BECのWC(Written Communication :記述式問題)は、英語のライティングが苦手だから、どう対策すればいいのかわからなくて困ったな。
BECだけWC(記述式問題)が出題されるけど、日本人のUSCPA受験者の中には、苦手としてしまっている人も多いようだね。
どのようにWCの対策をしたらいいのか悩むよね。
まず、WCはどのような問題が出題され、どのように解答すれば良いかを理解し、次に、WCの勉強法を見ていくことにしようね。
2024年1月開始の新USCPAからBECという科目はなくなりました。
そして、BECで出題されていたWritten Communication(WC)問題もなくなりました。
しばらく参考までに当記事は残しておきます。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かし方やUSCPA短期合格のコツも記載しています。
まだUSCPAの勉強を始めていない場合は「USCPAの始めかた」も参考にしてください。
Written Communication(WC)問題って?勉強法は?
USCPA受験生の方から、「英語が苦手で、BECのWC(Written Communication: 記述式問題)ができなくて困っている」とのご相談を受けます。
USCPA予備校のWC対策はこなしたけれどWCができるようにならないし、USCPA予備校のWC対策以外に、どのようにWCの勉強をしたらいいのかわからないとのことです。
実は、どこは、USCPA予備校が提供しているWC対策だけでどうにかしてしまったのですが、それだけでは無理とのことで、どうしたらいいか考えました。
アメリカ人のUSCPA合格者が発信している動画を色々と観ました(日本人のUSCPA合格者が発信していることは、あまり参考にならないため)。
その結果、アメリカ人のUSCPA合格者のWC対策には、共通点があることが分かりました。
アメリカ人のUSCPA合格者によるWC対策のアドバイスの共通点をまとめてご紹介することにします。
さらに、日本人のUSCPA受験者はどのようにWCの勉強をすればいいか、勉強法にも言及していきます。
1.Written Communication(WC)問題って?
初めに、WCの概要をお話します。
WCが出題されるのは、BECのみです。
BECのみ、MC(4択問題)とTBS(総合問題)以外に、WC(記述式問題)が出題されます。
WCの特徴を挙げると、以下の5つになります。
WCの特徴
- WCのスコア比重は15%である(MCQ:50%、TBS:35%、WC:15%)。
- WCは、5番目(最後)のテストレットで3問出題される。3問のうち1問は、Pretest Question(採点されない問題)である。
- WCは、コンピュータの自動採点である。
- 合格を左右するような点数の場合のみ、人(CPA)が個別に読んで採点する。
(1)WCのスコア比重は15%
WCは、日本人のUSCPA受験者たちが苦手としがちですが、BECのスコアに占める比重は15%もあります。
全く何も書けないと、84点中75点以上を取る感じになってしまい、合格から遠ざかってしまうでしょう。
(2)WCで出題される3問のうち1問は採点されない
WCは、テストレット5で3問出題されます。
3問のうち1問は採点されません。
どれが採点されないかは試験中にわかりませんので、3問とも解答する必要があります。
採点されないと問題を予測して、白紙で終えるのはやめましょう。
(3)WCは、コンピュータの自動採点
WCは、コンピュータの自動採点です。
よって、コンピュータが「正しい」と判断するような書き方ができれば、高いスコアが出せます。
コンピュータの自動採点とはいえ、精度が高いので、単にキーワードを羅列しても高いスコアは出せません。
きちんとした構成で質問に答え、キーワードを入れつつ理由を補足し、ある程度のボリュームがあれば、高いスコアが出せます。
(4)合格を左右する点数の場合、人(CPA)が採点
WCは、通常はコンピュータの自動採点ですが、合格を左右する点数の場合(73点とか、74点?)、人が個別に読んで採点すると言われています。
CPAの有資格者が読んで判断することになり、複数のCPAで読み、平均値がスコアに採用されます。
よって、ライティングがあまり得意ではない場合は、合格を左右する点数(73点とか74点?)にならないように、少し余裕のある点数を取るようにした方がいいかもしれません。
2.Written Communication(WC)の出題設定は?
WCの出題設定についてご説明します。
以下の4点から考えるとわかりやすいです。
WCの出題設定
- あなたは誰で、誰に書くのか?
- 何を書くのか?
- 何のために書くのか?
- どのように書くのか?
(1)あなたは誰で、誰に書くのか?
以下のような立場で、以下のような人に宛てて文章を書くことが求められます。
あなたは誰(Who)で、誰に(To Whom)書くのか?
- 監査人・CPA・コンサルタントとして、クライアントに書く
- 監査人・経理担当者として、上司に書く
- 経験が長い監査人(Senior)として、自分より経験が浅い監査人(Junior)に書く
- 経理担当者として、他のスタッフに書く
(2)何を書くのか?
以下の2つの文書どちらかについて、文章を書くことになります。
何(What)を書くのか?
- ビジネスメモ(Business Memorandum)
- ビジネスレター(Business Letter)
(3)何のために書くのか?
何のために書くかについては、主に3つに分かれるでしょう。
何のために(For What)書くのか?
- 問題を解決させるため:問題は?→原因は?→解決策は?
- 機能を説明するため:定義は?目的は?→メリットは?→条件は?
- AとBを比較するため:AとBの概要は?→Aの特徴は?Aのメリット・デメリットは?Aの条件は?→Bの特徴は?Bのメリット・デメリットは?Bの条件は?
(4)どのように書くのか?
以下のように書くといいでしょう。
どのように(How)書くのか?
- 問題の状況に関連するように
- 論理的に
- フレンドリーな調子で良いが、プロフェッショナル感は出して
- その文書を読むのが会計の専門家ではない場合は、あまりにもテクニカルすぎないように
以上、BECのWCで、あなたは誰で、誰あてに、どのような文書を、何のために、どう書くかが分かったと思います。
WCって結局?
クライアントや同僚にアドバイスできる立場で、①問題解決、②機能説明、③比較のために、①メモ、または、②レターを、専門知識を用いて論理的に書く。
アメリカ人のBEC合格者の多くが言っていたのは、「きちんとした構文で書くことの大切さ」でした。
「High Schoolでライティングの勉強をしたと思うけど、そんな感じで、きちんとした構文で書かないといけないよ」などと言っていました。
アメリカ人でも、このようなきちんとしたビジネス文書を書くのは難しいようです。
日本人がネイティブではないからWCが苦手なのかと思いましたが、ビジネス文書が難しいのはアメリカ人でも同じなようです。
WCって結局?
- あなたがCPAになったら、専門的なビジネス文書を書いて、問題や懸念を伝える必要があるでしょう。
- なので、専門的なビジネス文書がきちんと書けるかどうかテストします!
- 小説や詩を書くわけではないので、フワフワとした・鮮やかで・独創的な文章が書けるようになる必要はありません。
3.Written Communication(WC)はどう解答する?
WCの解答はどのようにしていくのかご説明します。
WCの解答は?
- WCの解答の手順
- WCの解答の構成
(1)WCの解答の手順
アメリカ人のBEC合格者が、WCを解答する手順について分かりやすく説明をしていたので、それを参考にします。
WCを解答する手順
- 何が求められているかを理解するために、与えられた状況を注意深く読む。
- 求められていることに答えるため、書くべきアイデアを考える(アイデアは2つか3つにする)。
- アイデアに基づいて文章を作る。
- 1段落につき1アイデアとして、それぞれのアイデアに関する文章を1つの段落にまとめていく。
- 自分が書いた解答を上から下まで通して読み、修正が必要なら直す。
- スペルチェック機能で、スペルミスがないか確認する(スペルチェック機能は過信せず、自分の目でも要確認)。
アメリカ人の合格者のアドバイスで多かったのは、意外にも、「書き始める前に、深呼吸をしなさい。(Take a deep breath.)」でした。
慌てて書き始めないで、まずは落ち着くようにとのことですね。
そして、WCの解答についてのアドバイスの共通点は、以下となります。
WCの解答についてのアドバイス
- 何を書くかブレーンストーム(Brainstorm)する。
- 2つか3つのアイデアを決める。
- 1アイデアにつき1段落とし、それぞれの段落の最初の1文(かなめとなる文)を書く。
- アウトラインを決める。
- 肉付けしていく。
WCの解答
一人会議をして、どんなアイデアを書くか決めて、そのアイデアを1文で書き、話の展開を決めたら、あとは情報を足していく。
(2)WCの解答の構成
そして、WCの解答の構成ですが、以下のようにします。
WCの解答の構成
- 導入(Introduction):1段落
- 本論(Body):2~3段落
- 結論(Conclusion):1段落
だらだらと書いてはいけません。
きちんと、導入・本論・結論というパラグラフ構成で解答する必要があります。
4.Written Communication(WC)の注意点は?
WCの注意点についてもご説明します。
アメリカ人のBEC合格者が言っていた共通点を参考にします。
WCの注意点は?
- WCの内容に関する注意点
- WCの文章に関する注意点
(1)WCの内容に関する注意点
まずは、WCの内容に関する注意点です。
WCの内容に関する注意点
- トピックと関係なかったり、明らかに違法なアドバイスだとスコアは得られないこと。
- 出題される3問のうち1問は、Pretest Question(採点されない問題)である。通常、一番難しいのがPretest Questionと言われているので(注:本当かは不明)、一番最初に3問すべてを確認し、一番簡単だと思う問題からとりかかること。
- 減点方式なので、自信がないことを書いたり、不必要なことをダラダラ書くと、スコアが下がる可能性が高まること。
- 内容よりも、作文スキルが重要視される。トピックから外れていなければ、ある程度のスコアが取れること。
- 本論だけを書くのではなく、導入→本論→結論という構造で書くのが高得点を取るために必要なこと。
(2)WCの文章に関する注意点
つぎに、WCの文章に関する注意点です。
WCの文章に関する注意点
- 文法(三単現のS、be動詞がis?are?、代名詞がit?they?など)
- 句読点(ピリオド、セミコロン、コロン、カンマの使い方)
- 語法(SNSだけで使うような言葉は使わない)
- 大文字(文頭、固有名詞などは大文字)
- スペル(タイプミスなど)
文章を書く際に間違いやすいポイントが挙げられていましたが、中学英語レベルのことだったりして、「ネイティブでも気をつけないと間違えるのね」と驚きました。
よく考えたら、日本人も、日本語の文章を間違えて書いたりしますから、同じですね。
5.Written Communication(WC)の問題例は?
BECのWCの問題例を見ていきます。
AICPAのサンプルテストのテストレット5のWCを参照します。
注:サンプルテストを自分で解きたい方は、解答してから読んでください。
「Memorandum」と書いてあるので、ビジネスメモの問題ですね。
(1)状況の説明と何を書くかの指示
状況の説明と、誰宛てにどんなビジネスメモを作成するのかの指示が書かれています。
状況の説明と、誰宛てにどんなビジネスメモを作成するのかの指示(和訳)
- Copper社の取締役会は、現在、需要の増大に対応するために生産量を増やす選択肢を検討している。
- だが、営業レバレッジを高めることに躊躇している。
- 検討されている選択肢は、以下の2つ。
- ー新しい設備を導入すること
- ー他社に既存の生産を委託すること
- 新たな資産の取得には、追加の資金調達が必要となる。
- 2つの選択肢が、当社の営業レバレッジに与える影響を説明するメモを取締役会宛てに書きなさい。
状況も指示も、簡潔に書かれていて、理解しやすいと思います。
当社は、生産量を増やしたいけど、営業レバレッジは高めたくない。
生産量を増やすための選択肢は2つある。
2つの選択肢が営業レバレッジに与える影響を取締役会に説明しなさい、という指示ですね。
(2)「REMINDER(注意)」
「REMINDER(注意)」も書かれています。
注意(和訳)
- あなたの解答は、技術的な内容とライティングスキルが評価される。
- ー技術的な内容:対象となる人に役立つ情報か、明らかに論点に関連しているか
- ーライティングスキル:専門的な文書における展開、構成、およびアイデアの適切な表現
- 適切なビジネスフォーマットを使用し、「導入、本論、結論」を明確に記載すること。
- 表、箇条書きのリスト、そのほか略した形で情報を伝えないこと。
BECのWCが「Weaker」で困っている方の相談にのると、そもそも、この「REMINDER(注意)」が守れていないことが多いです。
「導入、本論、結論」の構成になっておらず、しかも、箇条書きで書いてしまっていたりします。
それだけがWeakerになっている要因かは分かりませんが、「REMINDER(注意)」に従わないと、高スコアが出ないことは確かでしょう。
WCで使わないこと
- 表
- 箇条書き
- 略した形式
略語については、「PV, Present Value」のように最初にいったん定義をすれば、そのあとは使っても大丈夫だと思います。
ちなみに、AICPAのサイトの「Learn what to study for the CPA Exam(CPA試験のために何を勉強すべきか)」にも、WCについて以下のような記載があります。
- シナリオを読み、そのシナリオに関連した適切な文書を作成する必要がある。
- 指示書には、文書の形式(メモや手紙など)や、焦点が記載されている。
- あなたの回答は、明確で、完全で、プロフェッショナルな文章で、正しい情報を提供する必要がある。
(3)解答例
英語の解答例は、サンプルテストの「Show Sample Response」をクリックすると見られますので、そちらを参照してください。
ここでは、どのように解答すると良いのか理解することを目的としますので、日本語で回答例を書きます。
解答例(英語の解答例は、サンプルテストを参照してください)
導入:状況の説明とメモを書く目的
- 拡大する需要に対応するために、Copper社の取締役会は、2つの選択肢を検討している。
- その選択肢とは、新しい設備を導入して生産能力を高めることと、既存の生産を他の会社に委託することである。
- このメモの目的は、この2つの選択肢が営業レバレッジに与える影響を説明することである。
本論1:営業レバレッジの説明
- 営業レバレッジとは、企業の総費用に対する固定費の割合を示す。
- 固定費のない企業の営業レバレッジは1になり、固定費が増加すると、1より大きな値になる。
- 営業レバレッジが低い企業は、ほとんどが変動費であり、固定費を回収するために大きな販売量を生み出す必要がない。
- だが、販売量が増えても単位当たりの利益率は向上しない。
- 営業レバレッジが高い企業は、高い固定費を回収するために十分な販売量を確保する必要がある。
- 固定費が回収できれば、営業レバレッジが低い企業と比べて、単位あたりの利益率は高くなる。
本論2:1つ目の選択肢(新しい設備を導入して生産能力を高めること)の営業レバレッジへの影響
- 新しい設備を導入し、必要な資金を調達すれば、減価償却費と支払利息が増加する。
- 当社は、減価償却の方法によっては、減価償却費を変動費としても固定費としても扱うことができる。
- 設備を生産数に応じて償却すれば変動費となり、営業レバレッジは高くならない。
- 支払利息は、常に固定費となる。
- 融資期間中は、融資に伴う利息によって営業レバレッジが増加するが、融資が返済されると再び減少する。
本論3:2つ目の選択肢(既存の生産を他の会社に委託すること)の営業レバレッジへの影響
- 既存の生産を他社に委託すると、既存の生産を中止するためのリストラ費用と、契約を委託するための費用が発生する。
- リストラ費用は、重要な検討事項だが、継続的に当社の営業レバレッジに影響を与えるものではない。
- 他社との契約では、固定価格契約、単価契約、またはその両方を組み合わせた契約を検討することができる。
- この3つの選択肢のうち、単価契約は、当社の営業レバレッジを高めることに躊躇している取締役会の意向に沿うものである。
結論:営業レバレッジへの影響のまとめ
- 当社が単価契約の交渉に成功したと仮定すると、検討した2つの選択肢のうち、既存の生産をアウトソースすることが、営業レバレッジへの影響が最も少なくなるということになる。
- 新しい設備を購入するための資金調達は、支払利息という固定費が増えるため、外注するよりも営業レバレッジを高める可能性が高い。
ここまでは時間の関係で書けないとしても、これに近い形で書ければ、高スコアが取れるでしょう。
限られた時間内で書きあげるためには、まず、骨組みとなる文章を書き、それから、補足情報となる文章を足していくことが必要かと思います。
単に上から順番に書いていくと、「導入、本論、結論」の「結論」が書けないまま時間切れになってしまう、といったことになるかもしれません。
また、この問題の場合、営業レバレッジの最低限の知識が必要です。
日商簿記検定1級、中小企業診断士、証券アナリストなどで出題されますし、実務でも使いますので、USCPAと関係なくご存知の方も多いと思います。
単に計算式を暗記するといった学習しかしていない場合、このような財務指標に関するWCが出題された場合は、定義くらいしか書けないかもしれません。
実務で使わない場合は、ネットなどで実例を調べて、理解を深めておくといいと思います。
やみくもに暗記しても、理解して使えなければ、意味がありません。
さらに、英語の解答例を見てください。
導入で「The purpose of this memo is to explain the impact that the two options would have on operating leverage.(このメモの目的は、この2つの選択肢が営業レバレッジに与える影響を説明することである)」とメモを書く目的を明確にしています。
「The purpose of this memo is to explain 目的語」という文は、使いまわせるので、そのまま覚えておくといいでしょう。
サンプルテストについては、以下の記事を参照してください。
6.Written Communication(WC)はどう勉強する?
最後に、WCの勉強法です。
アメリカ人のBECの合格者たちは、CPAレビューコースのWC教材で勉強していると話していましたが、「1つの教材では足りなくて、色々な教材をやった」などと言っている人が数人いました。
どうやら、アメリカ人の受験者も、WCの勉強には苦労しているようです。
CPAレビューコースのWC教材以外で、おすすめされていたのは以下の2つでした(参考までに)。
- AICPAのサンプルテストで練習
- 文法が合っているかを確認するため、Grammarlyというサイトを利用
それでは、日本人の受験者は、どのようにWCの勉強をすればよいでしょうか。
大きく分けると以下の2つプラス1だと思います。
アウトプットの文章を書く練習は、アメリカ人の受験者より多く時間をかけることになると思います。
WCの勉強法
- インプット:論点の理解と暗記
- アウトプット:文章を書く練習
- 補足:文章を書く材料を集める
(1)インプット:論点の理解と暗記
WCの勉強法の1つ目は、インプット、つまり、論点の理解と暗記です。
WC対策テキストなどで、論点の勉強をしていくことになります。
論点を丸暗記をする必要はないですが、MC問題を解きながら、キーワードは英語で言えるようになっておくと効率的です。
また、定義も英語で言えるようになっておくと良いでしょう。
おすすめとしては、マインドマップを論点ごとに書いておくことです。
論点ごとにキーワードを挙げていき、キーワード同士をどんどんつなげてマップを作ります。
論点の理解にもつながりますし、論点の理解ができているので、覚えやすいです。
ちなみに、本番で論点のキーワードが出てこなくなってしまったときも、連想で思いついたワードをマインドマップでつなげていくと、何らかのアイデアが湧いてくるのでおすすめです。
(2)アウトプット:文章を書く練習
WCの勉強法の2つ目は、アウトプット、つまり、文章を書く練習です。
覚えた論点を盛り込みつつ、実際に文章を書いていきます。
実際にパソコンのWordなどでタイピングをしてみると良いでしょう。
ビジネスライティングのスキルを身につけつつ、スムーズに文章が書けるようにしていきます。
文章を書く練習は、以下のようにするといいでしょう。
文章を書く練習の例
- テンプレートを使って、時間をはかって実際に書いてみる
- GrammarlyやWordのeditorで、自分が書いたものにスペルミスや文法ミスがないかチェックする
- 解答例を見て、真似したい表現方法、覚えておきたいフレーズをまとめる
- 上手く書けなかったものは、日本語で書いたものをDeepLの翻訳にかけ、表現を学び(そこまで性能がいいわけではないので、過信はしない)、まとめる
- 隙間時間に、まとめたものを覚える
(3)補足:文章を書く材料を集める
WCの勉強法の補足ですが、文章を書く材料を集めるというのも有効だと思います。
何を書いたらいいのかわからない場合は、以下のように文章を書く材料を集めてみてはいかがでしょうか。
文章を書く材料の収集
- テンプレートを作る
- つなぎの言葉を覚える
- WCで使えそうな言い回しを覚える
- パラフレーズ(言い換え)の技術を身につける
①テンプレートを作る
テンプレートを作るのが、最初のステップかと思います。
テンプレートの例を挙げますが、ご自分でテンプレートを作ると覚えやすいので、あくまでも参考にするだけにしてください。
例:ビジネスレターのテンプレート
Dear CEO,
Thank you for letting me assist you.
(↑挨拶:どんな問題でも同じ)
The purpose of this letter is to explain~.
(↑導入:書いている目的☜質問のフレーズを言い換える。)
- Firstly, (かなめとなる最初の文). (詳細情報や具体例)
- Secondly, (かなめとなる最初の文). (詳細情報や具体例)
- Lastly, (かなめとなる最初の文). (詳細情報や具体例)
(本論:2つか3つのアイデアをキーワードを使って書く)
In your company’s case, ~.
(↑結論:本論を要約、または、かなめとなる文の言い換え)
Should you have any more concerns regarding this matter, please do not hesitate to contact me.
Best regards,
(↑結び:どんな問題でも同じ)
前述のように、WCの問題は、①問題解決、②機能説明、③比較の3つのパターンがあります。
少なくともこの3つのパターンに合わせたテンプレートを用意しておくと、本番の試験で時間の大幅な節約になるでしょう。
WCのテンプレートは、以下の記事を参考にしてください☟
②つなぎの言葉を覚える
つなぎの言葉を使うと、論旨の展開が読み手にわかりやすくなります。
たとえば、次のようなつなぎの言葉があります。
つなぎの言葉
- 時:before, afterなど
- 順序や程度:firstly, basicallyなど
- 比較対象:on the other handなど
- 逆説:despiteなど
- 原因や結果:because of , as a resultなど
- 説明:in other wordsなど
- 追加:in additionなど
- 要約や結論:in summaryなど
③WCで使えそうな言い回しを覚える
英作文というのは、一から考えだすものではなく、使えそうな言い回しを暗記しておき、それを使いまわしていくだけだと考えます。
WCで使いたいと思った言い回しがあったら、ストックしていくと良いと思います。
つなぎの言葉、WCで使えそうな言い回しについては、以下の記事を参照してください。
④パラフレーズ(言い換え)の技術を身につける
質問文に書かれていることについて書く際も、そのまま文言をコピーするのではなく、パラフレーズ(言い換え)するのが望ましいです。
また、日本語英語になることを避けるためにも、パラフレーズ(言い換え)の技術が必要です。
WCのために身につけておきたいパラフレーズについては、以下の記事を参照してください。
以上、「USCPA試験のWritten Communication(WC)問題って?勉強法は?」でした。
まずはテンプレートで型を決めて、あとは使えそうな言い回しを覚えるね。余裕があれば、パラフレーズ(言い換え)の練習もしてみるよ。
まず、文章を書く目的を明確にし、その目的に沿って専門知識、理由・根拠を挙げながら説明をして、きちんと結論を示すこと。
相手が求めている情報を不足なく提供して、満足させてあげるわけだね。
そして、きちんとした構成で、論理的に、ミスのない文章を書くこと。
知性の感じられる、プロフェッショナルにふさわしい文章を書いて、CPAとしての信用を担保するわけだね。
WCは「あなたは、相手が知りたいことを、相手に合わせて専門用語を使いつつも、自分の言葉でシンプルに、分かりやすく伝えられるかな?」というテストだよね。
「分かりやすく伝えること」を念頭におくと、WCの対策も立てやすいんじゃないかな。
難しい英単語を使う必要はなくて、理解しやすいような文章の流れにしたり、つなぎ言葉を使ってあげたりという、読み手を思いやる工夫があると、ハイスコアがもらえるのではないかな。
なかなか合格できない場合は、こちらの記事も参考にしてください☟