毎年258ポンド(3万5千円くらい) |
資格の認知度 | 米国を含む海外、日本国内で広く知られている。 | 英国圏では知られているが、日本国内では認知されていない |
キャリア | 以下のような転職先が考えられる。
|
日本で働く場合は、以下のような転職先が考えられる
|
それぞれについて、深掘りしていきます。
1.受験要件はUSCPAの方がACCAより満たすのが大変
受験要件は、USCPAの方がACCAよりハードルが高いです。
USCPAとACCAの受験要件
USCPA:以下の2つの要件を満たすこと
- 学位要件:出願州によるが、四年生大学卒業とされることが多い
- 単位要件:出願州によるが、一定の会計単位とビジネス単位が必要
ACCA:大学卒業で受験可能
(1)USCPAの単位要件は予備校利用で簡単に満たせる
USCPAの受験要件は、学位要件と単位要件があるわけですね。
学位要件は、四年制大学を卒業していれば満たせます。
まだ大学在学中だったり短大卒や高卒だと、出願できる州が限られてしまいます。
また、単位要件は、一定の会計単位とビジネス単位が必要です。
多くの人がこの単位要件をクリアできていません。
よって、USCPA予備校を通し、米国の大学の単位を取得することになります。
USCPAは独学する人が少ないのは、独学では単位要件を満たすのが大変だからです。
USCPA予備校のアビタスであれば、米国の大学の単位は簡単に取得できます。
アビタスでの単位認定試験の勉強はUSCPAの勉強の一環ですので、USCPAの勉強に追加で必要になるものではありません。
また、単位認定試験は難しくないため心配しなくていいですし、自宅で受験できるので、負担はありません。
あなたは、現時点でどのくらいの単位要件を満たしているでしょうか。
アビタスのセミナーに参加して確認してみてくださいね。
(2)ACCAは大卒なら受験できる
一方、ACCAは、大学を卒業していれば基本的には受験できます。
受験までのハードルは低いですね。
2.受験場所はUSCPAの方がACCAより限定的、受験日はUSCPAよりACCAの方が限定的
受験の場所は、USCPAの方がACCAより限定的です。
USCPA | ACCA | |
受験場所 | 国内は東京か大阪のテストセンター | 自宅受験可能 |
受験日 | 基本的に毎日(ただしテストセンターの空きがある日)
2024年は新試験になったばかりのため、受験できる日に限りあり |
3ヶ月に1度(いつでも受験できる科目が一部ある) |
(1)USCPAは日本では東京か大阪の2ヶ所で、毎日受験可能
USCPAは、米国の試験ですので、日本だけではなく、もちろん米国でも受験可能です。
日本や米国以外でも、日本人が受験できる国がありますが、日本在住の日本人の受験生は、日本で受験するのがラクでしょう。
日本ではプロメトリックの東京会場か大阪会場でのみ受験可能です。
基本的にはプロメトリックの席が空いており予約できれば、いつでも受験可能です。
ただし、2024年は新試験に切り替わったばかりで、採点の面から毎日受験できるわけではありませんので注意。
もし、米国と日本以外でUSCPA試験を受験したい場合は、こちらを参考にしてください。
(2)ACCAは自宅受験可能だが、3ヶ月に1度
ACCAは新型コロナの関係もあり、自宅受験が可能となっています。
わざわざテストセンターに行く必要がないのは便利ですね。
ただし、一部の科目を除き、3ヶ月に1度しか受験できません。
3.試験科目はUSCPAは4科目、ACCAは13科目
試験科目は、USCPA(米国公認会計士)が4科目、ACCA(英国勅許公認会計士)が13科目もあります。
USCPA | ACCA | |
試験科目 | 4科目 | 13科目(科目免除制度あり) |
(1)USCPAの試験科目は4科目でシンプル
USCPA試験の試験科目は、必須科目3科目と選択科目1科目の4科目です。
2024年1月から試験科目が変わりましたので、注意してくださいね。
2023年までは必須4科目でさらにシンプルでしたが、今でも大きくは会計・監査・税務の3分野なのでシンプルです。
USCPA試験の試験科目(3科目必須+3科目から1科目選択)
必須科目(Core):3科目必須
- FAR (Financial Accounting and Reporting):財務会計
- AUD (Auditing and Attestation):監査と証明業務
- REG (Regulation and Taxation):税法と商法
選択科目(Discipline):3科目から1科目選択
財務会計、監査、税務、法律、IT、原価計算、経済学、ファイナンスなどの知識が幅広く問われます。
必須科目では基礎的なことが問われ、選択科目では専門的なことが問われると考えてください。
選択科目は、自分のキャリアや興味に応じ、BAR(会計)、ISC(監査)、TCP(税務)の3科目から1科目選べます。
USCPAの選択科目のおすすめ(2024年現在)
- BAR(会計):新出事項がなく、対策しやすいのでおすすめ
- ISC(監査):新出事項が多く、対策しやすいので避けた方がいい
- TCP(税務):米国在住者や税務がしたいのでなければおすすめしない
詳しくは、新USCPA試験での選択科目の選びかたを参考にしてください。
必須科目と選択科目の関係は、以下のようになります。
必須科目 | 選択科目 | |
会計 | FAR | BAR |
監査 | AUD | ISC |
税務 | REG | TCP |
会計・監査・税務の3分野で、必須科目の延長に選択科目があると考えてください。
選択科目の方が必須科目より専門的な内容が出題されます。
必須科目と選択科目は、内容が重複します。
よって、実質的には会計(FAR)・監査(AUD)・税務(REG)の3科目に近いと考えてください。
(2)ACCAの試験科目は13科目でレベルが異なる
ACCA試験の試験科目は、全15科目の中の13科目です。
各科目が、基礎知識レベル(初級)・基礎スキルレベル(中級)・戦略的専門レベル(上級)の3つのレベルのどれかに該当します。
ACCAの試験科目(11科目必須+4科目から2科目選択)
基礎知識(Applied Knowledge):3科目必須
- BT(Business and Technology):ビジネスとIT環境
- MA(Management Accounting):管理会計
- FA(Financial Accounting):財務会計
基礎スキル(Applied Skills):6科目必須
- LW(Corporate and Business Law):会社法と商法
- PM(Performance Management):業績管理
- TX(Taxation):税法
- FR(Financial Reporting):財務報告
- AA(Audit and Assurance):監査と保証業務
- FM(Financial Management):財務管理
戦略的専門(Strategic Professional):2科目必須+4科目から2科目選択
2科目必須
- SBR(Strategic Business Reporting):戦略的事業報告
- SBL(Strategic Business Leader):戦略的事業リーダー
4科目から2科目選択
- AFM(Advanced Financial Management):上級財務管理
- AAA(Advanced Audit and Assurance):上級監査と保証業務
- ATX(Advanced Taxation):上級税法
- APM(Advanced Performance Management):上級パフォーマンス管理
USCPAのようにザックリと分類してみます。
会計・監査・税務・管理の4分野で、基礎知識レベル(初級)・基礎スキルレベル(中級)・戦略的専門レベル(上級)に分かれていると考えるとシンプルですね。
基礎知識レベル | 基礎スキル | 戦略的専門 | |
会計 | FA | FR | SBR |
監査 | AA | AAA | |
税務 | LW、TX | ATX | |
管理 | MA、BT | PM、FM | SBL、AFM、APM |
たとえば会計であれば、以下のようにレベルが分かれています。
- FA(Financial Accounting):会計の基本原則と概念 →初級
- FR(Financial Reporting):IFRSに基づく財務報告と財務諸表分析 →中級
- AFM(Advanced Financial Management):財務管理の高度スキル →上級
戦略的専門の選択科目については、必要となる計算力・英語力を考慮すると、おすすめの科目は以下のようになります。
ACCAの選択科目のおすすめ
- AFM(上級財務管理):日本の実務で活用しやすい、おすすめ
- AAA(上級監査と保証業務):英語力必要、監査がしたい人以外はすすめない
- ATX(上級税法):英国税法で難しいため、あまりおすすめではない
- APM(上級パフォーマンス管理):難しい計算力・英語力不要、おすすめ
4.ACCAは科目免除制度あり(USCPAは8科目免除)
USCPAは科目免除制度はないのですが、ACCAは科目免除制度があります。
USCPA | ACCA | |
科目免除制度 | 科目免除なし | 科目免除あり(USCPAなら8科目も免除に) |
(1)USCPAは科目免除制度はなし
USCPAは科目免除制度はないです。
(2)ACCAは資格や大学の専攻により科目免除になる
ACCAは科目免除制度があります。
取得した資格や大学の専攻(会計学部・商学部など)で、何科目免除になるか違います。
①取得した資格で科目免除に!
今まさに比較しているUSCPAであれば、なんと8科目も免除になります!
13科目中8科目って、すごいですよね。
USCPAの科目免除:8科目
基礎知識:3科目必須
- BT:ビジネスとIT環境
- MA:管理会計
- FA:財務会計
基礎スキル:6科目必須
- LW:会社法と商法
- PM:業績管理
- TX:税法
- AA:監査と保証業務
- FM:財務管理
基礎知識3科目と基礎スキル6科目のうちFR以外の5科目が科目免除です。
とはいえ、基礎知識と基礎スキルの科目が免除になるだけですので、簡単な科目がスキップになるだけ。
専門的専門科目は免除になりませんので、全科目合格は簡単ではないでしょう。
②大学の専攻次第で科目免除に!
たとえば、日本の大学で商学部卒業だと、基礎知識レベル(BT・MA・FA)の3科目が免除になったりします。
ACCAサイトの科目免除算出(Exemptions Calculator)にて、どの科目が免除になるのかわかります。
例として、慶応義塾大学2020年卒、会計学専攻だった場合の科目免除を算出してみました。
慶応義塾大学2020年卒、会計学専攻だった場合の科目免除:4科目
基礎知識レベル(Applied Knowledge)
- BT(Business and Technology):ビジネスとIT環境
- MA(Management Accounting):管理会計
- FA(Financial Accounting):財務会計
基礎スキルレベル(Applied Skills)
- LW(Corporate and Business Law):会社法と商法
以上4科目が科目免除として算出されました。
どの国の、どの大学の、どの専攻かで、どの科目が免除になるのか異なります。
自分の場合はどうなのか試してくださいね。
- USCPAは科目免除なし。
- ACCAは科目免除あり。
- だから、USCPAよりACCAの方がいいというわけではないと思います。
- USPCAに合格してから、ACCAも気になるなら、科目免除を使ってACCAにも挑戦するのがいいのではないでしょうか。
5.科目合格の有効期間はUSCPAの方がACCAより短い
科目合格実績は、USCPA(米国公認会計士)は30ヶ月か36ヶ月、ACCAは無しか7年であり、USCPAの方が短いです。
USCPA | ACCA | |
科目合格実績の有効期間 | 最初の合格科目のスコアリリースの日から30ヶ月か36ヶ月(出願州による) |
|
(1)USCPAは科目合格実績が30ヶ月で失効
USCPAは出願州によって異なるのですが、30ヶ月で科目合格実績が失効します。
2024年からの新試験で、これまで18ヶ月だった失効期間が長くなりました。
18ヶ月から30ヶ月(または36ヶ月)と大幅に長くなったので、そこまで焦る必要はなくなりました。
とはいえ、新試験に伴い、2024年中は特に受験できる期間に制約があるので、のんびりはできません。
(2)ACCAは上位科目は7年で失効、基礎科目は失効なし
ACCAは科目によって異なるのですが、上位科目であっても7年も科目合格実績が失効しません。
かなり長いですね。
基礎科目は失効がないので、日本の税理士と同じですね。
6.記述問題はUSCPAは出題なし、ACCAは出題あり
出題形式は、USCPA(米国公認会計士)は、英文ライティングがなく、ACCAはあります。
USCPA | ACCA | |
出題形式 | コンピュータベースの試験
記述問題(ライティング)は2024年からなし 各科目4時間 |
コンピュータベースの試験
各科目2時間から4時間 |
(1)USCPAは新試験から英文ライティングがなくなった!
USCPAは、コンピュータベースの試験です。
USCPAの出題形式
- 選択問題(四択問題):専門用語タイプ、計算タイプ
- 事例形式問題:実践的な問題
基本的には、選択問題が50%、事例形式問題が50%。
選択問題は四択で、専門用語タイプの問題と計算タイプの問題に大きくは分かれます。
事例形式問題は、実務に即した実践的な問題が出題されます。
各科目4時間で、長丁場の試験です。
問題数が多いため、時間配分が大事。
USCPA試験では、BECというビジネス科目で英文ライティング(WC問題)がありました。
ですが、2024年からの新試験でBECという科目がなくなり、英文ライティングの問題もなくなりました。
今まで、BECという科目の英文ライティングのせいでなかなか合格できず、撤退せざるを得なかった受験生がいました。
日本人のUSCPA受験生にはハードルが高かった英文ライティングがなくなったので、USCPAは挑戦しやすくなっています!
英文ライティングは、採点が難しいとのことでいったんなくなりましたが、復活させる見込みです。
よって、英文ライティングが得意ではないなら、今がチャンスです。
(2)ACCAは英文ライティング問題があるのがネック
ACCAも、コンピュータベースの試験です。
ACCAの出題形式
- 選択問題:選択肢問題、数字入力問題
- マルチタスク問題:応用的な問題
- 記述問題:計算問題、レポート・メールライティング問題
選択問題は、いくつかの選択肢の中から正解を選ぶ問題と、数字をボックスの中に入れる問題に大きくは分かれます。
マルチタスク問題は、応用的な問題で、問題文を読み、いくつかのタスクに答える形式です。
記述問題は、ExcelかWordで記述していく形式で、計算問題(財務諸表を書くなど)と上司にレポート・メールを書くような問題。
戦略的専門科目になると、記述問題のみとなります。
試験時間は、科目によって異なります。
ACCAの試験時間
- 基礎知識科目:2時間
- 基礎スキル科目:2時間または3時間
- 戦略的専門の必須科目:3時間15分か4時間
- 戦略的専門の選択科目:3時間15分
ACCAは英文ライティング問題があります。
とはいえ、USCPAの英文ライティング問題と同じで会計の試験ですので、英語に神経質になる必要はないでしょう。
ですが、まったくの対策なしというのはやめた方がよく、受験前に模試を受けるなどし、英文の添削は受けた方がいいですね。
7.出題言語はUSCPAもACCAも英語のみ
出題言語は、USCPA(米国公認会計士)もACCAも、英語のみです。
USCPA | ACCA | |
出題言語 | 英語のみ | 英語のみ |
(1)USCPAもACCAも英語受験のみ
USCPAもACCAも英語でのみ受験可能なのですが、日本で受験できるので日本語で受験可能なのかという問い合わせをいただきます。
ですので、念のため明記しておきます。
(2)日本語受験が可能な国際資格はある
USCPAに関しては、よく日本語で受験できるか質問をいただくのは、おそらく他の国際資格だと日本語受験ができたりするからだと思います。
たとえば、CIAという内部監査資格は、日本語でも英語でも受験できます。
また、IFRS検定というIFRS(国際財務報告基準)の試験も、日本語で受験できます。
8.会計基準はUSCPAはUSGAAP、ACCAはIFRS
出題会計基準は、USCPAはUSGAAP(米国会計基準)で、ACCAはIFRS(国際財務報告基準)です。
USCPA | ACCA | |
出題会計基準 | USGAAP(米国会計基準) | IFRS(国際財務報告基準) |
(1)USCPAはUSGAAP(米国会計基準)が出題
USCPAは米国の公認会計士資格なので、USGAAPが出題されます。
(2)ACCAはIFRS(国際財務報告基準)が出題
ACCAは英国の公認会計資格なので、IFRS(国際財務報告基準)が出題されます。
補足:IFRSを勉強したいからACCAがいい?
IFRS(国際財務報告基準)を勉強したいから、USCPAよりACCAがいいのではないかという声を聞きます。
結論から言うと、会計基準の違いで資格を選ばなくていいと思います。
IFRSを勉強したいからACCAがいいとは限らない
- USGAAPもIFRSも大きな違いがない。
- IFRSが学びたいだけなら、ACCAだとtoo muchで、IFRS検定がオススメ。
- 英語で会計が理解できる証明として国際資格が必要なら、ACCAより認知度のあるUSCPAの方がオススメ。
- つまり、国際資格とIFRS知識の両方がほしいなら「USCPA+IFRS検定」がオススメの組み合わせとなる。
- さらに、修士号という学位とIFRS知識もほしいなら「USCPA+ロンドン大学修士」という選択もある。
①USGAAPもIFRSも大差なし
実は以前は、USCPA試験でもIFRSが出題されていました。
それが、2021年からIFRSは試験範囲から除外に。
除外となったのは、USGAAPとIFRSの主要な差異がなくなったからです。
USGAAPとIFRSの差異はほぼないと考えていいです。
ACCAをオススメしている人は、USCPAはIFRSを出題しなくなった(出題していない)ので、ACCAの方がいいと言っていたりします。
USGAAPとIFRSの差異はほぼないのですから、会計基準の違いを比較論点にするのはナンセンスですよね。
②ACCAではなくIFRS検定でいいのでは?
ACCAまで手を出さなくても、IFRS検定でいいかもしれません。
ACCAとIFRS検定を比較するとこのようになります。
ACCA | IFRS検定 | |
受験資格 | 専門学校や大学卒業 | 希望者は誰でも受験可 |
受験場所 | 自宅受験可能 | 自宅受験 |
試験科目 | 13科目
会計、監査、税務、管理などが出題 |
1科目
IFRS(国際財務報告基準)かIAS(国際会計基準)から出題 |
試験形式 | コンピュータ上で解答
|
コンピュータ上で解答
選択問題(四択問題)のみ |
試験時間 | 各科目2時間から4時間 | 2時間 |
試験言語 | 英語での出題 | 日本語または英語での出題 |
合格基準 | 50点以上 | 正答率60%以上 |
ACCAは英語で受験しなくてはなりませんし、受験科目は13科目あり難易度が高いです!
IFRS検定もACCAもIFRS(国際財務報告基準)という共通点がありますが、IFRS検定はIFRS自体が問われ、ACCAは会計科目の会計基準がIFRSです。
純粋にIFRSだけが学べるIFFRS検定で十分だと思いますよ。
特に、英語でIFRS(国際財務報告基準)が学びたいわけでも、監査法人で監査や税務に携わりたいというわけではない場合。
IFRS検定とACCAのレベルは全く違います。
IFRSを学びたいからと言う理由でACCAに手を出すのはToo muchでしょう。
特に海外で働く予定がない場合、日本ではIFRS検定で十分です。
こんな方はACCAよりIFRS検定でいいでしょう。
ACCAではなくIFRS検定でいい方
- 会計と英語のスキル「会計×英語」をアピールする必要がない方
- IFRSの知識を身につけたい方
- 海外で働く予定がない方
IFRS検定についての詳細は、こちらを参考にしてください。
ちなみに、以前はBATIC(国際会計検定)というIFRSの試験(しかも英語で出題)がありましたが、2022年11月に廃止となってしまいました。
BATICについては、こちらを参考にしてください。
③USCPA合格後にACCAに挑戦すると科目免除あり
それでもIFRSの勉強がしたくて、ACCAに挑戦したいという場合。
USCPA合格後に、ACCAに挑戦するのをおすすめします。
USCPAであれば、ACCA試験の科目免除があるんですよ。
13科目中8科目も科目免除なのは大きいですよね!
もし、「USCPAとACCAのダブル」にしたいなら。
まずUSCPAから挑戦しましょう!
④USCPA+IFRS検定がベストな選択では?
結局のところ、英語力と会計知識が証明できて、転職の際にも評価されたいし、IFRSの知識も身につけたい!という場合、USCPAとIFRS検定の組み合わせがベストでしょう。
どこがおすすめするベストな選択
USCPA+IFRS検定
実はどこも、USCPA合格後すぐにIFRS検定の勉強をしました。
BIG4監査法人に転職したのですが、BIG4でIFRSプロジェクトにアサインされ、IFRSの勉強をする必要性が発生したからです。
しっかりIFRSを学ぼうと思ったので、アビタスのIFRS検定講座を受講しました。
ちなみに、IFRS検定講座を開講しているのは日本ではアビタスだけです。
独学よりも深く理解できて、IFRSプロジェクトで困らなかったので、受講してよかったです!
⑤USCPA+ロンドン大学修士号という選択肢もあり
USCPAであれば、ロンドン大学修士プログラムに、試験が免除で入学できます。
よって、もしも修士号という学位とIFRS知識がほしい場合は、USCPAにまず合格し、それからロンドン大学修士プログラムを受けるという選択肢も考えられます。
「USCPAとロンドン大学修士号のダブル」にしたいなら。
まずUSCPAから挑戦しましょう!
USCPAにロンドン大学の会計学修士プログラムについては、こちらを参考にしてください。
9.合格率はUSCPAもACCAも50%くらい
合格率は、USCPAもACCAも50%くらいです。
USCPA | ACCA | |
合格率 | 50%くらい
合格基準は75点 |
50%くらい
合格基準は50点 |
(1)USCPAの合格率は50%くらいで高め
USCPAの合格率は平均すると50%くらいです。
たとえば、2023年の累積の科目別の合格率はこのようになります。
2023年累積の科目別合格率
- FAR:42%
- AUD:47%
- BEC:47%
- REG:58%
USCPAの合格率は高めなので簡単だと誤解されがちです。
ですが、合格率はどれだけの受験生が、どれだけしっかり準備できたかを示すものであり、どれけ簡単なのかを示すものではありません。
USCPAは受験資格が厳しめであり、会計の勉強を大学院などでしてきたネイティブが受験します。
そんなハイレベルな受験生ですら2人に1人不合格になると考えると、難しい試験と言えますね。
USCPA試験の合格率については、こちらを参考にしてください。
(2)ACCAの合格率も50%くらいで高め
ACCAの合格率も50%くらいです。
たとえば、2023年12月の合格率はこの表になります。
2023年12月の科目別合格率
基礎知識レベル
- BT:85%
- MA:68%
- FA:69%
基礎スキルレベル
- LW:78%
- PM:42%
- TX:54%
- FR:48%
- AA:41%
- FM:48%
戦略的専門レベル
- SBR:50%
- SBL:52%
- AFM:45%
- AAA:34%
- ATX:49%
- APM:34%
科目によっては80%超だったりします。
ただし、戦略的専門レベルの選択科目2科目は、合格率は30%代で難関。
ACCAの合格率は、以下を参考にしてください。
Pass rates for ACCA qualifications | ACCA Global
補足:USCPAとACCAの難易度は?
USCPAもACCAも落とすための試験ではなく、絶対評価の試験です。
十分に準備して、本番でもよくできれば、全員が合格となります。
ちなみに、日本の公認会計士試験は、相対評価の試験で、合格者の数が決められています。
合格基準はUSCPAは75点、ACCAは50点です。
基本的な問題が解ければ合格となり、高得点を狙う必要はないことに留意してください。
難易度というと難しいのですが、USCPAもACCAも絶対評価の試験ですし、英語で受験するという点も同じですので、難易度は同程度だと思います。
USCPAもACCAも、実践的な会計スキルが試されますし、問われるスキルも日本の公認会計士と比べたらかなり近く感じます。
10.勉強はUSCPAは学校、ACCAはオンラインコース
勉強法は、USCPAはUSCPA予備校を利用するのが一般的、とACCAはオンラインコースで独学するのが一般的です。
USCPA | ACCA | |
勉強方法 | USCPA予備校を利用 | オンラインコースで独学 |
勉強教材 | 日本語の教材あり | 日本語の教材なし |
勉強仲間 | 日本で勉強している人は多い | 日本で勉強している人は少ない |
情報交換 | 情報交換しやすい環境 | 情報交換できる環境にない |
(1)USCPAはUSCPA予備校を利用
USCPAの勉強方法ですが、独学は難しいので、USCPA予備校を利用すると考えて良いでしょう。
USCPAの独学が難しいのは、以下の2点によります。
USCPAで独学が難しい理由
- USCPAを受験するには、学位要件と単位要件を満たす必要があるが、この単位要件が独学で満たすのは難しい。
- 日本語で勉強できる教材が市販されていない。
通常、ほとんどのUSCPA受験生は、受験を決めた時点では単位要件(一定の会計単位とビジネス単位)が満たせていません。
よって、USCPA予備校が提携している米国の大学の単位を取得することになります。
独学では、足りない単位を取得することがほぼ不可能です。
そのため、ほとんどの受験生はUSCPA予備校を利用することになります。
また、米国の受験生用の英語の洋書教材は市販されていますが、日本語の教材は市販されていません。
よって、自分で教材を購入して独学するのは難しいです。
現時点では、アビタスというUSCPA予備校が、日本のUSCPA予備校としてはシェアNo.1です。
一度アビタスのUSCPAセミナー(参加料無料)に参加してみてくださいね。
(2)ACCAはオンラインコースで独学
ACCAの勉強方法ですが、USCPAのように日本語で利用できる予備校はありません。
よって、オンラインコースを受講したり、テキストを購入することになります。
ちなみに、ACCAはUSCPA以上に英語力が必要となります。
よって、インプットから英語でやり、アウトプットも英語でガリガリやらないと合格できない印象。
①ACCAのオンラインコース
よく受講されているACCAのオンラインコースは、以下の2つです。
ACCAのオンラインコース
Udemyは、1万円台から受講可能です。
30日間返金保証が付いているも安心ですね。
Open Tuitionは、完全に無料です。
講義ノート・講義動画、練習問題、模試などが公開されています。
ただし、試験範囲を完全に網羅されているというわけではありません。
Applied knowledge(基礎知識)レベルまでならこれだけでも合格できるでしょう。
それ以上のレベルとなると、これだけでは厳しい印象。
②ACCAのテキスト
ACCAが承認しているテキストは、以下の2つです。
英国のKaplan社かBPP社のどちらの教材も、ACCAが認めています(ACCAサイトを見るとわかります)。
世界中のACCA受験生が利用しています。
Kaplan社とBPP社のどちらの教材がいいのかというと、どちらでも合格できます。
価格もほぼ変わりませんので、価格で決める必要がないでしょう。
ですが違いはありますので、簡単に比較しておきます。
Kaplan社とBPP社の教材比較
Kaplan社 | BPP社 | |
解説 | シンプルに簡単に解説 | 詳細に深く解説 |
文字の大きさ | 大きい | 小さい |
例題のレベル | 本番より簡単 | 本番のレベル |
Kaplan社の教材の方がシンプルで理解しやすいです。
ただ、本番より簡単な例題が載っているので、簡単な科目はKaplan社の教材でいいかもしれませんね。
BPP社の教材は難しく網羅的です。
ただ、本番レベルの例題が載っていますし、問題演習後の復習で参照しやすいので、難しい科目はBPP社の教材の方がいいかもしれませんね。
Kaplan PublishingのACCAテキストはAmazonで購入できるのがいいと思います。
Revision kit や Exam kit といった問題集の購入も必須と考えていいでしょう。
11.必要な勉強時間はUSCPAよりACCAの方が長い
勉強時間については、USCPAは1,000時間から1,500時間、ACCAは1,500時間から2,000時間くらいと言われています。
USCPA | ACCA | |
勉強時間 | 1,000時間~1,500時間 | 1,500時間~2,000時間 |
勉強期間 | 1年~1.5年 | 1.5年~2年 |
(1)USCPAは1,000時間から1,500時間の勉強時間
USCPAは、1,000時間から1,500時間の勉強が必要でしょう。
週20時間の勉強をする場合。
1年で1,000時間、1.5年で1,500時間の勉強時間が満たせることになります。
USCPAの勉強時間
- 平日2時間×5日=10時間/週
- 週末5時間×2日=10時間/週
20時間×50週=1,000時間
USCPAの科目別の勉強期間:12ヶ月(1年)
- FAR:5ヶ月
- AUD:2ヶ月
- REG:3ヶ月
- 選択科目(BAR・ISC・TCP):2ヶ月
もちろん、毎日もっと勉強時間の確保ができれば、もっと早く合格可能です。
また、もともとの英語力と会計知識によって、勉強時間が異なります。
TOEIC700点以上、簿記2級を持っていれば、1年1,000時間の勉強で合格に達すると考えています。
英語力があまりない場合や、全く簿記の知識が無い場合は、さらに1,500時間くらいはかかると覚悟した方がいいでしょう。
(2)ACCAは1,500時間から2,000時間の勉強時間
ACCAは、1,500時間から2,000時間の勉強時間が必要と考えられます。
ただし、受験日が3ヶ月に1度であり、試験科目が13科目もあるため、3年くらい(36ヶ月くらい)の勉強期間を見込んだ方がよいでしょう。
ACCAの科目別の勉強期間:36ヶ月(3年)
- 基礎知識3科目:3科目×2ヶ月=6ヶ月
- 基礎スキル6科目:6科目×3ヶ月=18ヶ月
- 戦略的専門4科目:4科目×3ヶ月=12ヶ月
補足:ほかの会計資格の勉強時間は?
ほかの会計資格の勉強時間と比較してみましょう。
資格試験 | 勉強時間 |
USCPA | 1,000時間~1,500時間 |
ACCA | 1,500時間~2,000時間 |
日本の公認会計士 | 3,000 時間~5,000時間 |
簿記3級 | 100時間 |
簿記2級 | 300時間 |
簿記1級 | 600時間 |
USCPAは、科目合格実績の有効期限が30ヶ月か36ヶ月ですので、時間をかけて勉強するものではないです。
短期集中で短期合格を目指すものです。
1年くらい勉強に集中して、さっさと合格してしまうのがオススメ!
一方で、ACCAは基礎知識レベル・基礎スキルレベルの科目は、科目合格実績の有効期限がなく、戦略的専門レベルは7年です。
よって、薄く長く合格を目指せます。
科目数が多いため、USCPAよりも時間をかけて、長期スパンで合格することになりますね。
日本の公認会計士は、USCPAのように社会人が、仕事と勉強を両立できるような試験ではないです。
USCPAが週20時間コツコツ1年頑張る感じで、日本の公認会計士は週50時間2年頑張るようなイメージです。
USCPAは浅く広く、日本の公認会計士は深く広く出題されるので、そのくらいの勉強時間の差が出てしまいますね。
簿記については、1級だけで見ると600時間です。
とはいえ、3級、2級、1級と累積で考えると1,000時間。
USCPAと同じくらいの勉強時間がかかると考えた方がいいですね。
12.資格の活用はUSCPAの方がACCAよりしやすい
USCPA(米国公認会計士)とACCA(英国勅許公認会計士)の活用法の違いです。
USCPA | ACCA | |
資格の認知度 | 米国を含む海外、日本国内で広く知られている。 | 英国圏では知られているが、日本国内では認知されていない |
キャリア | 以下のような転職先が考えられる。
|
日本で働く場合は、以下のような転職先が考えられる
|
(1)USCPAは日本でも海外でも認知度あり
USCPAは、米国の資格とはいえ「公認会計士」で、米国だけではなく、日本国内でも認知度が高いです。
日本の公認会計士と比較し「USCPAはそこまで強い武器にはならない」「USCPAは使えない」とネガティブなことを言う人がいます。
ですが、USCPA合格後に、BIG4大手監査法人にすんなり転職できた経験からすると、USCPAは強力な武器だと思います。
USCPAならば、BIG4大手監査法人で、日本の公認会計士と遜色なく働けます。
また、国内の外資系企業でも、USCPAというだけで、転職時の書類や面接の通過率が大幅にアップします。
「会計×英語」のプロフェッショナルとして、キャリアが大幅に広がるのが、USCPAという資格です。
ちなみに、どこはオーストラリアで会計インターンをしたことがありますが、オーストラリアでも財務部のみなさんは、USCPAでした。
(2)ACCAは日本ではアピールに工夫がいる
ACCAも、英国の「公認会計士」ですが、残念ながら日本国内では認知度がかなり低いです。
監査法人や外資系企業などの求人でも、USCPAは必要な資格・あると望ましい資格に記載されているとしても、ACCAは記載されていることはないです。
USCPAよりACCAの方が資格として優れていないというわけではありませんし、ACCAは監査法人や外資系企業で働けないというわけではないです。
ただ単に、ACCAは認知度がないだけです。
「ACCAって何?」「難しい資格なの?」「USCPAより難しいわけ?」などと疑問を持たれてしまいます。
どこにACCAについて問い合わせてくる方も、ACCAではなく「ACAA」と名前から間違っていたりしますし(ACCAのことだとわかるので大丈夫です)。
どこがBIG4監査法人で働いていた時も、USCPAはたくさんいましたが、ACCAは一人もいませんでした(ただし、英国から来ていた外国人スタッフを除く)。
ACCAという資格を武器に転職活動をする場合、IFRS(国際財務報告基準)の知識があることをアピールする必要があるでしょう。
IFRS適用済み会社や、IFRS適用の海外子会社を持つ会社などでは高く評価される可能性があります。
日本でIFRS適用済みの会社は、大企業が多いです。
また海外子会社を持つ会社も、基本的には大企業でしょう。
ですので、大企業の経理に応募したい場合は、ACCAも十分に武器になると考えます。
- 資格は評価され活かしてナンボだと思います。せっかくなら認知度の高い資格を取った方がいいと思いますよ。
- たとえば、英語の試験だったら、英検やTOEICが有名ですよね。たとえばGTECと言っても知らない人がほとんどで、評価しようがないと思います。
- 認知度で挑戦する資格を決めるのは重要だと思いますが、どう思いますか。
まとめ:USCPAとACCAのどっち?USCPAがオススメ
USCPA(米国公認会計士)と ACCA(英国勅許公認会計士)の違いは理解できましたか。
USCPAとACCAの比較から、どちらにチャレンジしたいと思いましたか。
USCPAは米国の公認会計士、ACCAは英国の公認会計士です。
日本でも海外でも、会計・監査・税務に関する業務で高く評価されます。
監査法人や事業会社に転職する際に、プラスになります。
ただし、日本人受験生が、英語で受験する会計試験にチャレンジするという場合、USCPAをおすすめします。
それは以下のような理由からです。
日本人にACCAではなくUSCPAをオススメする理由
- USCPAは勉強しやすい
- USCPAの方が勉強時間が少なくてすむ
- USCPAは短期集中でムリなく合格できる
- USCPAの方が認知度があり評価される
- USCPAは相互承認協定で海外でも会計士として働ける
(1)USCPAは勉強しやすい
USCPAの方がACCAより、勉強するための学校、教材、情報、仲間が揃っています。
USCPAならば、アビタスのようなUSCPA予備校を利用すれば、合格に必要な教材とサポート、受講生仲間ができます。
日本語で学習できますし、記述問題(英文ライティング)の出題が2024年の新試験からなくなりました。
ですので、英語力が高くなくてもチャレンジできます。
ACCAだと英語でオンラインコースを受講しなくてはいけません。
学校や教材が揃っていないだけではなく、情報が少なく、仲間も作りにくいです。
英語で学習しないといけないので、会計初心者には特にハードルが高いです。
また、記述問題(英文ライティング)の出題があり、英語力がないとネックになります。
(2)USCPAの方が勉強時間が少なくてすむ
USCPAは1,000時間から1,500時間の勉強時間、ACCAは1,500時間から2,000時間の勉強時間が必要とされています。
科目数も、USCPAは4科目ですが、ACCAは13科目もあります。
USCPAはUSCPA予備校が勉強法を指導してくれますし、受験生同士で情報交換し、効率的な勉強法を取り入れることができます。
ACCAは情報が少ない中、自分で手探りで勉強を進めていくので、自分なりの勉強方法を確立するのにも時間がかかるでしょう。
(3)USCPAは短期集中でムリなく合格できる
USCPAとACCAと試験への取り組み方に違いがあります。
- USCPA:短距離走×4回(4科目)
- ACCA:中距離走
- 日本の公認会計士:長距離走
USCPAは科目合格実績が1科目合格したら、18ヶ月以内に全科目合格する必要がありました。
よって、受験を始めたら短距離走のように走り抜ける必要がありました。
1科目合格したら次の科目と、トントンと受験していく必要がありました。
ACCAをオススメしている人は、USCPAの科目合格実績の有効期間の短さから、USCPAよりACCAがオススメとしていますよね。
ですが、2024年1月からの新試験からは、科目合格実績の有効期間は18ヶ月ではなく30ヶ月(または36ヶ月)になっています。
よって、そこまで焦って合格を目指さなくてもよく、いい感じに全科目合格までの期間を意識して勉強できるようになります。
ACCAは、全科目合格までの期間をそれほど気にしなくていいのは利点です。
ですが、ダラダラと勉強し長期化する心配があります。
(4)USCPAの方が認知度があり評価される
USCPAの方がACCAより圧倒的に認知度があります。
USCPAですら、日本の公認会計士より認知度が低いです。
ですので、ACCAは認知度がほぼないと思っていただいていいです。
どこは、BIG4監査法人の東京事務所で、USCPAとして会計監査の仕事をしていました。
国際部だったので、USCPAがたくさんいて、日本の公認会計士と半々という状態でした。
ですが、ACCAは一人もいませんでした。
BIG4監査法人の会計監査の募集でも、USCPAは募集要項の必要な資格に記載されていても、ACCAは記載されていません。
それは、外資系企業やグローバル企業の経理職などの募集でも同じです。
ACCAはUSCPAよりさらに認知度が低いので、よほどの理由がない限り、わざわざACCAを選ぶ理由はないと思います。
(5)USCPAは相互承認協定で海外でも会計士として働ける
USCPAは日本で認知度があるけど、海外で働きたいとしても、米国でしか通用しないのでは?という声があります。
USCPAには相互承認協定(MRA)があり、米国以外の国でも公認会計士として働けますよ。
米国公認会計士(USCPA)資格の相互承認協定(MRA)
- 相互承認協定(MRA)は、英語では Mutual Recognition Agreements。
- USCPA資格を持っていると、相互承認協定を結んでいる国々で、その国の会計士資格を再取得しなくても、その国の会計士と同じ業務ができる。
- 相互承認協定を結んでいる国々の会計士は、米国でUSCPAと同じ業務ができる。
USCPAが公認会計士として働ける国は、以下のようになります。
USCPAの相互承認協定がある国
- カナダ
- メキシコ
- 南アフリカ
- オーストラリア
- ニュージーランド
- アイルランド
よく、オーストラリアで将来働きたいという方から、USCPAかACCAか相談をいただくのですが、USCPAはオーストラリアでも公認会計士として働けます。
米国公認会計士(USCPA)の相互承認協定(MRA)については、こちらを参考にしてください。
- USCPAの方がACCAよりオススメ。
- どうしてもACCAが気になる場合は、USCPA合格後にACCAに挑戦すれば、13科目中8科目免除になる。USCPA→ACCA
- どうしてもIFRSが学びたい場合は、USCPA合格後にIFRS検定に挑戦するのでも十分かもしれない。USCPA×IFRS検定
- IFRSで学び修士号という学位もほしいなら、ロンドン大学会計学修士プログラムに挑戦するといい。USCPA×ロンドン大学修士号
I以上、「USCPA(米国公認会計士)とACCA(英国勅許公認会計士)徹底比較!どっちがいい?」でした。
比較した結果、日本で監査法人か外資系企業に転職し高収入を目指したいから、USCPAに挑戦しようと思う。
でも、認知が高く勉強しやすいのはUSCPAなので、英国で働くなど何か強い理由がない限り、ACCAよりUSCPAをおすすめするよ。
IFRS(国際財務報告基準)が学びたいということなら、USCPA合格後にIFRS検定などの勉強をすればいいね。
USCPAならACCAも13科目中8科目を科目免除にできるから、どちらにしても、まずはUSCPAに挑戦するのがいいと思うよ。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。