Task-based Simulation(TBS:事例形式問題)は、Multiple Choice Questions(MC:択一問題)に比べてほとんど対策できてないよ。
TBS問題はどう対策したらいいのか知りたいよ。
MC問題は基本だから、まずMC問題をしっかりやる必要があるね。
でも、USCPA合格には、もちろんTBS問題の対策もしないとね。
TBS問題とはどんな問題なのか、どう解けばいいのか、TBS問題対策を解説するね。
USCPA(米国公認会計士)は、受験資格を得るためにもUSCPA予備校のサポートが必要となります。
おすすめのUSCPA予備校はアビタスです。
どこの著書『USCPA(米国公認会計士)になりたいと思ったら読む本』も参考にしてくださいね。
USCPA資格の活かしかた・USCPA短期合格のコツを記載しています。
1.TBS問題(事例形式問題)とは?
まずは、TBS問題(Task-based Simulation:事例形式問題)について確認しておきましょう。
TBS問題(事例形式問題)とは、ケーススタディー。
トピックの調査や権威ある文献の引用、定義や用語の照合、仕訳の作成などが求められるストーリーのある問題です。
(1)TBS問題が出題されるテストレット
TBS問題(事例形式問題)は、テストレット3・4・5で出題されます。
テストレット(問題群)の出題形式
- テストレット1と2:Multiple Choice Questions(択一問題)
- テストレット3、4、5:Task-based Simulation(事例形式問題)
(2)TBS問題が出題される目的
AICPAは、USCPA受験者の学習能力・処理能力・思考プロセスをテストするため、このTBS問題(事例形式問題)を出題しています。
TBS問題では、状況に応じて知識を応用する能力が試されるわけです。
TBS問題は、Blueprintsでいうと、Evaluation(評価)、Analysis(分析)、Application(応用)といった高いスキルと理解が求められる問題に該当します。
Blueprintsについては、こちらの記事を参考にしてください。
Blueprintsのスキルレベルについては、こちらの記事を参考にしてください。
(3)TBS問題の配点割合
TBS問題のスコアは、FAR・AUD・REG・BAR・TCPでは総得点の50%、ISCでは総得点の40%です。
ISCのみ配点割合が異なります。
TBS問題の配点割合は50%と高いため、合格するかどうかはTBS問題のスコアに左右されると言えます。
MC問題(択一問題)の対策ばかりしてTBS問題の対策をしないと、不合格になる可能性が高まります。
(4)TBS問題のダミー問題の割合
TBS問題には、採点されないダミー問題(採点されない問題)が含まれています。
TBS問題は、FAR・AUD・BAR・TCPでは7問、REGでは8問、ISCでは6問出題されますが、そのうち1問はダミー問題と考えられます。
注意:新試験での正確なダミー問題数はAICPAに教えてもらえていません。
ですが、試験開始前の画面の記載では、1問のように見えます。
どれがダミー問題かは本番で解いていても通常は分からないです。
ただ、解きにくい問題・いままで見かけない問題であることが多いです。
なので、ダミー問題にハマってしまうと、なかなか解けなくて時間をかけすぎてしまう可能性があります。
たとえ解けたとしても採点されない(合否に影響しない)ので注意が必要。
ダミー問題については、こちらの記事を参考にしてください☟
2.TBS問題の種類と解答の手順
TBS問題の種類は、大きく分けると主に以下の5つです。
実際は複合型などもあり、簡単には分類できないので参考にするにとどめてください。
主なTBS問題(事例形式問題)
- Research(リサーチ):新USCPA試験では出題なし
- Document Review Simulations (DRS:資料レビュー)
- Matching(マッチング)
- Fill-in-the-Blank(穴埋め)
- Journal Entries(仕訳)
1つ1つ詳しく見ていきます。
(1)Research(リサーチ):新USCPA試験では出題なし
Research(リサーチ)問題について見ていきましょう
注意:新USCPA試験では出題はありませんが、念のため残しておきます。
①Research(リサーチ)問題とは
Research(リサーチ)問題とは、ある状況が与えられ、「Authoritative Literature(権威ある文献)」で調べ、そのシナリオに当てはまる条文を引用することが求められます。
検索ツールを使う練習さえしておけば、試験本番では検索し、条文番号を入力するだけですので、そこまで難しくはないでしょう。
②Research(リサーチ)問題の解答の手順
リサーチ問題の解答の手順については、以下の記事が詳しいです。
(2)DRS(資料レビュー)
DRS(Document Review Simulations:資料レビュー)問題について見ていきましょう。
①DRS(資料レビュー)問題とは
DRS(資料レビュー)問題では、リアルな文書とそれを裏付ける資料が提供され、選択肢のリストから何をするか判断することが求められます。
文書には、下線が引かれた単語、フレーズ、センテンス、あるいはパラグラフが含まれています。
修正する必要がある場合とない場合があります。
下線部をクリックすると、選択肢のリストが表示。
どのような編集が必要か選択することになります。
選択肢
- 修正
- 削除
- 既に正しい(何もしなくていい)
完答するには、タスク内の下線付きのテキスト部分をすべてクリックし、何らかの選択をする必要があります。
Document Review Simulations (DRS)問題は、4科目すべてで出題されます。
②DRS(資料レビュー)問題の解答の手順
DRS(資料レビュー)問題を解答する際は、文書と資料のタイトルを読み、何を求められているのか、どのような情報があるのかを確認しましょう。
それから、下線部の各項目と、各解答の選択肢もよく読みましょう。
必要に応じて簡単なメモを取りながら、解答の選択肢を要約しておくといいでしょう。
提示された様々な項目を把握し、最も関連のある情報に絞っていきましょう。
- 下線部を修正する必要がない場合も、その選択肢をリストから選択する必要がある。
- 答えが選択されていない場合、修正する必要がなく正しかったとしても、不正解として採点されてしまうので注意が必要。
(3)Matching(マッチング)
Matching(マッチング)問題について見ていきましょう。
①Matching(マッチング)問題とは
Matching(マッチング)問題とは、5から10個の用語や取引を、対応する定義や数字と一致させることが求められます。
シナリオが与えられ、シミュレーションで問われていることが具体的に解説。
質問の答えのセルをクリックすると、答えのリストが表示され、その中から選ぶことができます。
Matching(マッチング)問題は、他のタイプのTBS問題と組み合わさって複数のパートからなるシミュレーションを作成することもあり得ます。
とはいえ、答えが用意されているので、そこまで難しくないでしょう。
このMatching(マッチング)問題は、4科目すべてで出題されます。
②Matching(マッチング)問題の解答の手順
Matching(マッチング)問題を解答する際は、説明をよく読み、何を求められているのか確認することが非常に重要。
例えば、選択肢の使用回数の制限などが記載されていることが多いです。
何度でも使用できる場合もあれば、1度しか使用できない場合もあります。
また、選択肢は、必ずすべて読みましょう。
ほぼ正しい選択肢を選んでしまうと、他に最適な選択肢がある可能性があります。
(4)Fill-in-the-Blank(穴埋め)
Fill-in-the-Blank(穴埋め)問題について見ていきましょう。
①Fill-in-the-Blank(穴埋め)問題とは
Fill-in-the-Blank(穴埋め)問題は、答えが用意されておらず、自分で計算し、あらかじめ指定されたセルに数字を入力することが求められます。
例えば比率など、何らかの数値を計算して解答します。
- フィールドに値を入力または貼り付け。
- 貼り付けは、コピーボタンか、ショートカットキーでできる。
- 入力された値は自動的にフォーマットされる。
- 0から9以外の文字、小数点、数字の前のマイナス記号、数字を囲んだ括弧は自動的に破棄される。
- 解答ボックスが整数で設定されている場合は、解答が最も近い整数に丸められるため、小数点も破棄される。
Fill-in-the-Blank(穴埋め)問題は、他のタイプのTBS問題と組み合わさって複数のパートからなるシミュレーションを作成することもあり得ます。
自分で計算する必要があることから、TBS問題の中で一番難しいかもしれません。
このFill-in-the-Blank(穴埋め)問題は、4科目すべてで出題されます。
②Fill-in-the-Blank(穴埋め)問題の解答の手順
Fill-in-the-Blank(穴埋め)問題を解答する際は、説明をよく読み、何を求められているのかを確認することが大事です。
特に、四捨五入、負の数、その他の解答の扱いについての説明には注意しましょう。
(5)Journal Entries(仕訳)
Journal Entries(仕訳)問題について見ていきましょう。
①Journal Entries(仕訳)問題とは
Journal Entries(仕訳)問題は、1つまたは複数の仕訳を行うことが求められます。
シナリオが与えられ、仕訳が必要かどうかを判断し、必要な場合は仕訳をします。
仕訳が不要と思われる場合は、仕訳テーブルの上にある「入力不要」チェックボックスを選択すると、仕訳表がグレーアウトして無効になります。
勘定科目欄から勘定科目を選択し、対応する金額を適切な欄(借方または貸方)に入力します。
金額を自分で計算しなくてはならないので、TBS問題の中では比較的難しいでしょう。
このJournal Entries(仕訳)問題は、FARかAUDで出題されます。
②Journal Entries(仕訳)問題の解答の手順
仕訳作成では、どのような順番で勘定科目や金額を行うかは重要ではありません。
順番ではなく、正しい勘定科目に金額が一致しているかどうか、すべての勘定科目・金額が存在するかどうかで評価されます。
そして、必ず適切な欄(借方または貸方)に入力することが重要です。
アビタス問題集のTBS問題では仕訳の順番が違うことでエラーが出てしまうことがありますが、本番はそのようなエラーは出ません。
3.TBS問題で使えるツール
TBS問題は単純ではないため、AICPAは、TBS問題を解くためのツールをいくつか用意しています。
これらのツールに慣れていないと、本番になってから、いつ、どのように使用するか考えることになってしまうため、試験時間を無駄にしてしまうでしょう。
ですので、TBS問題を解く練習をする際は、ツールの使い方も併せて練習しましょう。
TBS問題で使えるツール
- Calculator(電卓)
- SPREADSHEET(ほぼエクセル)
- Exhibits(添付資料)
- Highlight(ハイライト)
1つ1つ簡単にご説明していきます。
(1)Calculator(電卓)
基本的な計算(足し算、引き算、掛け算、割り算)には、この電卓を使用するといいでしょう。
長い計算や複数のパートからなる計算には、Excelを使用するのがいいでしょう。
(2)SPREADSHEET(ほぼエクセル)
USCPA試験では、SPREADSHEETが使用できます。
ほぼエクセルと同じです。
SPREADSHEETの詳しい機能は、こちらを参考にしてください↓
(3)Exhibits(添付資料)
解答する上で必要な情報を含む、追加のデータソースです。
添付資料には、メモ、BSやPL、プレスリリースなど、さまざまな形態があります。
そのため、様々な種類の資料から情報を抽出する練習をすることが重要です。
(4)Highlight(強調表示)
添付資料の中で、カーソルを使ってテキストを強調表示すると、それをマークするオプションが表示されます。
複数の添付資料の情報を把握するため、強調表示ツールを活用するといいでしょう。
補足:Authoritative Literature(権威ある文献)→新USCPA試験からなし
注)2024年1月からの新USCPA試験からなくなりました。
検索ツールですので、リサーチ問題ではもちろん必ず使うことになりますが、リサーチ問題以外の他のTBS問題でも使えます。
試験を受ける前に、検索方法を十分に理解しておくことが非常に重要です。
権威ある文献には、次のようなものがあります。
Authoritative Literature(権威ある文献)
- FASB Codification:FASB(財務会計基準審議会)が定める全ての基準書
- AICPA Professional Standards:AICPAが発行する監査及び証明業務の基準書
- PCAOB Auditing Standards:PCAOBが発行する上場企業に適用される倫理及び独立性に関する基準書
- Internal Revenue Code:連邦税を規定する法典
USCPA試験本番で使えるツールについては、以下の記事が詳しいです。
4.TBS問題の注意点
最後に、TBS問題の注意点を見ていきます。
(1)形式に慣れること
一番大切なのは練習して形式に慣れておくことです。
TBS問題には、さまざまなレイアウトやフォーマットがあるので、試験までに少なくとも形式には慣れておく必要があるでしょう。
空欄の埋め方や、答え合わせの方法、検索ツールの使い方など、事前に知っておきましょう。
USCPA予備校の教材で練習するだけではなく、AICPA提供のサンプルテストを解いて理解をしておくといいでしょう。
サンプルテストについては、以下の記事も参考にしてください☟
(2)時間管理を考えること
時間管理を考えることも、非常に大切です。
TBS問題は、膨大な時間を費やせば、最終的に解けるかもしれません。
ですが、本番ではそんな余裕はありません。
TBS問題にかけられる時間の目安
- シンプルな問題:10分から15分
- 少し複雑な問題:25分から30分
TBSの問題を解く際は、目標時間を決めて、それを守りながら勉強しましょう。
本番でも、表示される時計の時間をチェックしながら解きましょう。
(3)問題を解き始めるまでに戦略を考えること
TBSの問題を解く際は、テストレットを開いて初めに、どんな問題が含まれているか1、2分でざっと見て、解く順番と時間配分を決めましょう。
少なくとも、リサーチ問題が含まれているかを確認し、リサーチ問題が含まれていた場合は、そのテストレットの中で最後に解くと決めましょう。
当たり前ではありますが、問題文を注意深く読み、どんな問題なのかを把握してから解き始めることが非常に大切です。
以上、「USCPA試験のTBS問題(事例形式問題)の概要と対策【これだけは知っておく】」でした。
TBS問題は事前に練習して、慣れておくことが大事なんだね。
MC問題だけではなく、TBS問題もこれから解くことにするよ。
せっかくMC問題などを通して知識を蓄えていても、TBS問題の形式や使えるツールに慣れていなくて、実力が発揮できなかったらもったいないよ。
だから、事前に練習し、自分なりに必要な情報をどのように得るか、どのくらいの時間を遣って、どう解答していくか事前に決めておこうね。
ある程度パターン化して本番の試験で迷わないようにするのが、TBS問題で得点する近道だと思うよ。