BECだけWCがあるけれど、日本人のUSCPA受験者の中には、苦手としてしまっている人も多いようだね。
WCは、英文ビジネスレターでよく使われるフレーズや動詞を覚えておくと、書きやすくなると思うよ。
WCで使えそうな言い回しをメインに紹介していくね。
2024年1月開始の新USCPAからBECという科目はなくなりました。
そして、BECで出題されていたWritten Communication(WC)問題もなくなりました。
しばらく参考までに当記事は残しておきます。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かし方やUSCPA短期合格のコツも記載しています。
まだUSCPAの勉強を始めていない場合は「USCPAの始めかた」も参考にしてください。
Written Communication(WC)問題 表現と動詞
WCの勉強は、インプットとアウトプットに大きく分かれます。
インプットは論点の理解と暗記、アウトプットは文章を書く練習です。
文章を書く練習でおすすめなのは、以下のとおりです。
文章を書く練習のおすすめ
- テンプレートを作ること
- 「つなぎの言葉」を覚えること
- WCで使えそうな言い回しや動詞を覚えること
- パラフレーズ(言い換え)の技術を身につけること
今回は、②のWCで使いたい「つなぎの言葉」と、③のWCで使えそうな「言い回しや動詞」について見ていきたいと思います。
①のテンプレートについては、以下の記事を参考にしてください☟
④のパラフレーズ(言い換えの技術)については、以下の記事を参考にしてください☟
WCについての情報(概要、どのような問題が出題されるか、どのように回答するか)、WCの勉強の仕方については、以下の記事を参考にしてください☟
1.WCで使いたい「つなぎの言葉」
「つなぎの言葉」を使うと、論旨の展開が読み手にわかりやすくなります。
WCは、分かりやすく論理的に文章を書くことが求められます。
WCの採点は、基本的にはAIの自動採点であり、合否に関わる点数の時は、人(有資格のCPA)が採点をすると言われています。
コンピュータであっても、人であっても、この「つなぎの言葉」に注目して読んでいくはずですので、「つなぎの言葉」を使った方が、スコアが高くなるのではないかとどこは思います。
「つなぎの言葉」を挙げていきますが、すべてを覚えれば良いというわけではありません。
自分が使いやすいものを選んで、練習の際に使ってみてくださいね。
(1)時
- before ~ (~の前に)
- after~ (~の後に)
- during~ (~の間に)
- next, (次に)
- finally, (最後に)
- at the same time, (それと同時に)
(2)順序や程度
- firstly, (最初に)
- secondly, (次に)
- lastly, (最後に)
- most importantly, (最も大事なことは)
- basically,(基本的に)
(3)比較対照
- similar to A, (Aと同じように)
- in contrast to ~ (~と対照的に)
- on the other hand, (一方)
(4)逆説
- despite~ (~にもかかわらず)
- in spite of ~(~にもかかわらず)
- although~(~にもかかわらず)
- even though~ (~にもかかわらず)
(5)原因や結果
- as a result, (結果として)
- therefore, (それゆえ)
- due to ~ (~のために)
- owing to ~ (~のために)
- because of ~ (~のために)
(6)説明
- in other words, (言い換えれば)
- for instance, (たとえば)
- in this case (~の場合は)
- to clarify, (明確にしておきたいのは)
- to explain, (説明すると)
(7)追加
- in addition, (さらに)
- not only A but also B (AだけではなくBも)
- moreover, (そのうえ)
- in fact, (実際のところ)
- similarly, (同じように)
(8)要約
- in summary, (要約すると)
- in conclusion, (結論としては)
(9)結果
- as a result, (結果として)
- Consequently, (結果として)
- for this reason, (この理由により)
- for these reasons, (こういった理由により)
- because of this (この理由により)
どこがよく使うのはこのくらいですが、いかがでしょうか。
ご自分でもよく使う「つなぎの言葉」がありましたら、足してくださいね。
2.WCで使いたいクリアにする表現
使うと文章の意図がクリアになる表現もいくつか挙げておきます。
実際にどこがBIG4で監査をしていた時に、クライアントに英語でメールをする際に使っていた表現ですので、WCで使うと良いのではないかと思います。
クライアントには、自分の意図が正確に伝わるようにしなくてはならないので、はっきりとさせるため、以下のような表現を使って、自分の意図をクリアにしていました。
(1)条件をクリアに示す
- even if ~ (たとえ~でも、たとえ~の場合でも)
- only if ~ (~の場合のみ)
- only those 名詞 that ~ (~なものだけ)
- on the condition that ~ (~という条件を満たすなら)
(2)根拠をクリアに示す
- based on the fact that ~ (~という事実を根拠に)
- taking into account that ~ (~ということを考慮して)
(3)目的をクリアに示す
- This enables (allows) 人 to ~ (それによって~することができます)
- This assists us in ~ing (それは~する上での一助となります)
- for the purpose of ~ing (~する目的のために)
- for the purpose of 名詞 (名詞の目的のために)
(4)違いをクリアに示す
- There is a difference (variance) between A and B. (AとBの間に差があります。)
- There seems to be an inconsistency between the 名詞 in A and the 名詞 in B. (Aの名詞とBの名詞に、不一致があるように見受けられます。)
- A is ~、while B is ~. (Aが~であるのに対し、一方、Bは~です。)
- A does not seem to match B. (AがBと一致しないです。)
(5)意見をクリアに示す
- We believe that A is supposed to be ~. (Aは~であるはずだと考えます)。
- We strongly believe that A should be ~. (Aは~であるべきだと確信しています。)
- We feel that A may need to be ~. (Aは~にすべきかもしれないと感じています。)
- Our opinion is that A should be ~. (私たちはAは~であるべきだという立場です。)
(6)程度をクリアに示す
- significant/insignificant (重要な/重要ではない)
- consistent/inconsistent (一貫した/一貫性のない)
- consistently ←repeatedly ←often ←sometimes ←very rarely(一貫して←繰り返し←頻繁に←時に←非常にまれに)
(7)確実性をクリアに示す
- is supported by ~/is not supported by~(~の裏付けがある/~の裏付けがない)
- absolutely ←most likely ←probably ←possibly (確実に←おそらく間違いなく←たぶん←もしかすると)
3.WCで使いたい定型表現
WCで使いたい定型表現は、2つに大きく分けられます。
WCで使いたい定型表現
- BECという教科で使えそうな定型表現
- ビジネスメールでよく使われる定型表現
通常、日本語で考えたものをそのまま英語にすることはできません。
日本語から直訳した複雑な表現ではなく、シンプルでも英語らしい表現を使った方が、WCでも評価されるのではないかと思います。
(1)BECという教科で使えそうな定型表現
BECという教科で使えそうな定型表現を挙げていきます。
- The problem is that ~. (問題は~です。)
- This means that~. (~ということを意味します。)
- demonstrate a link between A and B (AとBの関連性を証明する)
- check the accuracy of ~ (~の正確性をチェックする)
- have the right to ~ (~する権利がある)
- should take the initiative in ~ (~を積極的に進めるべき)
- through negotiations (交渉を通じて)
- face financial crises (財政難に陥る)
- boost the national economy (経済をよくする)
- make a huge profit (大きな利益を上げる)
- improve the unemployment rate (失業率を改善する)
- secure human resources(人材を確保する)
- have a beneficial effect on ~ (~に良い影響を与える)
- enhance the effectiveness of~ (~の効率を高める)
- expand influence (影響を広げる)
- is less costly than~ (~より安い)
- is directly connected with~(~と直結する)
- is formed by ~ (~により形成される)
- is used for many purposes such as ~(~といった多くの目的で使われる)
(2)ビジネスメールでよく使われる定型表現
ビジネスメールでよく使われる定型表現も挙げていきます。
- in my opinion(自分の意見では)
- in the same way (同じように)
- in a timely manner (タイミングよく)
- in progress (進行中)
- in the process of ~(~の最中)
- in the long run (長期的には)
- in time for ~(~に間に合って)
- on time (時間通りに)
- ahead of schedule (予定より早く)
- behind schedule (予定より遅れて)
- at all times (常時)
- at least (少なくとも)
- at the latest (遅くとも)
- by means of ~ (~ という手段で)
- in accordance with ~ (~に従う)
- contribute to ~(~に寄与する)
- in charge of ~(~を担当する)
- on behalf of~(~のために)
- on average (平均で)
- in writing (書面で)
- upon request (リクエストがあり次第)
- null and void (無効の)
- take advantage of~(~を利用する)
- take ~ into consideration (~を考慮する)
- keep up with ~(~に追いつく)
- keep in mind that~(~を念頭に置く)
4.WCで使いたい動詞
WCで使いたい動詞は、3つに大きく分けられます。
WCで使いたい動詞
- BECという教科でよく出てくる動詞
- 社会経済系の分野でよく使う動詞
- ビジネスメールでよく使う動詞
ちなみに、なぜ動詞だけをこちらで取り上げたかというと、名詞(キーワード)は論点を暗記する際に覚えるからです。
ですが、キーワードが分かっていても、動詞が出てこないと何も書けなくなってしまうので、ここでは動詞を取り上げています。
(1)BECという教科でよく出てくる動詞
BECで出てくる動詞をいくつか挙げていきます。
大きく5つに分けてありますが、全部を挙げたわけではありませんので、自分で補足してください。
BECで出てくる動詞
- Management Accounting
- Financial Management
- Economic Concepts
- Information Technology
- Corporate Governance
①Management Accounting
- disclose(開示する)
- allocate (配賦する)
- attribute A to ~(Aを~に帰属させる)
- assign A to~(Aを~に割り当てる)
- implement (実施する)
- maximize (最大化する)
- minimize (最小に抑える)
②Financial Management
- offset(相殺する)
- eliminate (除去する)
- diversify (多角化する)
- optimize (最適化する)
③Economic Concepts
- subtract (差し引く)
- excess (上回る)
- trigger(引き起こす)
- fluctuate (変動する)
- stabilize (安定させる)
- complement (補完する)
- downsize (削減する)
④Information Technology
- automate (自動化する)
- edit (編集する)
- restrict (制限する)
⑤Corporate Governance
- integrate(一体化する)
- mitigate(低減する)
- incorporate (取り入れる)
(2)社会経済分野でよく使う動詞
社会経済分野で幅広く使われる動詞も理解しておくと良いと思います。
あまり使われない場合・使えない場合もあるので、コロケーションとして覚えておくと自然な英語になるでしょう。
社会経済分野で使われる動詞
- 「促す・高める」を意味するコロケーション
- 「妨げる・害する」を意味するコロケーション
- ◎:使用頻度が圧倒的に高い
- ○:使用頻度が高い
- △:あまり使われない
- ×:使わない
①「促す・高める」を意味するコロケーション
「促す」という意味では、encourageが使いやすいですが、ほかに以下のような動詞があります。
industry | awareness | interest | growth | trend | value | |
encourage | 〇 | × | △ | 〇 | ◎ | × |
promote | ◎ | ◎ | △ | ◎ | 〇 | △ |
develop | 〇 | △ | ◎ | × | 〇 | × |
enhance | △ | △ | × | △ | △ | ◎ |
stimulate | △ | × | 〇 | 〇 | × | × |
- Promote:「産業、投資、意識、交流、理解」などを、成長、増大、普及するのを促す
- develop:何かを成長・進化・巨大化させたり「能力・性質」を高める
- enhance:「価値、質、度合、魅力、地位」などを高める
- stimulate:「活動、経済、成長、興味、ニーズ」などを促進・発展させる
ほか、raise、highten、boost、elevateなどが使われます。
②「妨げる・害する」を意味するコロケーション
「妨げる」という意味では、discourageが使いやすいですが、ほかに以下のような動詞があります。
development | health | operation | security | efforts | position | |
undermine | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ | ◎ |
hamper | ◎ | × | 〇 | × | 〇 | × |
threaten | × | ◎ | △ | ◎ | × | 〇 |
- undermine:「勢い、健康、自信、評判、信用、地位、権威」などを間接的に弱める
- hamper:「活動、努力、発展、信仰」などを妨げる
- threaten:「安定、健康、生命、環境、成長」などに脅威・害を与える
(3)英文ビジネスメールでよく使う動詞
英文ビジネスメールでよく使う動詞については、どこが仕事で英文メールを書く際にいつも参考にしている、マヤ・バーダマンさんの本から抜粋させていただきました。
英文ビジネスメールでは、普段使っている単語ではなく、知性が感じられる単語(マヤさんは「格上げ単語」と言っています)を使う必要があります。
WCでは、自分が使いこなせないような単語を使う必要はないと思います。
ですが、コンピュータであっても、人であっても、この「格上げ単語」を使っていると評価が高くなり、スコアが高くなる可能性があるのではないかと思っています。
「格上げ単語」 | 普段の単語 | |
知らせる | announce, inform | say, tell |
助ける | assist | help |
試みる | attempt | try |
参加する | attend | go to |
はっきりさせる | clarify | make clear |
渡す | deliver | give |
配る | distribute | hand out |
詳述する | elaborate | describe in detail |
実行する | execute | carry out |
始める | initiate | begin, start |
問い合わせる | inquire | ask |
運営する | manage | run |
交渉する | negotiate | work out |
見る | observe | see, watch, look at |
延長する | postpone | put off |
買う | purchase | buy |
参照する | refer to | see |
必要とする | require | need |
暗記する必要はないので、このような動詞をWCで書く際には、できるだけ「格上げ単語」の方を使うように心がけるだけでいいと思います。
5.英文ビジネスメールで使ってはいけない単語
最後に、これは補足なのですが、注意喚起のために英文ビジネスメールで使ってはいけない単語について書いておきます(これも、マヤ・バーダマンさんの本を参考にさせていただきました)。
それは、実際は日本でしか言わない日本語英語です。
WCで間違って日本語英語を使ってしまうと、マイナス評価され、減点される可能性があるのではないかと思っています。
日本のビジネス英語 | 正しい英語 |
アフターケア | customer service |
アンケート | survey, questionnaire |
クレーム | complaint |
リストラ(人員削減の意味) | layoffs, downsizing, staff reduction |
コストダウン | cost reduction |
WCで使うかもしれないもので気を付けた方が良いと思うものは、このくらいです。
以上、「Written Communication(WC)問題 表現と動詞 USCPA受験生用」でした。
USCPAの試験を受けているということは、いま仕事で英語を使っているか、こんご英語を使う可能性が高いよね。
ということは、英文ビジネスメールの表現などは、WCのためだけではなく、USCPAになってから仕事にも活かせるからね。頑張っていこうね。
「英文ビジネスメールでよく使う動詞」は、以下の本を参考にさせていただきました。
英文メールだけではなく、英語での電話対応など、幅広くカバーしていますので、この本で勉強しておけば、英語を使う環境で働く際も安心です。
また、「社会経済分野でよく使う動詞」は、以下の本を参考にさせていただきました。
英検1級受験者必携の一冊です(どこも、英検1級の勉強のために買いました)。
ただ英語で文章が書かれているだけではなく、背景の説明も深いので、英語でアカデミックな話をするために読んでおくことをおすすめします。