でも、USCPAを持っているとどの国で働けるのか分からなくて困ったな。
USCPA資格は、国際的な専門資格なので、基本的にはどの国でも評価されるよ。
でも「相互承認協定(MRA)」を結んでいる国だと、その国の公認会計士(CPA)として働けるから、USCPA資格がより活かせるよね。
今回は、USCPA資格の「相互承認協定(MRA)」について紹介していくね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
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USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
1.米国公認会計士(USCPA)の相互承認協定(MRA)とは?
米国公認会計士(USCPA)資格の相互承認協定(MRA)についてご説明していきます
米国公認会計士(USCPA)資格の相互承認協定(MRA)
- 相互承認協定(MRA)は、英語では Mutual Recognition Agreements。
- USCPA資格を持っていると、相互承認協定を結んでいる国々で、その国の会計士資格を再取得しなくても、その国の会計士と同じ業務ができる。
- 相互承認協定を結んでいる国々の会計士は、米国でUSCPAと同じ業務ができる。
AICPA(米国公認会計士協会)によると、相互承認協定を結ぶ目的は、会計専門家の国家間での流動性を高めるため。
そして、米国および相互承認協定を結んでいる国々において、会計専門家の育成に貢献するためだそうです。
ちなみに、CPA試験の受験も、米国以外の国々でできるようになってきました。
それもグローバル化の一環と考えられます。
2.USCPA資格の相互承認協定を結んでいる国
つぎに、USCPA資格の相互承認協定を結んでいる国について見ていきます。
2023年月時点では、AICPA(米国公認会計士協会)またはNASBA(全米州政府会計委員会)と、以下の会計専門家団体との間で、相互承認協定が結ばれています。
米国と相互承認協定がある国の会計専門家団体
- South African Institute of Chartered Accountants
- CPA Australia
- Chartered Accountants Australia and New Zealand (CAANZ)
- CPA Canada (CPAC)
- Chartered Accountants Ireland (CAI)
- Institute of Certified Public Accountants in Ireland(CPA Ireland)
- Instituto Mexicano de Contadores Publicos (IMCP)
補足:
- シンガポールは、2016年に相互承認協定からはずれました。
- 南アフリカは、2020年1月15日に相互承認協定が結ばれました(“AICPA and NASBA sign mutual recognition pact with South African accountants”)。
- アイルランドは、2022年6月1日に相互承認協定が結ばれました(NASBA/AICPA U.S. International Qualifications Appraisal Board (IQAB) Signs Mutual Recognition Agreement with CPA Ireland)。
- 香港は、2022年12月31日に相互承認協定からはずれました。
- スコットランドは、2024年8月に相互承認協定からはずれました。
現在、シンガポール・香港・スコットランドとは相互承認協定が結ばれていません。
反対に最近、南アフリカ・アイルランドと相互承認協定が結ばれました。
以下の7ヶ国の会計士協会と相互承認協定が結ばれており、以下の7ヶ国ではUSCPA資格が特に活かせるということになります。
米国と相互承認協定がある国
- カナダ
- メキシコ
- 南アフリカ
- オーストラリア
- ニュージーランド
- アイルランド
現時点では、
- 米国と地理的に近いカナダとメキシコ
- 英国と関連の強い南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド
と相互承認協定が結ばれているといったところでしょうか。
日本人のUSCPAとしては、今後、日本をはじめとして、韓国や中国などのアジアの国々とも 相互承認協定が結ばれてほしいと考えています。
日本は、日本語という言語の問題と、日本の公認会計士試験の難易度の高さによる「参入障壁」により、グローバルなCPA競争に巻き込まれていない気がします。
ですが、相互承認協定が、この壁を崩すきっかけになるのではないかと思います。
ちなみに、以前タイでUSCPAとして働いていましたが、日本よりさらに高い「参入障壁」があるように感じました。
タイもタイ語という言語の問題があり、タイの公認会計士試験は日本の公認会計士試験以上に難易度が高いからです。
CPA試験の受験地についても、以前はアジアでは日本だけでした。
ですが、ネパール(2020年12月)とインド(2021年1月より)が追加。
さらには、フィリピン(2024年7月)も追加されました!
フィリピンが追加された際は、かなり盛り上がり、NASBAのポストにこれまで見たことがない数のいいねがつきました。
どこでUSCPA試験が受験できるかは、こちらを参考にしてくださいね。
英語圏かつ英国と関連が強いといった点を考慮すると、インドの方が日本より先に相互承認協定が結ばれるかもしれませんね。
3.相互承認協定国で会計士資格を取得するには?
さいごに、相互承認協定を結んでいる国で、USCPAが会計士資格を取得するためには何が必要かを見ていきます。
よくオーストラリアの場合について質問をいただくので、まとめておきます。
USCPAが相互承認協定制度を使えるオーストラリアの会計士団体は2つですね。
オーストラリアの会計士団体
- CPA Australia
- Chartered Accountants Australia and New Zealand (CAANZ)
CAANZの方が法定監査ができます。
なので、オーストラリアの監査法人で働きたい場合は、CPA Australiaではなく、CAANZに登録した方がいいかもしれません。
どこは違いに詳しくはないのですが、オーストラリアでCarterd Accountants(CA)をしている友達に「私はUSCPAだ」と言ったら、CAである自分の方が上と言われました。
なので、オーストラリアでは、CPAよりCAの方が上という認識なのだと思っています。
登録に必要なのは、以下のとおりです。
CPA Australia登録に必要なもの
- Letter of Good Standing
- Congratulatory Letter
- 学歴証明
- 身分証明書(パスポート)
詳細はCPAオーストラリアのサイトを参考にしてください。
CAANZ登録に必要なもの
- AICPAからのレター
- 身分証明書(パスポート)
- CAANZメンバー2人からの推薦状
詳細はCAANZのサイトを参考にしてください。
この中で一番用意するのが難しいのは、CAANZメンバー2人からの推薦状でしょう。
これが手に入らない場合は、CPA Australiaに登録することになりますね。
どこはワーキングホリデービザを利用し、オーストラリアのシドニーで会計インターンをしていたことがあります。
オーストラリアでCPAとして働きたい場合、ワーキングホリデービザで会計の仕事をしてみることが考えられます。
USCPA資格の相互承認協定のまとめ
相互承認協定を結んでいる国においては、その国の会社法や税法などの勉強が追加で必要になりますが、その国の公認会計士試験をわざわざ受験しなくても公認会計士資格が取得できます。
2024年12月時点で、米国と相互承認協定を結んでいる国は以下の通りです。
米国と相互承認協定がある国
- カナダ
- メキシコ
- 南アフリカ
- オーストラリア
- ニュージーランド
- アイルランド
USCPA資格は、米国に限らず海外(特に、相互承認協定を結んでいる国)で、公認会計士として働くことを考えている人にとって、取る意味のある資格と言えるでしょう。
以上、「USCPA(米国公認会計士)相互承認協定(MRA)とは?米国以外でもCPAに!」でした。
結構お得だね!
今後さらに相互承認協定を結ぶ国が増えていくだろうから、ますますUSCPAが活躍できる国が増えるね。
もしUSCPAに挑戦するか迷っている人がいたら、このUSCPA資格の相互承認協定もぜひ考慮に入れてね。