必須科目はFAR・AUD・REGの3科目あると思うけど、どう勉強したらいいのか知りたいな。
USCPA試験の必須科目はそれぞれ特徴があるので比較していくよ。
特徴が分かれば、その科目に適した勉強法が分かるからね。
USCPAに挑戦するか決めていない場合「USCPAの始めかた」も参考にしてください。
USCPA試験については、どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
新USCPA試験に対応しています。
【新試験対応】USCPA必須3科目(FAR・AUD・REG)の特徴と勉強のポイント
2024年1月に新USCPA試験が開始しました!
新USCPA試験の必須科目(FAR・AUD・REG)の特徴と勉強のポイントを比較していきます。
(1)2024年新USCPA試験の試験科目は?
新USCPA試験では試験科目が新しくなっています
2023年までは必須科目4科目(FAR・AUD・BEC・REG)でした。
2024年からは必須科目3科目(FAR・AUD・REG)と選択科目1科目(BAR・ISC・TCP)の全4科目となっています。
新USCPA試験科目
必須科目(Core):3科目必須
- FAR(Financial Accounting and Reporting):財務会計
- AUD(Auditing and Attestation):監査と証明業務
- REG(Taxation and Regulation):税法と商法
選択科目(Discipline):1科目選択
2023年まではBECという必須科目がありましたが、新USCPA試験ではなくなっています。
今回は、必須3科目(FAR・AUD・REG)について解説していきます。
(2)必須3科目の特徴は?
新USCPA試験での必須3科目の特徴を比較すると、このようになります。
FAR | AUD | REG | |
問われる内容 | 会計 | 監査 | 税法・ビジネス法 |
選択科目との関係 | BARの前提 | ISCの前提 | TCPの前提 |
旧試験のBECの内容 | BECの内容を含む | BECの内容を含む | BECの内容は含まず |
2024年からの新出事項 | 新出事項はなし | 新出事項がある | 新出事項はなし |
問題数 |
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試験形式 |
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スキルレベル |
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出題分野 |
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FAR・AUD・REGにはこのような特徴があることだけ念頭に置いてくだださい。
(3)必須3科目の勉強のポイントは?
新USCPA試験での必須3科目の勉強のポイントを比較すると、このようになります。
科目 | FAR | AUD | REG |
科目の特徴 |
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MC対策 |
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TBS対策 |
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FAR・AUD・REGにはこのような勉強のポイントがあります。
選択科目を含めた各科目の特徴と試験対策をまとめてあります。
詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
必須科目
選択科目
1.FARの特徴と勉強のポイントは?
まずは、FARの特徴と勉強のポイントを見ていきましょう。
FARの特徴と勉強のポイント
- 全科目の基礎となる
- ボリュームがあって計算問題が多い
- 仕訳のスキルが大切
(1)全科目の基礎となる
FARは、USCPA試験全科目の基礎となる科目です。
FARで学習した知識は、特にBECやAUDの勉強で必要となってきます。
FARの知識がないと、BECやAUDで解けない問題もあります。
USCPA試験の学習は、まずはFARから始めましょう。
(2)ボリュームがあって計算問題が多い
FARは、試験範囲は広く、ボリュームがあります。
アビタスの教材で判断すると、USCPA試験全体(4科目)を100%とすると、FARは35%くらいを占めています。
また、計算問題が多いため、MC問題を解くのにも時間がかかります。
特に、簿記検定などの勉強をしたことがなく、簿記や会計の知識が無い場合、学習に時間がかかるでしょう。
既にある程度、簿記や会計の知識がある場合も、FARはUSCPA試験で最初に学習する科目となりますので、学習のコツがつかめていなかったり、受験のタイミングを延ばしてしまいがちになります。
ダラダラと勉強せず、学習したことを忘れないよう、適度に復習しつつ、さっさと受験する必要があります。
FARは、できるだけ早く全範囲の学習を終え、さっさと受験しましょう。
(3)仕訳のスキルが大切
FARで必ず攻略しておかなくてはならないのが「仕訳」です。
「仕訳」とは、取引をルールに従って記録することです。
普段から仕事で「仕訳」をしている経理の方や、簿記検定の学習をしたことがある方なら、おそらく、最初からある程度理解できていると思います。
もし、USCPA試験で初めて「仕訳」に触れる場合は、まずは「仕訳」のスキルを身につけることが必要不可欠です。
「仕訳」ができないと、AUDでも解けない問題があります。
取引を見たら仕訳を書いてみるクセをつけること。
USCPA試験のFARの特徴と試験対策については、こちらも参考にしてください。
FARの勉強法のポイントについては、こちらも参考にしてください。
2.AUDの特徴と勉強のポイントは?
つぎに、AUDの特徴について見ていきましょう。
AUDは、CPAにとって最も大切な業務である監査・証明業務が出題されます。
AUDの特徴と勉強のポイントは?
- 沼にハマりやすい
- 深い理解が必要
- 監査報告書の基本形の暗記が必要
(1)沼にハマりやすい
AUDは、日本人のUSCPA受験生が苦手としがちな科目です。
何度もギリギリ73点や74点で不合格になってしまう受験生を見てきました。
AUDは出題範囲が狭く、ほとんど計算問題が出題されないため、簡単だと誤解して、甘くみてしまうようです。
また、監査や会計の実務経験がないと理解しにくい問題や、抽象的な言い回しの問題が出題されるため、実務経験や英語力が高くない受験生にとっては、ハードルが高い科目となります。
- 他の科目と違って、簡単に見えるけど、合格しにくい科目。
- 他の科目と違う勉強法が必要となる。
(2)深い理解が必要
AUDは、他の科目に比べて深い論点理解が必要です。
テキストの隅から隅までしっかりと読み込んで、理解を深める必要があります。
MCを解く際も、なんとなく解くのではなく、なぜこの選択肢が正解になるのか考えるなど、1問1問を深掘りしていく必要があります。
また、個々の監査手続きを理解するだけではなく、監査というプロセスの中のどれに該当し、どのような役割があるのか、監査意見に与える影響なども、常に意識する必要があります。
監査基準を暗記しようとするのではなく、監査基準が作成された背景、適用される状況などを考えながら学習を進めていくといいでしょう。
- テキストを熟読し、問題を深掘りしていく。
- 個々の論点だけではなく、全体の流れをイメージする。
(3)監査報告書の基本形の暗記が必要
AUDでは、監査意見のレポートの基本形を覚え、他の各レポートとの違いを理解することが大切です。
レポートの基本形さえ覚えておけば解ける問題も出題されます。
基本形をベースにして、他の各レポートで変わってくる文言をハイライトして理解していくといいでしょう。
レポートの基本形は暗記し、他のレポートとの違いを理解する。
USCPA試験のAUDの特徴と試験対策については、こちらも参考にしてください。
沼らないためのAUDの勉強のポイントについては、こちらの記事を参考にしてください。
3.REGの特徴と勉強のポイントは?
さいごに、REGの特徴について見ていきましょう。
REGは、連邦税法とビジネス関連諸法規が出題されます。
REGの特徴と勉強のポイント
- ボリュームがあって暗記事項も多い
- 税法は深い理解が必要、ビジネス法は広く浅い理解でOK
- ビジネス倫理・職業責任の出題割合が意外に大きい
(1)ボリュームがあって暗記事項も多い
REGは、FARの次にボリュームが多いです。
アビタスの教材で判断すると、USCPA試験全体(4科目)を100%とすると、REGは30%くらいを占めています(FARは35%くらい)。
また、数値を覚えるなど暗記をしなくてはいけない科目です。
REGは、他の科目とあまり関連性が無いため、最後に受験する場合が多いと思いますが、最後に重くのしかかってくる科目と言えます。
REGは、最後に根性で暗記して乗り越えましょう。
(2)税法は深い理解が必要、ビジネス法は広く浅い理解でOK
REGの出題範囲は、大きくは、米国連邦税法、ビジネス法、ビジネス倫理・職業責任に分かれています。
税法は、TBSの出題に対応するためにも、深い理解が必要となります。
特に「Basis」の理解と整理、所得申告書に慣れることが重要となってきます。
申告手続きの全体の流れを最初に理解し、代表的な申告書のフォーマットを覚えておくと学習がスムーズでしょう。
ビジネス法は、出題範囲が広いのですが、主にMCでの出題ということや、配点が15%ほどということもあり、広く浅い理解でいいでしょう。
税法は深い理解、ビジネス法は広く浅い理解と濃度を変える。
(3)ビジネス倫理・職業責任の出題割合が意外に大きい
ビジネス倫理と職業責任は、出題範囲は狭いのですが、前述のように配点割合が15%と高いので、しっかりと対策する必要があります。
ただし、出題されるのは簡単なものが多く、計算問題もほとんどないため、基礎を理解しておけばいいでしょう。
法律用語なので難しく見えますが、USCPAのREGで出題されるのは、基礎的な法律の解釈のみです。
重要な法律用語を覚え、解釈のプロセスをマスターしておけば正解できる問題が出題されます。
TBSで出題される可能性がありますが、基本的にはMCで出題されます。
倫理規定や職業責任のルールなどを理解し、頻出分野を確実に押さえれば対応できるでしょう。
ビジネス倫理と職業責任は、簡単な問題が多いので、得点源になる。
計算問題はほとんど出ないので、本番の時間稼ぎにする。
USCPA試験のREGの特徴と試験対策については、こちらも参考にしてください。
念のため:BECの特徴と勉強のポイントは?
2024年1月開始の新USCPA試験ではBECはなくなりました。
ですが、しばらく参考までに残しておきます。
BECは、ビジネスに関連する分野を網羅しており、ビジネス全般の実践的な内容を多く含んでいます。
BECの特徴と勉強のポイント
- 試験範囲が広い
- WC(英文ライティング)が出題される
- FARの知識が必要
- AUDの知識も必要
- 経済学やITは基本的な知識で対応できる
(1)試験範囲が幅広い
BECの試験範囲は幅広いです。
そして、各分野は、互いにあまり関連していません。
コーポレートガバナンス、経済学、ファイナンス、IT概論、管理会計の5分野から、まんべんなく出題されます。
深い知識は要求されていないので、出題される可能性のあるレベルを判断して学習を進めます。
つまり、広く浅く、どの分野も相応に学習する必要があります。
BECは、各分野からまんべんなく出題されるので、苦手な分野を作らないこと。
(2)WC(英文ライティング)が出題される
BECでは、USCPA試験で唯一、Written Communication(英文ライティング)が出題されます。
WCの配点は15%で、3問出題されます(1問はいわゆる「ダミー問題」で採点されません)。
基本的な回答のフォーマット、キーワードやフレーズを覚えておけば、5点から10点くらい取るのは可能です。
機械が採点をします(人が採点をする場合もあります)ので、ポイントとなるキーワードやフレーズを盛り込んで、ある程度のボリュームの回答を書けば得点がもらえます。
あまり時間をかけなくて良いので、最低限の対策だけはしておきましょう。
BECでは、WC(記述式問題)が出題されるので、英語で書く練習が必要。
BECのWC(記述式問題)については、こちらの記事を参考にしてください。
(3)FARの知識が必要
BECのファイナンスや管理会計といった分野では、FARの財務会計の知識が必要となります。
ですので、FAR学習をした後に、BECの学習を始めると良いでしょう。
ただし、管理会計に関しては、FARの学習だけでは不十分なので、苦手分野になりそうならば、簿記検定2級の工業簿記テキストなどで理解を補強するといいかもしれません。
BECの学習は、FARの学習を終えてから。
(4)AUDの知識も必要
BECのリスク管理では、AUDの内部統制やリスクマネジメントといった知識が必要となります。
ですので、AUDを学習した後であれば、リスク管理の分野は理解がしやすくなります。
BECをAUDより先に学習する場合、AUDの内部統制やリスクマネジメントだけでも先に学習をしておくいいでしょう。
特に、リスク管理は、計算問題がなく理論問題ですが、難しい問題は出題されないため、基礎だけ理解して、得点源にすると良いでしょう。
- リスク管理の分野は、簡単な問題が多いので、得点源になる。
- 計算問題はほとんど出ないので、本番の時間稼ぎにする。
- AUDの内部統制やリスクマネジメントを併せて勉強する。
(5)経済学やITは基本的な知識で対応できる
経済学は、大学で経済学の講義を取っていた人ならば、ほとんど勉強をしなくても大丈夫なレベルです。
経済学の講義を取っていなかった人でも、日ごろ経済ニュースを観たり、日経新聞などを読んでいれば、聞いたことがあるような一般常識のような内容が出題されます。
ITに関しては、用語や知識の整理が必要ではありますが、基本的なことしか聞かれません(ただし今後は分かりません)。
BECのITの内容(例)
- AI
- ソフトウェア
- EC
- 情報セキュリティ
ビッグデータ、クラウド、プロキシサーバー、クッキー、電子マネー、スパムといった用語の理解が問われます。
経済学やITは、用語や基礎的な知識の整理をしておく。
以上、「【新試験対応】USCPA必須3科目(FAR・AUD・REG)の特徴と勉強のポイント」でした。
それぞれの科目に合わせて勉強のやりかたを変えることにするよ。
理論をしっかり理解し基礎を固める。
それから、細かい論点を覚えたり、深掘りして応用力をつけていく。
この流れはどの科目でも同じだからね。
USCPAに挑戦するか決めていない場合「USCPAの始めかた」も参考にしてください。
USCPA試験については、どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。