今後、日本の働き方は、どうなるのかな。
自分は、どうしたらよいのか分からなくて、困ったな。
既に世界では、さらにバージョンアップした働き方が始まっており、日本も近い将来、そのような働き方になると言われているよ。
今後どのように働いたらよいのか、橘玲さんの著書『働き方2.0 vs 4.0』から学んでみようね。
当記事を読むと、以下のことが分かります。
- 日本での働き方が遅れていること
- これからどのように働けばいいのか
1.橘玲さんの著書『働き方2.0 vs 4.0』とは
新卒で入社し、1つの会社内で出世を続け定年まで働き続けるという、日本の雇用慣行が成り立たなくなってきたことは、あなたも感じていると思います。
とはいえ、今後、働き方がどう変わっていくのか、なかなかハッキリと把握はできてないのではないでしょうか。
今後、働きかがどのようになるのか、どのように働けば良いかについては、『働き方2.0 vs 4.0』からヒントが学べます。
『働き方2.0 vs 4.0ー不条理な会社人生から自由になれる』は、橘玲氏の著書であり、今後の働き方について説いた本です。
本書では、現在の日本での働き方を「1.0」バージョンとし、「働き方改革」で期待されている働き方が「2.0」バージョン、海外で既に取り入れられている働き方が「4.0」バージョンとされています。
著書名が『働き方2.0 vs 4.0』であることからもわかる通り、海外で既に取り入れられている働き方と比較されており、本書を読むと、いかに日本での働き方が遅れているのかが理解できるようになります。
(1)働き方のバージョン:日本は「2.0」、海外は「4.0」
この働き方のバージョンですが、以下のように5段階に分かれています。
働き方のバージョン
- 働き方1.0:年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
- 働き方2.0:成果主義に基づいたグローバルスタンダード
- 働き方3.0:プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
- 働き方4.0:フリーエージェント(ギグエコノミー)
- 働き方5.0:機械が全ての仕事を行なうユートピア/ディストピア
日本が働き方「1.0」バージョンにとどまっているうちに、海外では既に、働き方「4.0」バージョンになりつつあります。
日本は「年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行」から、「成果主義に基づいたグローバルスタンダード」に変わろうとしていますが、海外では既に2段階上の「フリーエージェント(ギグエコノミー)」になりつつあります。
日本は、海外より1周は遅れているということに注目です。
(2)日本の働き方:不条理
また、副題が「不条理な会社人生から自由になれる」であることからもわかるように、現在の日本での働き方は「不条理」であるとしています。
年功序列・終身雇用といった日本的雇用慣行は、既に機能しておらず、雇用の流動性を阻害しています。
また、日本の雇用のしかたでは、日本企業は「ゼネラリストの素人の寄せ集め」であり、一方、海外企業は「プロスポーツチーム」で、全く太刀打ちできません。
2.日本の働き方 vs 海外の働き方
日本の働き方と、海外の働き方を比較してみましょう。
日本の働き方と世界の働き方の違い
- 日本の働き方:年功序列と終身雇用
- 海外の働き方:フリーエージェント
(1)日本の働き方
年功序列や終身雇用といった「日本的雇用」は、1960年代の高度経済成長期以降に始まりました。
人手不足が起きる中、働き手を確保したい経営者と、生活を安定させたい労働者の利害が一致して、年齢(=生活コスト)が上がるにつれて給料が増え、定年まで働ける仕組みができました。
日本では、新卒でたまたま入社した会社に、定年まで終身雇用されることが、幸せな人生だと思われてきました。
ですが、年功序列にも、定年制にも、問題が多くあります。
年功序列の問題点
- 若い優秀な社員の給料が低くなり、昇進できないこと
- 能力の低い中年社員が会社に居残ること
定年制の問題点
- 優秀でも、定年になるとキャリアが打ち切られてしまうこと
- 定年後に再雇用されると、同じ仕事をしても給料が下がってしまうこと
さらに、終身雇用は「労働者を保護するための制度」ではなく、「労働者を奴隷化する制度」です。
なぜなら、雇用を奪う解雇は認められない代わりに、会社が社員にどのような業務を命じても、経営の裁量の範囲内で、従業員が文句を言ってはならないからです。
つまり、生活の安定と引き換えに、「社畜の幸福」が日本でまかり通っているのです。
(2)海外の働き方
海外では、会社に属さないフリーエージェントの働き方が増えてています。
フリーエージェントは「ギグ(Gig)」と呼ばれているのですが、自由に働くという意味が込められています。
アメリカでは既に、労働人口の16%から29%がギグエコノミーに関わっているそうです。
急速にギグ化が進んでいるのは、会社側と労働者側と、それぞれに理由があります。
ギグ化が進む理由
会社側
- 人件費削減のため:従業員なら負担しなくてはならない福利厚生(有給休暇、医療保険、退職年金)が、フリーエージェントに仕事を発注すれば不要
- 素早く人材を補充するため:新しいビジネスに合わせて従業員を教育するより、仕事に適した人材を労働市場から調達する方が簡単
労働者側
- 元の雇用主に自分の価値をわかってもらえなかったため
- 自由度や柔軟性を重んじるため
つまり、雇用者にとっては、安く、素早く、スキルのある人材を確保でき、労働者側にとっては、自由に、自分の価値を大事にしながら働けるというわけです。
フリーエージェントの働き方を選んだ労働者の多くが、幸福感が高まった、健康にも良いと感じているそうです。
3.今後どのように働けばよいのか
海外で起こっていることは、5年から10年のうちに、日本でも起こります。
ですので、海外で起きていることを踏まえつつ、著者の主張から、今後どのように働けば良いのか考えてみましょう。
(1)「定年制の廃止」と「金銭解雇の合法化」
著者は、日本の働き方は不条理であるとし、解決策を提案しています。
具体的には、「定年制の廃止」と「金銭解雇の合法化」が提案されています。
「定年制の廃止」と「金銭解雇の合法化」で可能になること
- 「定年制の廃止」:自分の能力と意欲に応じて、働き続けられること
- 「金銭解雇の合法化」:無能な社員を解雇でき、新規雇用が増えること
従業員は、「定年後再雇用」により、定年前の仕事と違う、やりがいのない仕事をあてがわれ、減給で働くという事態がなくなります。
そして、「金銭解雇のルール化」により、生産性の低い社員を一定の補償金を払って解雇し、能力があるがこれまでチャンスのなかった非正規社員に、その空いたポストを与えることが可能になります(つまり、格差の是正もなされます)。
(2)人生100年時代に生き延びること
世界は急速に変化しているのに、日本人の働き方は前近代的な「身分制」にとらわれたままです。
そんな中で、どのように生き延びればよいのか、著者は以下のように述べています。
今後の働き方
- 好きなこと、得意なことを仕事にする
- 長く働く、いっしょに働く
好きなこと、得意なことをマネタイズして生きていく他ないとしています(全ての人ができるわけではないので、著者は「残酷な世界」と言っています)。
また、生涯現役で、共働きで働くことを、著者はすすめています。
収入を増やすには、自己啓発(資格を取るなど)により「もっと稼げる自分になる」か、長く働くか、働ける人を世帯内で増やすしかありません。
ですが、自己啓発により収入を増やせるかは、本人の努力・能力・運によるとし、誰でもできて確実な、「自分が長く働き、妻も働き続ける」という人生設計を、著者は主張しています。
(3)10年後に生き残れる働き方
結局のところ、「どこでも誰とでも働ける」というのが、10年後に生き残れる働き方なのではないでしょうか。
これは、『どこでも誰とでも働ける』の著書の尾原和啓さんが実現してきた働き方です。
「どんな職場で働いたとしても、周囲から評価される人材になる」「世界じゅうのどこでも、好きな場所にいながら、気の合うひとと巡りあって働ける」ということです。
どこでも誰とでも働ける
- 個人の働き方は、多くの人や会社と対等な関係でつながり、知識や成果を分け合う。
- 自分が何者であるか、何ができて、何ができないかを公言し、相手が評価し、信頼してくれる。
- ずっと学び、ずっと働きながら、自分の趣味をまっとうする。
「ギブ」がポイントになっており、自分が持っている「知識」や「人脈」を惜しげもなく、色々な人たちと共有することで、ネットワークが大きくなり、自然に富につながるとしています。
結局のところ、私たちはどのように働いたら良いのでしょうか。
生き残れる働き方
- 会社に所属しているときからフリーエージェントとして働いていると考え、自分自身の良い評判を増やしておく。
- フリーエージェントになってからも、専門知識やスキルを活かし、自分自身の良い評判を仕事につなげていく。
「会社に依存せず、自分のマーケットバリューを高めつつ、人脈を作る」というのが、近い将来起こる変化の中でも生き残れる働き方だと思います。
以上、「10年後に生き残れる働き方」でした。
その変化に対応できるようにしないといけないね。
そうなると、たとえ会社員であっても、フリーエージェントのつもりで働き、人脈をつくっていく必要があるね。
自分が得意なことを伸ばして専門性を持ち、会社ではなく、自分自身に帰属する評価を得ていく。
そして、自分の知識やスキルをギブすることでさらに人脈を広げ、人脈から仕事が入ってくるようにする。
自分と価値観のあった人と、自分の価値観を大事にしながら、心地良いつながりの中で仕事を続ける。
これが、今後どんな変化の中でも生き残れる働き方だと思うよ。
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